目次
自由研究のレポートとは?
抱えている“疑問”や“不思議”をテーマに、実験や検証、調べ物などにチャレンジする自由研究。それをまとめる作業は自由研究の“オマケ”のように思えるかもしれませんが、きちんと研究をしたということや、自分の研究がどれだけ面白いかをアピールするのに不可欠で重要な工程です。
そんな自由研究のまとめの形式として多くのお子さんが想定しているのが、「レポート」ではないでしょうか。普段、ノートにメモすることに慣れ親しんでいるお子さんにとっては、比較的ハードルの低い形式かもしれません。
レポート用紙を使うメリット・デメリット

まずは、そんなレポート用紙に自由研究をまとめるメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
レポート用紙とは、上部の端がのりやミシン目で綴じられたタイプのノートで、1枚ずつはがして使えるという特徴があります。
項目や章ごとにページをわけてまとめたり、書きたい分だけページを増やしてまとめたりすることも簡単。もし間違えがあっても、そのページだけを差し替えることができます。
デメリット
レポート用紙はまとめやすい一方で、インパクトに欠けるというデメリットもあります。
模造紙などの大きな紙にまとめる方法に比べると、一度に大勢に見てもらうことが難しく、自由研究でおこなったことの全体像をつかみにくいという欠点があるでしょう。
自由研究のレポートの基本の書き方

では、自由研究をレポートにまとめていく際には、どのような書き方をすればよいのでしょうか。ここでは基本の書き方を見ていきましょう。
まずは、自由研究の「タイトル」を大きく記して自分の名前を書きます。その後は、「起承転結」の流れに沿って書いていくことがポイントです。
起:テーマを選んだ理由・きっかけ・仮説
まずはじめは、なぜそのテーマを自由研究として選んだのか、理由やきっかけ、自分なりの仮説(調査をはじめる前に考えていた予想)を書きましょう。
「このテーマを選んだ理由」などの項目をつけて、
例:「いつも家族と一緒にスーパーに買い物に行くときに、〇〇についてなぜだろうと感じた。〇〇かもしれない、と予想した。」
などとまとめるといいでしょう。
承:自由研究のやり方
次に、その仮説が合っているかどうかを確かめるために行った、研究の方法や調べ方を書きましょう。
たとえば、工作であれば、必要な材料や作り方のプロセスを記載します。実験をおこなった場合は、必要な器具や材料と実験の手順を記載しましょう。資料を使って調べた場合は、どこでどうやって調べたのか、どんな資料を使ったのか…などを書くといいでしょう。
例:「スーパーで売られている〇〇の値段を3日間、朝と夕方で比べた。また天気や曜日もメモして、どんな変化があるかを観察した。」
転:自由研究の経過
さらに、実際の工作・実験・調べもののプロセスで、どんなことが起きたか、観察してどんなことに気づいたかを書きます。
研究にチャレンジしてみると、教科書や参考書に書いてあるとおりにはうまく進まないことが多いものです。ハプニングや失敗があれば、その経験をそのとおりに書いてみましょう。
例:「予想していたよりも〇〇の値段の差は大きかった。特に週末や雨の日に変化が見られたのが意外だった。〇〇が関係しているかもしれないと思った。」
結:結果とわかったこと
最後は、実験や調べ物の結果を書きましょう。自分の仮説は合っていたかどうかもここに記します。合ってなかった場合は、どのように違ったのかを書くと、研究の面白味が深まります。
その結果から気づいたことを書いたら、自由研究の感想や、さらに気になったこと、反省点なども付け加えておくと、さらに良いレポートになります。
例:「〇〇の値段の変化に、いろいろな要因が関係していることがわかって面白かった。今度は他の野菜でも調べてみたいと思った。」
結論からはじまるレポートの書き方

