食べられるコーヒーカップ?! SDGs企業ランキング2021年から見える、日本企業の面白い取り組み

面白い取り組みをしている世界のSDGs企業

日本の色々な場所で見かけるようになったSDGsの活動が、2021年の企業ランキングとして発表されました。世界的にも環境への意識が高い欧米と比べ、「日本はまだまだ」とも言われますが、実際にはどのような状況なのでしょうか。
日本企業ランキングと実際に行われてきたSDGsの取り組みについて、本記事ではわかりやすく解説していきます。

SDGsに取り組んでいる企業ランキングをチェック

最近色々なところで話題の「SDGs」は、国際的な環境維持の取り組みとして注目されています。日本でも政府だけでなく、個人と企業でも環境への取り組みを推進している様子を見たことがあるでしょう。

こうした環境への意識が高まる中で、SDGsに積極的に取り組んでいる企業についてのアンケートが行われました。その結果として、SDGsの取り組みが社会的に評価されている企業をランキングで紹介します。

1位:トヨタ自動車
2位:ユニクロ
3位:サントリー
4位:日清食品
5位:イオン
6位:日産自動車
7位:ENEOS
8位:スターバックス
9位:ハウス食品
9位:ヤマト運輸(同率9位)

 

引用元:株式会社ブランド総合研究所「企業版SDGs調査2021」

ランキングを見てもわかる通り、日本に住んでいれば誰もが一度は聞いたことのある企業ばかりです。名だたる企業も環境問題へ積極的な取り組みをしており、社会的にも広く認知されていることがわかります。

SDGsとは

SDGsは環境への取り組みだと知っていても、いつ提唱されどのような内容なのか、細かい内容を理解するのは大変です。そもそもSDGsとは何か、どのような取り組みなのかを解説します。

SDGsに取り組んでいる企業ランキングをチェック
SDGsとは

 

SDGsは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の頭文字と最後の文字を取った名称です。2015年9月に国連のサミットで193カ国が2030年までに達成すべき、国際的な目標として提唱されました。

SDGsには、「誰一人取り残さない」という宣誓のもと、大きな17個の目標があります。

貧困をなくそう
飢餓をゼロに
すべての人に健康と福祉を
質の高い教育をみんなに
ジェンダー平等を実現しよう
安全な水とトイレを世界中に
エネルギーをみんなに そしてクリーンに
働きがいも経済成長も
産業と技術革新の基盤をつくろう
人や国の不平等をなくそう
住み続けられるまちづくりを
つくる責任 使う責任
気候変動に具体的な対策を
海の豊かさを守ろう
陸の豊かさも守ろう
平和と公正をすべての人に
パートナーシップで目標を達成しよう

引用元:SDGs CLUB

17個の目標に加えて、169のターゲットも設定しています。目標とターゲットの設定により、世界各国の政府・企業・国民が一体となってSDGsに取り組み、社会に貢献する意識が高まってきているのです。

今回はターゲットについては割愛しますが、より詳しく知りたい方は「SDGs CLUB」をチェックしてみてください。

面白い取り組みをしている日本のSDGs企業

日本でもSDGsの取り組みに積極的な企業が多く、その中でも国民一人ひとりにとって身近で、面白い取り組みの事例を持つ以下企業を紹介します。

  1. モスバーガー
  2. 無印良品
  3. アサヒ飲料
  4. コカ・コーラ
  5. テンセンス

1. モスバーガー

ファーストフードで全国展開しているモスバーガーでは、ヴィーガンの方向けにグリーンバーガーを販売しています。

モスバーガーのグリーンバーガー<テリヤキ>

 

ヴィーガンはベジタリアンよりも厳格に野菜のみを食べる人のことで、動物性の食品は一切口にしません。そんなヴィーガンの方でも美味しくハンバーガーを食べてもらうために、モスバーガーでは野菜のみを利用したハンバーガーを作りました。

大豆で作った代用肉、ほうれん草を使用したパティなど一切の肉類が入っていません。特定の食品にアレルギーを持つ方にもおすすめで、味は通常のハンバーガーとほぼ同じです。

参照:「環境と身体に優しいバーガー」が取材されました!!(モストピ)

2. 無印良品

無印良品では色々な取り組みをしていますが、その中でも「再生コットン」について紹介します。

素朴な風合いが特徴の無印良品の「再生コットン」

 

再生コットンは、工場で衣類を縫製する際に生じる端切れを残しておき、コットンとして再利用したものです。個人から不要な布製品を回収し、再利用するサービスも行っており、地球資源を無駄にしないように高い意識を持って取り組んでいます。

縫製では一枚の大きな布から、必要な部分だけを型通りに切り取って、残りの部分についてはこれまで廃棄されてきました。廃棄されていた無駄な部分、購入後に使用しなくなった衣類などを回収し、無駄なく再利用しているのです。ファッションの業界でも、SDGsへの取り組みは進んでいることがわかります。

