令和版ながら初代ウルトラマンをリスペクトした『シン・ウルトラマン』
『シン・ゴジラ』(16)に続き、「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明と「平成ガメラ」シリーズの樋口真嗣が再タッグを組んだ空想特撮映画『シン・ウルトラマン』がいよいよ5月13日より公開となりました。
盟友でもあるおふたりのコラボレーションは、映画ファンお墨付きで、『シン・ゴジラ』も興行収入82.5億円を挙げる大ヒットとなっただけに、公開まで全貌が明かされなかった『シン・ウルトラマン』も期待度大です。
キャストも主演の斎藤工をはじめ、長澤まさみ、有岡大貴、早見あかり、田中哲司、西島秀俊ら豪華キャストが集結。言わずとしれた日本が誇るヒーローのウルトラマンですが、予告編でウルトラマンが放つスペシウム光線などの映像を見てもわかるとおり、本作は初代ウルトラマンをリスペクトしつつも、令和の時代に観るべき物語としてアップデートされたエンターテイメント作品に仕上がったようです。
怪獣ではなく“禍威獣(カイジュウ)”が日本を襲う!
『シン・ウルトラマン』の舞台は、巨大不明生物“禍威獣(カイジュウ)”が次々と現れるようになった日本。通常の兵器ではまったく歯が立たないので、遂に日本政府は、禍威獣対策に関するエキスパートたちを集めた禍威獣特設対策室(通称:“禍特対”)を設立します。
メンバーは、班長・田村君男(西島秀俊)に作戦立案担当の神永新二(斎藤工)、非粒子物理学者の滝明久(有岡大貴)、汎用生物学者の船縁由美(早見あかり)ら精鋭たち。
禍威獣が猛威を振るうなか、突然、銀色の巨人が大気圏外より出現します。そう、彼こそは我らが待ち望んでいたヒーロー、ウルトラマンなのですが、まだその正体はわからないままです。
それを機に、巨人対策のための分析官として浅見弘子(長澤まさみ)が新たに禍特対に配属され、神永と共に任務を遂行していくことに。
ネタバレ厳禁とされる本作ですが、主演の斎藤さんは本作を観た感想について「この作品のすばらしさが言語化できないんです」「本当にすごい映画に出会った時って、言葉にならないんだなと思いました」とうなっていたのも印象的でした。
コロナ禍だからこそ、心に響くような映画になっていそう
正直、コロナ禍がこんなに長く続くとは誰もが思っていなかったと思います。加えて、ロシアのウクライナ侵攻もここまで長引くのも予想外でした。いわばここ数年、現実世界が、まるでSFやファンタジー、戦争映画のようだと感じられることも多かったかと。
そんな今だからこそ放たれる『シン・ウルトラマン』は、果たしてどんなメッセージを我々に発信してくれるのでしょうか?樋口監督は、イベントでこういうコメントを口にされました。
「明日からまたどうなるか分からないような世の中を、今は生きているわけですが、そういった中で『今日より良い明日が来てほしい、良い明日が来るためには何ができるのだろうか』という思いを、僕は禍特対のメンバー5人に託したつもりです。それに見事に応えていただいたと思っています。すばらしい映画になっていると思いますので、ぜひご覧ください」
『シン・ゴジラ』同様、『シン・ウルトラマン』も、きっと映画館で“体感”するに値する映画になっていそうなので、ぜひご家族でご覧ください。
企画・脚本:庵野秀明 監督:樋口真嗣
出演:斎藤工、長澤まさみ、有岡大貴、早見あかり、田中哲司/西島秀俊…ほか
公式HP:shin-ultraman.jp/
©2021「シン・ウルトラマン」製作委員会
©円谷プロ
文/山崎伸子