あえて「結論」を最初に持ってくるレポートのまとめ方もおすすめです。「なぜそうなったんだろう?」と興味を持ちやすくなるため、見どころのある結果が出た場合はこちらの書き方のほうがインパクトが出るかも。
ここでは、そのような「結論からはじまるレポートの書き方」を押さえておきましょう。
結論:わかったこと
まずは、「自由研究では、〇〇が〇〇だったことがわかりました」のように、自分の研究でわかったことを一言で書いてみましょう。
インパクトを強くしたいのであれば、さらに端的に、「〇〇は〇〇だった!」と見出しにしてみるのもアリかもしれません。理由:研究テーマ&なぜその結論に至ったのか
結論を書いた後に、自分の研究のテーマやその内容、テーマを選んだ理由やきっかけを書きましょう。
さらに、仮説(調査をはじめる前に考えていた予想)を述べ、どのような方法で研究をおこなったのかを書きます。
例:「わたしの自由研究のテーマは『〇〇の秘密』です。
〇〇が好きで、幼いころから〇〇は〇〇なのかな? と疑問に感じていたので、このテーマを選びました。
調査の方法としては、実験を選びました。〇〇を参考に、〇〇をすれば〇〇であることがわかると予想して、〇〇を〇〇する実験をおこないました。以下が、実験の手順と材料です。
<実験の手順と材料>
1.〜
2.〜
経過:自由研究の経過
実験や調査をする中で、どんなことが起きたか、観察してみてどんなことに気づいたのか、具体的なプロセスを書いていきましょう。
例:「この実験をしてみると、〇〇の反応が現れました。なので、〇〇をしてみると、今度は〇〇が起こって……」
まとめ:詳しい結論&考察・感想
最後に、冒頭よりも詳しく結論を書きます。自分の仮説が正しかったかどうかを述べ、正しくなかった場合はどのように違ったのかも併せて書きましょう。
「起承転結」型と同様に、この研究から新たに生まれた疑問や関心があれば、そのことについてもここで触れておきましょう。
自由研究のレポート用紙のまとめ方
次に、レポート用紙を使ってまとめていく方法をご紹介します。
1P目:表紙をつける(学年と名前、タイトル)
レポート用紙に自由研究をまとめる場合、1P目には表紙をつけます。表紙に書くことは、レポートのタイトル(自由研究のテーマ)と、自分の学年と名前だけでOK。
タイトルは表紙の真ん中に大きく書きましょう。画像やイラストをつけたりしてもいいでしょう。
2P目:目次をつける
レポート用紙を使ってまとめる場合、レポート用紙が何枚も必要になります。2P目には目次をつけて、何ページ目に何が書かれているのかがわかるようにしましょう。
3P目~:自由研究の内容
3P目以降は、自由研究の内容について書いていきます。「テーマを選んだ理由・きっかけ」「自由研究のやり方」「結果」「わかったこと」等々を、それぞれの項目を作って書いていきましょう。
項目ごとにページを変えると、より読みやすくなります。
裏表紙
レポートの最後に裏表紙をつけてもいいですね。裏表紙は白いレポート用紙のままでもいいですが、イラストや小さなコメントなどを書いてもいいかもしれません。
見せ方・書き方の工夫のポイント

せっかく頑張っておこなった自由研究。レポートにまとめる際は、先生や同級生にその頑張りや発見をしっかり伝えられるように工夫しましょう。
ここでは、レポートの見せ方や書き方で工夫したいポイントをお伝えします。
タイトルや章などは見やすく
タイトルや項目、章などは、大きな字で書いて、字の大小のメリハリをつけましょう。太字にしたり、色をつけたりするのもおすすめです。
主語・述語をはっきりさせる
何が何をしたのか、主語と述語をはっきりさせるようにしましょう。特に、実験の方法などを書く際には、主語・述語がわかりにくいと、実験そのものの内容自体も伝わりにくくなってしまうので要注意。
1つの文は短めに
書き慣れていないレポートでは、ついついひとつの文が長くなりがち。一文一文、なるべく端的に、短くまとめるようにしましょう。
イラスト、写真、図、表などを使いましょう
また、イラストや写真、図、表などをできるだけ入れて、視覚的にも伝わりやすいように工夫しましょう。
自由研究のレポートの綴じ方
では、できあがった自由研究のレポートはどのように綴じればいいでしょうか。
表紙と裏表紙は画用紙を使う
すべてレポート用紙でまとめてももちろんOKですが、紙が薄く、ペラペラしてしまったり、折れ曲がりやすかったりするのが気になるかも。表紙と裏表紙にだけ画用紙や厚紙を使ってみると、しつらえのしっかりとしたレポートに仕上がります。
紐・リボンで綴じる
レポート用紙の上部にパンチで2つ穴を開けて、そこに好きな紐やリボンを通して結んでもいいでしょう。レポート用紙だけでは紙が薄いので、セロハンテープを貼って丈夫にしてもいいですね。
学年別の書き方のポイント
自由研究は学年によって取り組み方やまとめ方に違いがあります。ここでは、子どもの成長段階に合わせた書き方のポイントと、注力すべき点を解説します。パパママが無理なくサポートするためにも、学年に応じた視点でアドバイスしてみましょう。
低学年向け
低学年の自由研究では、「楽しく取り組めること」「日常とつながりがあること」が大切です。 文章は短めでもOKですから、子どもが感じたことや思ったことをそのまま書くのをサポートしてあげましょう。絵や写真を使って補足することで、研究の成果がぐっと伝わりやすくなります。
【ポイント】
・難しい言葉や専門用語は使わず、やさしく表現する
・体験ベースで書く(「〇〇してみた」「〇〇だった」など)
・絵や図を活用することで伝える力を引き出す
高学年向け
高学年になると、テーマの深掘りや比較・分析もできるようになってきます。 自分なりの意見や予想、まとめなどを明確に書く力も育ってくるため、「起承転結」の流れを意識して構成することが大切です。参考資料の活用や数字・グラフによるデータ整理などにもチャレンジしてみましょう。
【ポイント】
・仮説→検証→考察という構成を意識させる
・図表・グラフで視覚的に整理すると説得力UP
・自分なりの気づきや意見を文末に入れると完成度が高まる
自由研究のレポートに使えるテンプレート
ここではダウンロードして使える、自由研究のレポートに便利なテンプレートを紹介します。
HugKumオリジナル、図鑑NEO編集部の北川室長が監修した『自由研究シート フルバージョン』は、大学レベルの調査手法を参考にした構成をもとに、子どもの自由研究を整理できるテンプレートです。テーマや内容に合わせて、「研究のきっかけ/調べたこと」「調べた方法」「結果」「わかったこと」の4つの項目を中心に記入すると、わかりやすい形に仕上がります。
また「実際の研究」「見つけた課題」「感想」など、学年やテーマに合わせて自由に組み合わせることで、より深みのあるまとめにすることができます。柔軟にカスタマイズしながら、世界にひとつだけの自由研究を完成させてください。
レポートにおすすめの用紙・画用紙・紐
ここからは、レポートを書く前にあらかじめ用意しておきたい道具をご紹介。紐で綴じることを前提に、おすすめの用紙と画用紙、紐を集めてみました。
コクヨ レポート用紙 A4

