Twitterで知り、秋田の家族留学へ!探究型学習の教育留学に参加した息子の変化は

自然の豊かな地方への留学があるのをご存知ですか。この夏、私たち親子は秋田県仙北市に4日間の家族留学に参加しました。一参加者として、家族留学の内容をレポートしたいと思います!

家族留学のきっかけはTwitterから

実は私を含む参加者の多くが、こちらのTwitterのバズでその存在を知り、申し込みをしていました。

そのTwitterの内容がこちら。娘さんの行動に悩んでいた保護者の方が、1か月の秋田県留学に参加させたところ、生まれ変わったような顔つきで帰ってきたという口コミです。

秋田の教育留学とは

Twitterで知った秋田留学は、秋田県が2016年度から始めた「秋田型教育留学推進事業」の一つ。この事業には、長期(オーダーメイド型)留学、短期チャレンジ留学、家族留学の3つがあるそうです。

長期留学は滞在期間を自由に決め、学校での学習や体験など重点的に取り組みたい内容を選ぶことができます。

短期チャレンジ留学は、夏休みや冬休み期間に1週間程度、秋田の豊かな自然と探究型授業を体験できるものです。

この2つは子どもが単独で参加するものですが、今回私と小学4年生の息子が参加したのは、大人向けのプログラムも用意されている「家族留学」でした。

豊かな自然も秋田県の魅力の一つ

家族留学に期待していたこと

先着順のため、急いで申し込みをした私が期待していたのは、探究型学習を体験できること

秋田県は全国学力テストで数十年間トップレベルを維持しています。それを支える一つが「探究型学習」です。正解のある答えを教える従来の手法ではなく、子どもたち自身が課題や問題を見出し、それを自らの力で解決していくというものです。

私自身がこの「探究型学習」に興味があったことと、息子はとても「知りたがり屋」なので、自ら設定した課題を解決していくという「探究型学習」を体験してみる良い機会になるのでは!という期待がありました。

もう一つは、他の参加者とのつながりです。夏休みに旅行ではなく、あえて家族留学を選ぶ人たちなら、きっと話が合うのでは…と。

とはいえ、大人1名、小学生1名の参加費は9万円。さらに現地までの交通費もかなりかかります(私は和歌山県に住んでいるため往復交通費などは前後泊も込みで約10万円となかなか高額でした。)
それでも参加を決めたのは、子どもが成長する瞬間を間近で見られる最後のチャンスかも!と思ったからでした。

3泊4日のスケジュール

プログラムのタイムスケジュールはこちら。日中は農山村体験や自然の中で遊び、夜は農家民宿に泊まるのですが、ポイントは午後の活動。毎日「演劇体験」が入っています。

申し込みのきっかけにもなった、この演劇プログラム。子どもが新しい表現方法に挑戦する良い機会では?

ちょっと想像してみたんです。我が子が恥ずかしさを押し殺して一生懸命、舞台の上で自分を解放し表現する姿を(そんな姿を見て自分が感無量で号泣している姿も)。「これは見てみたい!」と気持ちが盛り上がりました。

初日から演劇&探究学習がスタート

当日朝に東北地方で起きた地震の影響で新幹線が遅れ、大半の人が遅れて到着しました。それでも無事全員集合し、子どもたちはさっそく演劇体験へ。
地元の小中学生と一緒に4日間で劇を作り上げるため、現役のプロの劇団員さんから教わります。

大人は最後の発表まで演劇体験はどんなことをしているのか見ていません。

体を動かして、なにやら楽しそうですね!

その間、大人たちはアイスブレイクに不思議なカードを使ってゲームをしたり、地ビール工場でビール作りについて教わりながら飲み比べをしていました。

大人はビール工場で学習。みんないい笑顔!

