冷凍できるパイナップル
パイナップルは、完熟してから収穫されているため、時間が経っても甘く追熟することはありません。買ってきた時がいちばん食べ頃です。メロンやバナナのように、甘くなる時を見計らわなくてもおいしく食べられます。
余った時は冷凍保存
パイナップルを、一度に食べきることが難しい時には冷凍保存がおすすめです。カットしてしまうと痛みやすいため、早めに保存し、おいしいうちに食べきりましょう。
一口サイズにカットして冷凍し、お子さん用のおやつとして用意してはいかがでしょうか。そのままアイスフルーツとして食べても良く、ジュースに入れる氷の代わりにもできて、使い方は色々。最後まで飽きずに食べきることができます。
冷凍すると栄養は？
パイナップルを冷凍しても、損なわれる栄養はありませんが、パイナップルに含まれている酵素の働きは一旦休止します。解凍後は再び働き始めますので、ご安心を。
このたんぱく質分解酵素は、食べると消化促進作用があります。その他にも、疲労回復の効果を期待できるビタミンB1・B6・C、クエン酸が多いことから、夏の疲れを癒す、最適なフルーツだといえます。
冷凍保存の方法
詳しい冷凍の手順を確認します。
手順
【1】パイナップルを食べやすい大きさにカットします。小さめのほうが、使いやすいです。
【2】フリーザーバックに詰めて、冷凍庫へ保存します。
【3】水分が多いとくっついて固まってしまうため、1時間程度で一度取り出し、揉むようにほぐしてください。バラのまま冷凍すると少量ずつ取り出せて、便利です。
保存期間
1か月程度のうちに食べきることがおすすめです。
解凍方法
冷凍したパイナップルは、そのまま食べることもできます。溶かして食べたい場合は、自然解凍がおすすめ。
・自然解凍
冷凍庫から冷蔵庫へパイナップルを移し、3時間程度経てば解凍できます。
・そのまま加熱調理に
また、酢豚やソースなどの加熱料理に使う場合は、凍ったままで加熱することもできます。
冷凍パイナップルを活用できるレシピ
ここからは、冷凍したからこそおいしくなるパイナップルのレシピをご紹介します。
酵素を使ってお肉の筋を柔らかくする驚きの活用方法の他、お弁当に一口サイズのフルーツが入っていると、嬉しいものです。冷凍パイナップルは様々な場面で嬉しい食材として活躍します。
パイナップルアイス
冷凍したパイナップルをそのまま食べるのも、おすすめです。時間が経過して半解凍になると、繊維が柔らかくなり、甘さがより引き立ちます。
冷凍スムージー
冷凍のフルーツで作るスムージーは、氷を入れないために薄まらず、素材の味を濃いまま楽しむことができます。オレンジや、キウイ、バナナなどのフルーツと相性が良い他、青汁の青臭さをマイルドにするためにも、あわせて使われることが多いです。
◆材料
冷凍パイナップル 150g
オレンジ（生） 1/2個
市販のレモンティー（ペットボトル） 150ml
◆作り方
【1】オレンジを絞り器で絞ります。
【2】【1】のオレンジと材料を合わせ、ブレンダーなどにかけます。
【3】器に移して、完成です。
酵素の働きを肉の下処理に使う方法
パイナップルの果汁には、肉を柔らかくする働きがあります。冷凍の工程を踏むことで、果汁が出やすくなり、お肉を漬けておくと驚くほど柔らかくなります。
ただし、酵素は熱に弱いため、電子レンジでの加熱の際は温めすぎないことがポイントです。
◆材料
冷凍パイナップル 150g
豚肉 300g
塩 適量
こしょう 適量
はちみつ 大さじ1
にんにく 1片
◆作り方
【1】豚肉の筋切りをして、塩こしょうをしておきます。
【2】冷凍パイナップルを取り出し、耐熱皿に入れて電子レンジ600wで1分30秒程度加熱します。
【3】【2】に、はちみつ、おろしたにんにくを加えてよく混ぜ、【1】の豚肉を漬けます。漬け時間は20分程度。これ以上長くなると、柔らかくなりすぎるので、気をつけてください。
【4】豚肉とパイナップルの果肉をフライパンで焼けば、柔らかいポークソテーの出来上がりです。はちみつ入りのため、焦げないように気をつけてください。
冷凍パイナップルソース
ソースに仕上げられたパイナップルを、ポークソテーなどにかけていただきます。甘く爽やかなフルーツソースは、暑い夏に似合う味です。
◆材料
冷凍パイナップル 150g
酒 50㏄
しょうゆ 大さじ1
ケチャップ 大さじ1
中濃ソース 大さじ1
はちみつ 大さじ1
にんにく 1片
しょうが 1片
◆作り方
【1】にんにくとしょうがをすりおろします。
【2】材料をすべて鍋に入れ、火にかけます。
【3】煮立ってきたらフタをして、弱火で10分ほど煮詰めてください。
パイナップルチーズケーキ
チーズの塩加減と甘さのバランスが絶妙！ 子どもはもちろん、大人のおやつにもぴったりのスイーツです。
◆材料
（口径７～7.5cm×深さ2cmの厚手のアルミカップ8個分）
ホットケーキミックス 50g
クリームチーズ 100g
パイナップル（缶詰） 80g
【A】
粉チーズ 大さじ１と1/2
砂糖 大さじ2
溶き卵 1個分
生クリーム 1/4カップ（50ml）
レモン汁 大さじ1/2
◆作り方
【1】クリームチーズは一口大にちぎり、 直径22cmほどの耐熱ボウルに広げ入 れ、ラップをかけて電子レンジ（600W）で30秒ほど加熱する。パイナップルは1cm角に切って水けを拭く。
【2】【1】のクリームチーズに【A】を加えてすり混ぜ、溶き卵を2～3回に分けてそのつど混ぜて加え、生クリームも加え混ぜる。ホットケーキミックスを加え、 粉っぽさがなくなるまで混ぜたら、レモン汁、パイナップルを加え混ぜる。
【3】アルミカップに②を均等に流し入れ、平らにならす。
【4】オーブントースターの天板にアルミ ホイルを三重に敷いて予熱し、【3】を並べて6～7分焼き、表面がややこんがりしたら、アルミホイルをかぶせて8 ～9分焼く。取り出して粗熱をとる。
教えてくれたのは
市瀬悦子さん
フードコーディネー ター、料理研究家。「お いしくて、作りやすい家 庭料理」をテーマに、書籍、雑誌、テレビなどで活躍中。
『ベビーブック』2016年2月号
丸ごとでも使い切れるパイナップルの冷凍保存術
丸ごとのパイナップルは、大きいので少人数のご家族の方は馴染みがないかもしれませんね。ですが、冷凍すれば長期間の保存ができるので、少量ずつ食べることもできます。肉の下処理にも使え、とても便利な食材として重宝しますよ。
意外と、丸ごとのパイナップルがなくなるのは早いものです。さらに、人が集まる時なら、存在感抜群の活用ができます。驚くほど使い勝手の良いパイナップルは、頼りになるフルーツです。
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構成・文・写真（一部を除く）／もぱ（京都メディアライン）