「小春日和」は、いつ使う?
のどかで穏やかな気候をさす「小春日和(こはるびより)」。言葉の印象に反して、実は春に使う言葉ではないんです。では、いつごろ使うのが正しいでしょうか。
1)年が明けて最初の晴天
2)初冬の暖かい日
3)2月の節分のころの晴れた日
4)梅雨の晴れ間
正解は
2)初冬の暖かい日
「小春日和」の意味
「小春日和」とは、以下が正しい意味になります。
冬の初め頃の、暖かく穏やかな気候。陰暦十月頃の春のような天気。
出典:『小学館 四字熟語を知る辞典』
もともと「小春」とは陰暦の10月のこと。陰暦10月とは、年によって違いますが、今の太陽暦では10月終わりから12月はじめに当たります。
つまり、おだやかで気持ちのよい晩秋から初冬にかけての晴天を指して用いるのが「小春日和」。春に使わないように注意しましょう。
「五月雨」「秋晴れ」についてもチェック
「五月雨」とは
同様に注意したいのが「五月雨(さみだれ・さつきあめ)」。「五月」という字が用いられているので、読んで字のごとく5月の雨天を指すと勘違いしてしまいますが、この「五月」も陰暦ですので、今の暦だと6月前後になります。
すなわち「五月雨」とは梅雨の異名。転じて「五月雨式(さみだれしき)」という表現では、あたかも梅雨の雨のように、
断続的に物事が行われること。一度で終わらず、とぎれながらも何度か続けて行うこと。また、そういうやり方。
出典:『小学館 大辞泉』
という意味で使われています。
「秋晴れ」とは
字と季節がずれている言葉として「小春日和」「五月雨」が続くと、「秋晴れ」についても警戒してしまいますね。ですが、「秋晴れ」は字の通り、秋の爽やかな晴れ間を指します。
秋は空が高く空気も澄んで、爽やかな晴天が続きます。「小春日和」にはまだ早い初秋から秋半ばの晴れの日には、普通に「秋晴れ」を使うのがいいでしょう。
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構成/HugKum編集部
協力/小学館 辞書編集部
イラスト/小幡彩貴
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編/飯間浩明 定価/1900円+税
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