探究型学習では、最初に子どもたち全員で田沢湖とクニマスについて、基本的な情報のレクチャーを受けました。

その後、低学年と高学年2チームに分かれて自分が疑問に思ったことを付箋に書いて、発表し、似ているものをグルーピングする活動へ。

探究型学習は、先生が問題の答えを用意する学びではなく、子どもたちが自ら問題を見つけ、それを自分達で解決する力を養うことを目的としています。

疑問に思ったことやお互いの意見を発表しあったりすることで、子どもたちも少しずつ打ち解けてきたようです。

宿泊は農家民宿へ

夕方はそれぞれ農家民宿へ。私たちのお宿には優しいお母さんと秋田犬がいました。

食事があまりにも美味しくて雄叫びをあげています。地元の野菜を使ったお料理がとても美味しくて、翌日からは、「少しでも夕飯が多く食べられるように」とたくさん動くようにしていたほど(笑)!

田沢湖でカヤックに挑戦

2日間目は、朝から全員で田沢湖に移動してカヤックに乗りました!

田沢湖の日本一の深さを体感

カヤックは、アクティビティを楽しみながらも、石を湖に落としてどこまでも落ちていく様を眺めながらその深さを体感するなど、単に楽しかったでは終わらない「学び」の入り口がありました。

ちなみに、田沢湖の深さは日本一、最大水深はなんと423mです!これもバスの中でクイズとして出されたので、最初にレクチャーを受けた子どもたちは意気揚々と答えていました。

テスト問題に田沢湖の水深が出題される日が来るかはわかりませんが、こうやって経験したことは、一生覚えているものですよね。私たちは湖の底まで見られたわけではありませんが、とてもとても深いということは実感しました。

お楽しみのBBQ

クラッカーの上にクリームチーズといぶりがっこを乗せたカナッペも登場!

ちなみに、いぶりがっこのこれは何でしょうクイズに正解できた子は一人もいませんでした。大人たちも「そういえば、いぶりがっこって秋田の特産品だったね~」と言いながら、地域ならではの味を堪能しました。

2日目の午後も演劇練習。大人は「あきた芸術村」へ

子どもたちは毎日、演劇の練習があります。

大人たちは舞台を鑑賞し、その後「あきた芸術村」を見学。「あきた芸術村」には、今回子どもたちの演劇発表で使うものも含め、劇団の全ての大道具が制作されている小屋がありました。

実際に大道具の制作現場にお邪魔して、制作の裏側をたくさんお聞きしました。

 例えば、この劇団では「本物」を大切にしており手作りにこだわっているのですが、こんな手の込んだ背景画も全て手描きです。

舞台の主役ではない背景画でも手を抜かない職人魂ですが、これら全て保管するスペースがないため、講演終了後は全て破棄(または別の物に再生)されるそう…。

手描きです!!

そしてこちらは、大道具作りに使われた絵の具たち。公演中に修正が必要になった際に必要になるため取ってあるんだそうです。(また同じ色を作り直すのは手間と時間がかかるためです。)

これまで、大道具の製作について考えたことがなかったので、知られざる舞台裏エピソードに興奮!

細部まで手を抜かず、時間はかかるけれど背景にも「本物」を制作している裏方スタッフさんへのリスペクトが止まりませんでした。

郷土料理「だまこもち」づくりに挑戦

夕方からは、各家族ごとに民宿に戻り、郷土料理体験です。私たちの民宿は、きりたんぽを団子状に丸めた「だまこもち」を作り、夕食は作ったもちを入れただまこ鍋でした!

だまこもち作り。炊き立てのご飯をつぶして丸めたものをフライパンで焼いて作ります。

民宿のお母さんに優しく教えてもらいながら、あっという間に出来上がりました。

自家栽培のセリの香りがとても爽やかなだまこもち入り鍋がこちら!

だまこもちは、お米だけなのに想像以上に美味しくてびっくり。簡単だったので家でも作ってみようと思います。

盛りだくさんな2日目までが終了。

後半に続きます!

【家族留学レポ】後編はこちら

【秋田・家族留学レポ】農山村での4日間。母子で得たのはかけがえのない体験と人のぬくもり
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文・構成/田邊紗耶香

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