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パパの子育て参加率はどれくらい?
イクメンという言葉が使われるようになって久しいですが、実際にパパたちはどのくらい子育てに関わっているのでしょう? HugKumではパパを対象にアンケートを実施しました。
父親主体・率先して子育てをしている人が28%。やはりまだまだ少数派ですね・・・。とは言え、なるべく子育てに協力するようにしている人は60%もいるので、育児への意識は向いているものの残業が多いなど、環境が整わない人も多いのかもしれません。
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1〜3歳の子ども、パパが一緒に過ごす時間は1日どれくらい?
子育てするパパママにとって、体力的に子育てが大変な時期が1〜3歳。オムツ替えや授乳、子どもを考慮したご飯の支度も必要ですし、怪我や病気をしやすいのもこの時期です。保育園なども含め、この年齢の子育て期間は、付きっきりで大人の手と目が必要になります。最近は、以前より父親が育児参加する家庭も増えているようですが、平日は仕事にほとんどの時間を費やすお父さんも多いはず。では実際に父親が子どもと一緒に過ごす時間は、1日にどのくらいあるのでしょうか。小学館の幼児誌『ベビーブック』の読者アンケートの結果がこちらです。
お父さんが家にいる時間を考える
アンケート結果の分析の前に、お父さんの平日の時間の使い方について、簡単に確認しましょう。職種や働くスタイルによって違うので、ここはあくまで一例です。
父親の1日24時間の内訳から。朝6時半に起きて、8時に家を出て、仕事をして、残業も終え、帰宅したのが20時だとします。通勤時間を含めた働く時間が約12時間。睡眠時間が7時間とすると、家にいて起きている時間は5時間ですね。
この場合、子どもと接することのできる時間は、朝の1時間半か、帰宅してから子どもが寝るまでの間ということになります。3歳以下の子どもが20時以降長く起きていることは少ないので、子どもと一緒に過ごす時間は、朝起きてから出発するまでの1時間半と、寝る前の0〜1時間程度ということになります。
朝8時に家を出て、20時に帰宅すると、子どもとの過ごせる時間は、おおよそ1時間半〜2時間半ということが計算上ではわかりました。
1時間〜2時間台が4割、3時間以上は3割超
もっとも多かったのは、「1時間から1時間半」の20.8%で5人に1人はこの長さでした。次いでほぼ同数の20.2%が「2時間〜2時間半」、3位は「3時間〜3時間半」、4位は「4時間〜4時間半」という結果でした。
先ほど父親の家にいる時間を仮定して、一緒に過ごせる時間を1時間半〜2時間半と計算しましたが、アンケート結果でも、1時間〜2時間台という回答が合わせて41%と多いことがわかりました。回答してくれた人から聞かれたのは「帰宅後、1歳の娘は寝てしまっているので、朝の2時間で一緒に朝食をとったり遊んだり着替えを手伝っています」「毎日、保育園に送ってから会社に行くので、朝ごはんや支度〜保育園までの1時間が子どもとの時間」など、朝に積極的に子どもと関わっているというパパも多いようです。
そして、3時間〜5時間半と回答した人は、実に37%となり、多くの父親が比較的長い時間を子どもと過ごしていることがわかりました。
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子育てに関するパパの本音。その悩みとは?
子育て中の最大の敵は思うようにいかずイライラしてしまうこと。パパはどうだったのでしょうか。
パパたちもママと変わらず、イライラしてしまうことはある人が3/4にのぼり、みなさん悩んだ経験があるようです。積極的に関わるほどイライラの原因も増えるかも。パパたちはどんなときにイライラを感じるのでしょうか?
言うことを聞かないとき
「あまりにも言うことを聞かなかった時」(40代・愛知県・子ども1人)
「何度言ってもわからない時」(40代・高知県・子ども1人)
「言いつけなど、守らない」(40代・東京都・子ども2人)
思い通りにいかない・うまくいかない
このようにしてほしい、と言う理想通りにいかないとイライラする人多数。簡単には思い通りにはならないよね、と達観している人も。
「一緒に学習しても、教えたことを忘れたり、なかなか覚えてくれない事が多いとき」(50代・千葉県・子ども1人)
「片付けた後にすぐ散らかされた時」(30代・広島県・子ども1人)
「思い通りにいかない。まあ、そうなんですけど」(40代・富山県・子ども2人)
「直してほしいことが直らない」(40代・兵庫県・子ども1人)
泣いてぐずるとき
子どもは一度泣いてしまうとなかなか気分を直せないもの。いつまでも続く泣き声にイライラしてしまう人が多いようですね。手のつけようがなくなってしまうと大変ですよね。
「泣いて何も聞かないとき」(30代・奈良県・子ども1人)
「なかなか泣き止まない」(40代・東京都・子ども2人)
「夜泣きがひどいとき」(30代・千葉県・子ども3人)
自分の時間が取れないとき
今までは自分だけの時間がいくらでもあったのに、赤ちゃんが生まれた途端、思うように時間がとれなくなることに戸惑う人も。ママからしたらタバコくらい我慢して!という声が上がりそうですが(笑)
「自分の時間が取れないとき」(30代・千葉県・子ども2人)
なかなか寝てくれないとき
「中々夜寝てくれない時」(30代・福岡県・子ども1人)
自分の気持ちが伝わらないとき
子どもがある程度成長すると、意思疎通の難しさを実感すると言う声も。話したらわかる、というものでもないのが赤ちゃんですよね。
「自分の気持ちが伝わらないから」(40代・東京都・子ども2人)
「イヤイヤ期や反抗期」(50代・三重県・子ども2人)
自分に余裕がない時にも
「時間がないとき」(40代・東京都・子ども1人)
「疲れているとき」(30代・岡山県・子ども2人)
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「パパの育児」の役割とは?何をすればいい?
