モロヘイヤの特徴
エジプトでは5000年前から栽培されていたというモロヘイヤ。日本に導入されたのは1980年代と、最近です。どんな特徴をもつ野菜なのでしょうか。
栄養が豊富
β−カロテンについては、緑黄色野菜の中でもトップクラスの含有量を誇ります。β−カロテンとは、体内でビタミンAに代わり、皮膚や粘膜を保護してくれる栄養素です。
さらにビタミンC、ビタミンEもたっぷりで、老化予防に役立ちます。骨粗鬆症予防、ストレスの軽減に役立つカルシウム、ビタミンB群、カリウムも豊富です。
ネバネバ
生葉のままでは気がつきませんが、茹でて刻むとぬめりが出現します。多糖粘液質の食物繊維と呼ばれ、胃粘膜の保護や、血糖値、コレステロ―ルの上昇を抑制する他、糖尿病や動脈硬化にも予防として働きます。
モロヘイヤは味にクセがないため、オクラや、なめこ、長芋など、ぬめりのある食材同士で合わせると、取り入れやすいです。
毒
モロヘイヤの種やサヤには、有害物質が含まれます。万が一口に入ると、めまいや吐き気、ひどい場合は重篤な症状を引き起こしますから、絶対に食べてはいけません。
市販のモロヘイヤは若い葉を出荷しているため、安全です。また、葉、茎、根、蕾には含まれず、モロヘイヤ茶などからも検出されません。したがって、注意が必要なのは家庭菜園で作った場合です。葉が柔らかい収穫期を逃さず、種子やサヤが混入しないように、十分な注意が必要です。
モロヘイヤの扱い方
モロヘイヤの茎は葉に比べて硬く、茹でるときは時間差で入れるよう配慮すると、おいしく食べることができます。
茎から葉をはずす
最初に茎から葉をちぎりとり、茎と葉をおおまかに分けておきます。
茎の下部、太いところは筋があって硬いため、切り落としてください。穂先部分だけ、食べやすい長さに切ります。
茹で方
【1】鍋に湯を沸かし、小さじ1の塩を加えます。最初は茎だけを入れ、30〜40秒後に葉を入れてください。全体を沈めて、20〜30秒ほど茹でます。
【2】ザルに移し、流水にさらして冷まします。
【3】冷ました後は、水をしっかりと切ってください。
あとは、かつおぶしとしょうゆをかければシンプルなおひたしに。包丁で刻めば、ネバネバ感がUP!
電子レンジでの調理
【1】モロヘイヤを水で洗い、葉と茎を切り分けます。茎は食べやすい大きさに切ってください。
【2】耐熱容器に入れて、ふんわりとラップをかけ、600wで2分〜2分30秒加熱します。
【3】電子レンジから取り出し、すぐに流水で冷やしてください。
冷凍保存
茹でたモロヘイヤだけでなく、生のままでも冷凍保存はできます。詳しく方法をご紹介します。
茹でたモロヘイヤを冷凍する手順
【1】茹でたモロヘイヤをフリーザーバックに詰めます。おおまかに茎部分を分けておくと、調理の際に便利です。
【2】空気を抜き、封をして冷凍庫で保存します。
生のモロヘイヤを冷凍する手順
【1】モロヘイヤを水洗いします。水分をよく拭き取り、葉と茎に切り分けます。
【2】茎部分をラップで小分けし、葉と共にフリーザーバックに詰めてください。空気を抜き、封をしてください。冷凍庫で保存します。
保存期間
どちらの場合も、1か月を目安に食べるようにしてください。
解凍方法
解凍方法を確認します。
自然解凍
前日に冷凍庫から出して、冷蔵庫で保存すると自然解凍ができます。茹でた後の冷凍モロヘイヤなら、和え物や、おひたしにそのまま使うことができます。
茹でる
生のままで冷凍したモロヘイヤの場合は、沸かしたお湯で軽く茹でると、解凍と共に茹で上げることができます。
加熱調理はそのまま
汁物、炒めものなど、加熱調理の場合は、冷凍庫から出してそのまま調理に使用することができます。
モロヘイヤの活用レシピ
モロヘイヤのクセのない味とトロミを生かしたレシピをご紹介します。
モロヘイヤとトマトの卵とじ
ごま油で中華風に仕上げます。
◆材料
茹でて冷凍したモロヘイヤ 1/2束
トマト 小1個
卵 1個
ごま油 小さじ2を、2回分
【A】
しょうゆ 小さじ1
中華スープの素 小さじ1
◆作り方
【1】トマトはヘタをとり、くし切りにします。
【2】フライパンにごま油を熱して、よく溶いた卵を入れます。かき混ぜながら炒め、半熟状になったら一度取り出してください。
【3】同じフライパンにもう一度ごま油を熱し、冷凍モロヘイヤと【1】のトマトを入れて中火で炒めます。
【4】全体がしんなりしたら、【A】と【2】の卵を入れてなじませます。
モロヘイヤと豆腐のスープ
片栗粉がなくてもトロミのあるスープに仕上がります。豆腐の甘みで優しく夏の疲れを癒やします。
◆材料
生のまま冷凍したモロヘイヤ 1/2束
絹ごし豆腐 75g
ベーコン 20g
しめじ 50g
水 400cc
鶏がらスープの素 小さじ1
油 小さじ1
塩 小さじ1/4程度(味を見ながら)
こしょう 少々
◆作り方
【1】冷凍したモロヘイヤの茎を取り出し、細かく切っておきます。豆腐は角切り、ベーコンは3mmの細切り、しめじは石づきをはずしてばらしておきます。
【2】鍋に油を熱し、ベーコンを炒めます。
【3】水を加えて鶏がらスープの素、豆腐、しめじ、モロヘイヤの茎を加えて煮立てます。
【4】冷凍のモロヘイヤ(葉)を冷凍庫から出し、鍋に入れてひと煮立ちさせます。塩とこしょうで味を整えれば完成です。
モロヘイヤと鮭フレークのうどん
だし汁とモロヘイヤのシンプルなつゆが美味。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
モロヘイヤ 1袋
鮭フレーク 大さじ4(50g)
だし汁 1と1/2カップ
【A】
しょうゆ 小さじ1
塩 小さじ1/2
炒り白ごま 少々
ゆでうどん 3玉
◆作り方
【1】モロヘイヤは葉を摘み、ゆでてざるにとり、粗熱がとれたら水けを絞り、細かく叩く。
【2】だし汁に【A】、【1】、鮭フレークを混ぜる。
【3】うどんをサッとゆでて(温でも冷でもOK)、器に盛り、【2】をかけ、ごまをふる。
教えてくれたのは
藤井 恵さん
簡単に作れて、栄養バランスがよく、おいしさのセンスが光るレシピが人気。藤井家の毎日のごはんを綴ったブログも参考になります。
『ベビーブック』2014年9月号
味にクセがなく、子どもでも食べやすい
野菜が苦手なお子さんでも、オクラや納豆、めかぶなどのトロトロ素材が食べられるなら、少量ずつ混ぜてみてください。モロヘイヤは味に癖がないので、抵抗が少ないかもしれません。栄養価が高いので、夏野菜のひとつとしておいしく味わってくださいね。