参照:不要な布製品をお持ちください。資源へ再生します(MUJI)

3. アサヒ飲料

アサヒ飲料ではモノとしての取り組みではなく、子どもたちへの学びを提供しています。

移動式の授業「カルピス子ども乳酸菌研究所」を開催

 

移動式の「カルピス子ども乳酸菌研究所」を開催し、カルピスだけでなく食育全般についての授業を行ってくれます。授業内容もシンプルをこころがけ、聴かせるだけではなく、アドバイザーとともに子どもたちでグループディスカッションを行い、自分で考える力を育てる方法です。

子どもたちが食を考えるきっかけになるだけでなく、未来・夢にも繋がる授業として「教育応援グランプリ2018(※)」ではプラチナ賞も受賞しました。

(※)教育応援グランプリとは、企業の先進的な科学教育活動の中から、学校の先生の投票によりプログラムを選出し、子どもの未来を応援する価値ある活動として表彰する制度です

参照:「カルピス」こども乳酸菌研究所

4. コカ・コーラ

コカ・コーラでは、期間限定で商品を買うことでフリースが当たるキャンペーンをしていました。

リサイクルできるペットボトルから作られたフリースが当たるキャンペーンを実施

 

商品はリサイクルペットボトルの商品を対象として、毎日応募できるものです。

フリースはリサイクルペットボトルで作り、何気なく見ているペットボトルがフリースに変わることで、リサイクルを身近に感じてもらうものでした。リサイクルは目に見えにくいものですが、モノとして返ってくることで実感が湧きやすいキャンペーンと言えるでしょう。

参照:いろはす・ユニクロ eco action!(いろはす)

5. テンセンス

カフェ事業を行うテンセンスでは、食べられるコーヒーカップ「エコプレッソ」を全国的に展開しています。

グルテンフリー&低カロリーのクッキーでできたカップ「エコプレッソ」

 

通常の紙コップや陶器製カップではなく、クッキーで作られたカップでエスプレッソを淹れ、プラスチックごみ・水・洗剤を削減しています。また、売上の一部は世界で問題になっている海洋プラスチック問題に寄附しており、エコ活動にも積極的です。

コーヒーを楽しみつつ、エコ活動もできることから消費者からも人気の高い取り組みとなっています。

参照:エコプレッソ(テンセンス)

面白い取り組みをしている世界のSDGs企業

面白い取り組みをしている世界のSDGs企業
面白い取り組みをしている世界のSDGs企業

 

世界的にはSDGsがどのように取り組まれているのか、海外の企業の例を見てみましょう。

  1. シュナイダーエレクトリック
  2. べスタスウインドシステムズ
  3. クリスチャン・ハンセン

シュナイダーエレクトリック

シュナイダーエレクトリックはフランスの企業で、生産現場の設備や装置、信号・表示灯などを製造しています。

シュナイダーエレクトリックはあらゆる設備のエネルギー効率を改善し、脱炭素社会に貢献したとして2021年に表彰されました。すべての電気を再生可能エネルギーでまかなうことを想定しており、今後もCO2削減に貢献することが期待されている企業です。

参照:持続可能性 | Schneider Electric 日本

べスタスウインドシステムズ

べスタスウインドシステムズは、デンマークの風力タービンメーカーです。

世界でもいち早く大規模な風力発電に注力し、現在では世界の風力発電設備容量の5分の1近くを担っています。陸上・洋上の風力タービンを製造し、多くの雇用を生み出していることから、SDGsに積極的な企業の一つとして選ばれています。

今後は多くの電力と炭素を消費する鉄鋼業とも提携し、脱炭素化に向けて取り組む予定のようです。

参照:Corporate Social Responsibility – Vestas

クリスチャン・ハンセン

デンマークのバイオサイエンス企業であり、微生物で世界的な課題へのソリューションを行っています。特に長期間の保存ができるようになる善玉菌の開発、農薬に代替して野菜の収穫量を増やす微生物など、独自の領域を開拓中です。

人体に有益なプロバイオティクスの研究も行っており、世界で課題になっている食糧難解決に大きな貢献をしている企業です。

参照:Innovating for a sustainable future – Chr. Hansen

まとめ:身近でできることからSDGsを始めてみよう

2030年までの開発目標を定めたSDGsは、今やどの国・企業でも積極的に取り組まれている大きなムーブメントになっています。

日本でも有名企業はほとんどが取り組みを推進し、日常生活でも成果が見え始めているはずです。私達国民一人ひとりの取り組みも大事なことであり、普段から無駄なゴミ、電気の消し忘れがないか、環境への意識にも目を向けてみましょう。

一人ひとりのできることは小さくても、集まれば大きな力になります。まずは身近でできる小さなことからコツコツと始めてみませんか。

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