*ここからはHugKumの下記記事の一部を再掲しています。
イクメンなんて目指さないで。夫婦の基盤があれば、子どもは8割がた順調に育ちます
最近は、父親が育児に関わるのは当たり前といわれます。具体的に、どんな関わり方をすれば子育てはうまくいくのでしょうか。『子育てはどたばたがよろしい』などの著書をお持ちの、平山許江選瀬先生にお話を伺いました。
家庭での「パパの役割」は二つあります
幼児がいる家庭での「パパの役割」は二つあると思います。一つは子どもとの関わり方、もう一つは妻との関わり方。
パパと子どもの関わり方
まず、子どもとの関わり方から。男親は子どもの発達について、あまり知らないことが多いため、わが子に求めるレベルが高くなり、頑張らせたいという気持ちが強くなる傾向があります。例えば、子どもがピョンとび降りた。子どもはそのことをほめてもらいたいのに、お父さんは「あっちから跳んでみろ」と、少し高い場所から跳び降りさせようとする。
でも子どもは、同じことをやるのが楽しいのです。そして満足すると、必ず自分からもっと上を目指します。小学3年生頃までは、同じことを何回もやって習熟した子のほうが伸びます。子どもが「今やっていること」を、手出し口出しせずに見てあげて「おー、すごいな」と手放しでほめる。子どもの“今”の力を信じて待つことが親の役割だと、自分に言い聞かせてください。
身近な遊びでOK
子どもは体力を使う遊びをして、エネルギーを使うことで、大きな満足感が得られます。と言っても、外で思いっきり遊ぶなど、特別なことをしなくてかまいません。家の中で、子どもが寝ている背中に座布団をのせ、お父さんは脚全体を子どもの体を包み込むように置き、「さあ、逃げられるかな」と。新聞を読みながらでもいいんです。子どもはそこから必死に逃れ出ようと、喜んで挑戦するでしょう。
お父さんが家事をするとき、手伝いをさせてもいいですね。お風呂掃除をする時「ほら、○○はここ拭いて」とか、照明を取り替える時に電球を持たせるとか。作業が終わったらハイタッチ! 子どもの気分はもう「パパと同志」です。
パパの、ママへの関わり方
妻との関わり方ですが、子どもが生まれると、いつの間にかお互いをパパ、ママと呼んでいたりしますね。子どもがいる時に「ママ」と呼ぶのはいいとしても、妻はあくまで妻であり、女性です。「あなたのママではない」ことを忘れないで。
夫婦は本気で向かい合い、それぞれ大変な時は遠慮せずに本音を話し、勇気を与え合うことを勧めます。勇気を与えるというのは、相手の気持ちを受け入れ、思いやること。夫婦は、そうすることでつながるのだと思います。
パパの役割は、ママと違って当たり前!
父親と母親は、思考回路や行動パターンなどに違いがあり、一般に、子育ての細々したことは母親のほうが向いています。「パパの育児」の役割は、母親と違って当たり前。お互いが、得意な分野やできることを自分の役割にして、補い合えばいいのではないでしょうか。
大事なのは、先に述べたように、夫婦が本気でつながっている関係であること。イクメンなんていわなくても、その基盤をしっかり築いていれば、8割、9割、子どもは順調に育つと私は思います。
平山 許江先生
文京学院大学大学院特任教授
子育てのための退職や大学院へのオバサン入学をはさみ、私・国立幼稚園に20年勤務。短大勤務を経て現職。著書に『子育てはどたばたがよろしい』(世界文化社)など。
イラスト/松木祐子 構成/河又えり子 出典/2016年1月号『めばえ』
父親育児を課題ではなく、大切な機会ととらえて
育児における父親の役割を問われる昨今ですが、「ママの目を気にして」「世間の風潮が気になって」という義務感からの育児参加ではなく、子どもをもうけた人生選択の証、かけがえのない体験として、父親育児を肯定的にとらえたいですね。
そのときどきの年齢、それぞれの個性をもつ子どもから、人間全般への発見や気づきを得られるのも子育ての醍醐味です。ぜひ、肩の力を抜いて楽しんでください。
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再構成/HugKum編集部