育児疲れを感じたことのあるママは約8割
HugKum編集部では、1~3歳の子を持つママ108人を対象に、育児疲れを感じたことがあるかアンケートで聞いてみました。
Q.「育児に疲れた」と思うことはありますか?
「いつも思う」の回答数が25.0%、「ときどき思う」の回答数が50.9%に。育児に疲れたと思ったことのあるママは75.9%と約8割にのぼりました。具体的にどのようなことから育児疲れを感じるか、理由も聞いてみました。
育児疲れを感じるママの声
ママの心の状態は!? 育児疲れの症状チェック
「育児に疲れた…」「育児疲れで一人になりたい…」「子育て“もうやめたい…”」と感じているママは少なくありません。まずはママの心と向き合って、該当項目に☑を入れてみましょう。
□1日1回以上、子どもを叱る・注意する
□イライラして、子どもを叱ることがある
□同じことで何度も叱ったり・注意したりすることがある
□子どもが何かしても、ガマンして怒らないようにしている
□子育てをしていて“こんなはずではなかった…”と思うことがある
□しつけは、しっかりしたい
□周りのママが優しく見えたり、うらやましく見える
□ゆっくり食事やお茶ができない
□子育ては8割以上、ママ一人で行っている
□子どものことや家庭のことを本音で話せる友だちがいない
☑項目が、
0~2個 育児疲れは、今のところ心配ありません。
3~5個 育児疲れ予備軍なので注意を!
6個以上 かなり育児疲れが出ている様子。心の休養をとって。
育児疲れ・イライラの理由とは?
子どもを叱り続けると、ママの心は疲弊する一方
“育児疲れの症状チェック”で、☑項目が3個以上のママは、育児疲れ予備軍もしくは、かなり育児疲れが進んでいる状態です。
ママが育児疲れになる原因で、まず考えられるのは子どもを叱ったり、注意したりする回数が多いこと。また子どもといると“自分の時間がとれない!”“予定通りに行かない”ということが多々ありますが、こうした状態が続くとママのストレスもMAX状態に。
育児疲れを軽減するには、子どもに怒りがわく根本的な理由を考えてみることが第一! よくあるトラブルを例に、なぜ怒りがわくのかその理由を解説します。
子どもにイライラする3つの理由
例えば、ママ友とランチをしているとき、子どもが「ママ~、ママ~」としつこく関わってきたり、話しに割り込んできたりして、ゆっくりランチができなかったとします。そのときママの心の中では、次のような怒りや負の感情が入り乱れます。
1.子どもに対する“役割期待”のズレ
“ママ友とおしゃべりをしている間、静かに遊んでいてね!”と思っていたのに、期待を裏切られたことによってイライラが募る。
2.自分が“被害者”になった感覚
“なんで少し待てないの!? 困らせないでよ!”“ママになったら、自分のしたいことがホントにできない…”と自分が被害者になったような気分になる。
3.予定が狂ったことによる怒り
“○○さんと久しぶりにランチをして、楽しむはずだったのに!”と予定が狂ったことで怒りがわく。
育児疲れの解消法と溜めないコツ
育児疲れ解消には、子どもとの関わり方を見直して!
“子どもに怒りがわく3つの理由”を見て、心当たりがあるママは多いのではないでしょうか。育児疲れの解消法というと“ショッピングやマッサージなどをしてストレス解消する”と言うママもいますが、それはガス抜きをしているだけ。根本的な解決にはなりません。
育児疲れ解消には、子どもとの関わり方を見直すことがカギ。次の2つの視点を取り入れるだけで、育児疲れはぐんと軽減できるはずですよ。
1子どもにムリな期待をしない
例えば“ママ友とのランチ中は、ゆっくりおしゃべりを楽しみたい!”と思うでしょうが、それを叶えるには“大人の話を聞き分け、話しに割り込むときはタイミングを見ること。ただし必要なことは必ず伝える!”という難易度の高いハードルを押しつけていることになります。しかし、冷静になって考えてみると子どもにはムリなことですよね。ママの思い通りにならないときは“求めてもムリな期待”をしていないか考え直してみて。
2子どもの事情を考えてみる
大人の都合を無視して、子どもが振る舞うときは“幼稚園や保育園のお迎えの直後だったから、ママに構ってほしかった”など、子どもなりの理由があるもの。子どもの事情を理解しようとする視点をもつと「せっかく楽しくランチしていたのに! なんで邪魔するの!」といった一方的な怒りが抑えられます。
またママの中には、“子どもを怒る自分がイヤ!”と思ったり、“まだ小さな子なんだから…”と自分に言い聞かせて、何かあっても怒りをガマンする方もいます。しかし、そうしたママたちは突然キレたり、ある日を境にガマンできず怒りやすくなる傾向が。そのため怒りは抑えないで! 上記で紹介した“1子どもにムリな期待をしない”“2子どもの事情を考えてみる”ことを意識すれば、子どもの心に届く叱り方ができるのではないでしょうか。
監修/水島広子先生
精神科医。医学博士。慶応義塾大学医学部卒業・同大学院修了。慶応義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、2000年6月~2005年8月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正などを実現。現在は、対人関係療法専門クリニック「水島広子こころの健康クリニック」院長を務める。著書に「自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法」(大和出版)など多数。
『そのイライラは手放せます 怒らないですむ子育て』水島広子・著(小学館)
構成/麻生珠恵 写真/石川厚志