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万年筆ってどんなイメージ?
あなたは「万年筆」と聞くとどんなイメージが浮かびますか? 「昔の筆記具」「書きづらそう」「お手入れが大変」「子どもは触っちゃいけない」など近づき難いイメージが浮かぶ方が多いのではないでしょうか?
万年筆は50年ほど前までは日本でも一般的に使われていた筆記具でした。つまり、子供たちの祖父母の世代では日常で使われていましたし、「中学校の入学祝いは万年筆でした」という声を年配の方から耳にします。その後、より簡易的に使うことができるボールペンが一般的になると、万年筆の使われる機会が減っていきました。
しかしそんな万年筆がいま、趣味の筆記具として復活し始めているのです。
万年筆を使う楽しさって?
万年筆は、他の筆記具と比べると「しばらく使わないとペンの中でインキが固まってしまう」「書くときにはペン先を決まった方向を向けなければならない」など面倒に感じることもあると思います。ですが、万年筆ならではのたくさんの楽しみ方が今注目されています。
いいところがたくさん!
万年筆の良さは「筆記線に濃淡が出ることで文字に味わいが出る」「トメ・ハネ・ハライなどを表現しやすく、心のこもった文字が書ける」「力を入れずに書くことができるので、長時間筆記しても疲れづらい」などなど、たくさんあります!
最近は様々な色のインキも発売されており、自分の好きな色を選んで使うことができることも万年筆の人気のポイントに。オリジナルの万年筆を使うと書くことが楽しくなりますよ。
「カクノ」は子どもが使える万年筆ブランド
「カクノ」は2013年にパイロットコーポレーションから発売された、子ども(小学生)向けの気軽に使える万年筆です。
1本1000円(本体価格)と万年筆としてはリーズナブルな価格でありながら高性能!
コストパフォーマンスに優れていて、大人にもファンの多い「今や万年筆を初めて使うならコレ」ともいわれるような存在の製品です。
2014年にグッドデザイン賞やキッズデザイン賞を受賞♪
ボディは鉛筆と同じ六角形になっているので、転がりづらく持ちやすくなっています。また親指、人差し指、中指で握る部分(グリップ)は三角形になっているので、鉛筆の正しい持ち方と同じように握ることができます。子どもにも持ちやすいです!
万年筆には筆記するときのペン先の向きは決まっています。正しく紙に当てないと線が書けないのです。そこで工夫されているのがカクノのペン先につけられた「えがおのマーク」。この顔が見えるように持つことで正しく紙に書くことができます。書くたびにハッピーな気持ちになりますよ!
また、ペン先は高級筆記具の価格帯で販売されている、万年筆に使われる柔らかな素材である金ではなく、強い筆圧を受け止めてくれるステンレス製になっていて、力の強弱をコントロールするのが苦手なお子さんでも安心して使用できます。また、安心して使える工夫として、キャップを誤飲しても気道を確保できるように、空気用の穴が開けられているのも特長のひとつと言えます。
★発売の翌年である2014年にグッドデザイン賞やキッズデザイン賞(審査委員長特別賞)を受賞しています。
ペンの太さもお好みで!
ペンの太さはEF(極細)、F(細字)、M(中字)の3種類あるのでこちらはお好みや用途に合わせて選んでみてください!
(※カラーによりFとMのみのものもあり)
「カクノ」万年筆を使ってみました
1.キャップを開けます
キャップにはくぼみが付いていて、そこに指をかけることで開けやすくなっています。
2.カートリッジを差し込もう
キャップを外した本体のペン先から1/3くらいのところを回すことで軸からペン先を外します。外したらペン先の後ろの方向からカートリッジを差し込みます。
3.インキが出るまで少し待ちます
カートリッジに詰められたインキが少しずつペン先へと進んでいきます。なかなかインキが出てこない場合はカートリッジを軽く優しく押してみてください。
4.書いてみよう
2で外したペン先と軸を繋ぎます。えがおのマークがある方を上にして、親指・人差し指・中指でグリップを握って書いてみましょう。鉛筆やボールペンと異なり優しく紙の上を滑らせるだけで筆記することができます。
5.使い終わったら
1で外したキャップをしっかり閉めましょう。
「カクノ」いちばんの特徴は「えがおのマーク」
実はカクノの「えがおのマーク」はシリーズによって表情が異なります。
上の写真、左から
2013年に発売されたシリーズ(軸が黒)ではニッコリ。
2014年に発売されたシリーズ(軸が白)ではウインク。
そして、2017年に発売されたノンカラー(透明軸)ではぺろっと舌を出しています。
新作は「カクノ ファミリーシリーズ」
この2022年3月に発売になった、最新の「カクノ ファミリーシリーズ」は色ごとに「えがおのマーク」が「パパ」「ママ」「ボーイ」「ガール」「ベビー」となっています。かわいいですね!
ちなみにファミリーシリーズはそれぞれ異なる色がついた透明ボディでインキの残量も一目でわかります。たくさんあって選べない時は、お父さんは「パパ」、お母さんは「ママ」を、お子さんは「ボーイ」や「ガール」とチョイスすると楽しく使えるかもしれませんね。
なお、カクノに使えるカートリッジインキは現在10色販売されています(純正のインキカートリッジのみ使用できます)。また、カートリッジの代わりにコンバーターと呼ばれるパーツを取り付けると瓶に入れられた万年筆インキ(※原則、万年筆と同じメーカー製のものを)を使用することもできます。
万年筆で書いた文字は、ほっこりとしてあったかい
大人も子供も日本語を美しく表現できる!日本製の万年筆ならではの表情に注目。
「気持ちが伝わる文字を表現してくれる筆記具」
万年筆、特に国産の万年筆で書いた文字はペン先のしなりにより日本語の文字の特徴をよりよく表現してくれます。
加えて文字にインキによる濃淡が現れるため、いつもの字と違って美しく見えます。また、力を抜いて文字を書くことができるので、ゆったりした気持ちで丁寧に文字を書きたくなりますよ!
親子で万年筆デビューをしてみませんか?
現在の子育て世代では万年筆に触れたことがない方も多いかと思います。それなら親子で万年筆デビューをしてみませんか?
物を大切に想う気持ちが育つ
万年筆は、ボールペンやマーカーペンと比べて手間がかかる筆記用具です。例えば少年野球をしているならばグローブやバットなど道具のお手入れをしますよね。お手入れをすると、物を大切にする気持ちが成長します。少しの手間で、ずっと使える。万年筆の良さはこんなところにもあると思います。
使い終わったらキャップを締める、インクが詰まったり乾いてしまったらペン先を水に浸けて洗うなど、万年筆の基本的なお手入れは難しくありません。ふりがな付きの使い方も同梱されているので、親子で読みながらまずは使ってみてください。
そしてもし、ご実家やご自宅に万年筆が眠っているならば、ぜひ再び使ってあげてください。世代を超えて祖父母から父母、孫と受け継ぐことのできる文房具、それが万年筆です。物を大切に思う気持ちがきっと育つはずです。
文・構成/ふじいなおみ
構成/HugKum編集部