レポート用紙の大定番・コクヨのA4レポート用紙。罫線が7mm間隔で引かれた幅広めのタイプなので、余裕をもって文字を書き込むことができます。サラッとした書き心地で、長年愛用している大人も多い、ロングセラー商品。
マルマン スケッチブック A4

こちらも定番中の定番といえる、マルマンのスケッチブック。天のり製本タイプなので、綺麗に剥がすことができて、レポートの表紙・裏表紙に使うのに最適です。レポートに使わなかった分は、スケッチブックとしてお絵描きに使いましょう。
コクヨ(KOKUYO) つづりひも うるし先 長さ450mm 20本 黒

レポートを綴じる際、上部にパンチで2つ穴を開けて紐を通そうと考えている場合は、こちらの「つづりひも」がおすすめ。スッと穴に通しやすく、製本した後も頑丈です。糸の端がボロボロにならないようにコーティングされているのがうれしいポイントだったりします。
自由研究のレポートに関するよくある質問
自由研究は子どもが自分で考えてまとめる力を育む貴重な機会ですが「何を書けばいいの?」「どうはじめればいいの?」と迷うこともあります。ここでは、レポート作成時によく寄せられる質問に答えます。
Q. 自由研究のレポートで書くべき項目は?
レポートの基本は「テーマ」「きっかけ」「調べた方法」「結果」「気づいたこと」の5つを押さえることです。 これに加えて「感想」や「やってみて大変だったこと」「今後調べたいこと」などを書き加えると、個性がぐっと引き立ちます。項目ごとに見出しをつけると整理しやすく、読む人にも伝わりやすい構成になります。
Q. レポートが書けないときはどうすればいい?
最初から全部書こうとせず、まずは「写真」「観察メモ」「一番心に残ったこと」など、書きやすいところからはじめましょう。親子で会話しながら「なぜそれが印象に残ったの?」「どんな工夫をした?」と引き出していくと言葉にしやすくなります。
テンプレートやシートを使って整理すると、ポイントを見失わず書き進めることができます。書くことに迷ったら、「誰かに伝えるとしたら何を教えたい?」と考えてみるのもおすすめです。
お子さんの研究の魅力を最大限に引き出そう
今回は、自由研究の「レポート」という形式へのまとめ方についてご紹介してきました。
どんなに面白い研究ができても、まとめの際に失敗するとその成果は周りの人たちに伝わりません。手伝える場所は助言をして、お子さんの研究の魅力を最大限に引き出してあげてくださいね。
夏休みの自由研究
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文・構成/羽吹理美、HugKum編集部



