「花王」のユニバーサルな商品に注目。触覚識別って?「つめかえ」から「つけかえ」へ

SDGsとは、Sustainable Development Goals の略で、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」。これは、国連で採択された、2030年までに達成を目指す17の目標と具体的な行動計画のことです。私たちの身近なところでは、どのようにSDGsに取り組んでいるのでしょうか?
今回は、「花王」の取り組みに注目しました!

シャンプー容器のギザギザに込められた思いとは?

今回は生活用品メーカーの花王の取り組みに注目!

シャンプーの容器にある、手で触れただけで区別がつくギザギザは便利ですよね?  実はこのきざみを初めて導入したのは花王なのです。花王の研究員・久保田遼さんにお話を聞きました。

「きざみ入り容器の開発は1989年、『シャンプーとリンスを間違えた』『目が不自由なので容器に工夫してほしい』などお客様の声から始まりました。

調べたところ約6割の人に誤使用の体験があるとわかり、新しい識別方法を探りました。数十種の容器の試作、盲学校でシャンプーの識別方法を聞く調査も行いました。そして91年、きざみ入り容器の第1号が登場。さらに、他社にもきざみの導入を働きかけると、前向きな意見と賛同が得られ、その後、*業界全体の統一基準になりました。今ではほとんどのシャンプーにきざみがついています」

*日本化粧品工業連合会

シャンプーなどの容器の開発に関わっている久保田さん。「きざみ入り容器は、多くの方のご協力によって実現しました」

※ボディウォッシュの触覚識別表示は、2012年に業界での検討会が始まりました。「きざみ入り容器」の知見を生かして、花王が提案したライン状の触覚記号が最終的に採用されました。

きざみ入り容器に決まるまで

90 〜91 年、「触ってわかる、新しい基準」を求め、容器の質感を変えたり凸マークをつけたりして、さまざまな試作品を作りました。最終的に、誰もが触ってわかりやすく、デザイン的にも完成度の高い「きざみ入り容器」が選ばれました。

「つめかえ」よりもラクな「つけかえ」。小一モデル・杏珠ちゃんがチャレンジ!

プラスチック使用量の削減に役立つ「つめかえ」はすっかりおなじみになってきましたが、花王では独自に「つけかえ」の選択肢も用意しています。

つめかえるより断然ラクという「つけかえ」に、小一モデル・杏珠ちゃんが挑戦しました。くり返し使用可能な「スマートホルダー」にシャンプーなどのつめかえ用をそのまま装着するだけ。わずか10秒もかからず、驚くほど簡単なので1年生のお手伝いにぴったりです。

「液体を注ぎ入れるつめかえだと、1年生くらいのお子さんには難しいかもしれませんね。でも、つけかえなら液をこぼす心配もなく、お子さんでも楽しんでできますよ」(久保田さん)

花王の調査では、つめかえ・つけかえにすると、毎回本体を購入するより、プラスチック使用量を約75%削減できるそうです。毎日使うものから意識していくのは大事ですね。

①スマートホルダーにつめかえ用を差しこんで、セットします。

②キャップを外し、ポンプをはめて回します。

③つけかえ完了!

最後まで使いきれるエアレスポンプを採用しているから、ムダがありません。

つけかえできる商品はほかにもたくさん!

シャンプー・コンディショナー・ボディウォッシュのつめかえ用「ラクラクeco パック」はすべて、つけかえに使えます。

シャンプー・コンディショナーのつめかえ用「ラクラクeco パック」も2016年の発売分から、触って識別ができるようになっています。色別のキャップに「きざみ」や「ライン」つき。ぜひ触ってチェックしてみてください。

商品の価値を伝えるメリットの反面、プラごみや廃棄時のCO₂ が増えるといった課題があったプラスチック製アイキャッチシールを全廃しました。

※プラスチック使用量削減のため、花王では「プラスチック製アイキャッチシール」をつけた商品の生産を2021 年12 月末に終了しました。

花王のSDGsの取り組みについて>>>>

『小学一年生』2022年7月号別冊『HugKum』 撮影/松原敬子 モデル/國島杏珠 構成/村重真紀

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載しています。

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再構成/HugKum編集部

今回の記事で取り組んだのはコレ!

  • 10 人や国の不平等をなくそう
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を

SDGsとは?

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