日常的に口にしている四字熟語も、いざ漢字で書くとなると「どうだったっけ?」となるものです。今回おさらいしておきたいのは「むがむちゅう」。
「むがむちゅう」の意味
ある物事に熱中して、自分を忘れること。一つのことに心を奪われて他のことを顧みないこと。
『小学館 四字熟語を知る辞典』より
意味はわかりますね。日頃、日常会話で使っているのではないでしょうか。
「むがむちゅう」の正しい漢字表記は?
では、正しく漢字で書くとどうなるでしょう。
あれ、どうだったっけ?
ちゃんと知っていたつもりでも、こうして並べられると一瞬、混乱してしまいますね。
正解は、2)
混乱してしまった人は、「無我」と「夢中」の二語に分けて覚えるとよいですよ。
「無我」は本来は仏教語で、己への執着を脱した状態にあること。
『小学館 四字熟語を知る辞典』より
いっぽう「夢中」は、楽しいことや好きなことに熱中する意味で「~~に夢中になる」と単独でも使われていますね。
「夢中」か「霧中」か
「霧中」と迷ってしまった人は、別の四字熟語「五里霧中」と混同してしまったのでは。
ここで五里霧中についても確認しておきましょう。
いっしょに覚えたい「ごりむちゅう」
五里霧中は「ごりむちゅう」と読み、意味は以下のようになります。
深い霧の中で方角がわからなくなってしまうこと。転じて、物事の事情がまったくわからず、すっかり迷ってどうしてよいかわからなくなってしまうこと、手さぐりで進むことのたとえ。
『小学館 四字熟語を知る辞典』より
こちらの「むちゅう」は「霧中」と書くのが正解。「五里霧」はもともと道教に伝わる術のひとつで、五里四方に霧をわかせるものなんだそうです。そんな霧にとりまかれてしまった状態を想像すると覚えやすいですね。
無我夢中とあわせて、書き分けられるようにしておきましょう。
構成/HugKum編集部
協力/小学館 辞書編集部
イラスト/小幡彩貴
小学館 四字熟語を知る辞典
編/飯間浩明 定価/1900円+税
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