川崎フロンターレの幼児向けスクールとは?
川崎フロンターレは、年中・年長・小中学生を対象としたスクールを川崎市内5ヶ所開設しています。(ベトナムにもスクールを開設)。
誰でも入れるの?
プロを目指す子が入るのでは?とスクールの存在は知っていても参加するのは敷居が高いと思われる方もいるかもしれません。
しかし、地域の子ども達にサッカーやスポーツの楽しさを伝え、裾野を広げたいという思いでスクールは活動しており、セレクションを行っておらず、空きがあれば、基本的に誰でも受講できるそうです。
スクールに入る目的はプロを目指す、サッカーの楽しさをこれから知りたいなど、スクールに入る目的はさまざまのよう。人数は少ないのですが、女の子もいるそう。
コーチは?
コーチには元Jリーガーもいて、一流の技を間近で見られたり、経験を伝えてもらえたりするのはスクールの魅力の1つ。
スクール生から(プロを目指す)アカデミー生を経て、Jリーガーになった選手もいるとのこと。成長していく姿を見るのはコーチもとても嬉しいはずですよね。
アカデミー生の様子はこちら。
今回は、スクールの指導方針やどういう子どもが成長しているのか、今後の展望などを2022サッカーワールドカップ日本代表に現所属とOB合わせて多数選ばれている川崎フロンターレのスクール・普及部の後藤マネージャーにお聞きしました。
お話を伺ったのは…
保護者からよく聞かれる質問は
2020・
筆者、実は元サッカー少年で、現在は一児の父。保護者と同じ目線で聞きたいことがたくさんあります。
Q. はじめに、スクールが大切にしていることを教えてください。
後藤マネージャー:サッカーのテクニックを伸ばす、サッカーの原理・原則を学ぶのはもちろんですが、子どもの社会性を育むことにも重点を置いています。
-例えば、どんなことでしょうか?
後藤マネージャー:挨拶や準備・片付け、仲間を思った発言、自分の気持ちや考えを自分の言葉で表現するよう指導しています。将来の成長を考え、自発的にサッカーに取り組む姿勢を特に大切にしています。
具体的には、子どもにあれやれこれやれと指示をだすのではなく誰がたくさんボールを集められるかな、とコーチも一緒に片付けをし、ゲーム感覚で楽しく実践できるよう工夫しています。そうすると自ずとできるようになってきます。
後藤マネージャー:コーチ陣には、1人1人の様子を観察し、状況にあった声掛けをするよう話しています。時には自分の思い通りにいかずにイライラして仲間やものに当たってしまう子どもがいますが、そのときは躾として、「ダメだよ」ときっぱり言うようにしています。社会性は長期的に身に付ける必要があるので、徐々に身に付けてくれればいいと思います。
スクールコーチ スタッフ研修の様子はこちら。
後藤マネージャー:あと、幼児は跳んだり跳ねたりスキップするなどの運動機能が不十分なので、ウォーミングアップに鬼ごっこのような遊びを取り入れています。体とボールが一緒に動かせるよう、指導しています。
Q. 保護者から多い質問は、どんなことでしょうか?
後藤マネージャー:スクールの指導方法はこちらに任せてもらっています。保護者からは「どうしたらサッカーが上手くなれるか?」、「プロになるためには何したらよいか?」とよく聞かれます。
―そんな時はどんな風にこたえるのですか?
後藤マネージャー:まずは子どもがサッカーを楽しみ、自発的に取り組むのを促すことを意識した声掛けをしてほしいと伝えています。子どもがサッカーを楽しめなかったり受け身であったりすると、将来の成長が難しくなってしまうからです。
Q. 実際に、どういう子どもが成長していますか?
後藤マネージャー:サッカーのセンスやテクニックがあるのは大切ですが、人間的な部分も大きく影響すると思います。
自分の意見を主張できる、負けず嫌いで自分の課題に向かって努力を惜しまない子どもはどんどん上達し、ジュニアユース、ユースに上がっています。
私はアカデミーの指導を長年していたので、子ども達の成長を見るのは非常に楽しみですね。
Q. 最後の質問として、今後の目指す方向を教えてください。
後藤マネージャー:川崎市は7つの区がありますが、まだ全ての区でのスクール展開が出来ていないので、1人でも多くの子ども達が参加出来る環境を広げていきたいですね。
昨年12月に、ベトナムにあるビンズン省でフロンターレとしては初めての海外スクールをスタートしました。川崎で培った指導を、アセアンの子ども達にも伝えていきたいと考えています。海外でのスクール展開は大変ですが、子ども達のサッカーに取り組む笑顔を見ていると、こちらも笑顔になります。サッカーは万国共通のスポーツですね。
最近では女子がサッカーできる環境も作り始めています。女子の普及にも力を入れたいです。川崎フロンターレが世界を代表するサッカークラブになれるよう、地域密着で邁進します。
―インスタで拝見しました!「なでしこ教室」も開催とか!
この投稿をInstagramで見る
川崎フロンターレの普及活動
川崎フロンターレは、川崎市の幼稚園・保育園・小学校に出向き、ふれあいサッカー教室も実施してされているそう。
サッカーの楽しさを伝え、少しでもサッカーに興味をもってもらえるように活動されており、子ども達と一緒に楽しくサッカーをしているのですね。
今日はありがとうございました。
プロになる子は自発的に取り組み、楽しむことに突出している
後藤マネージャーのお話の中で、自発的に取り組み、楽しむという言葉が特に印象的でした。プロになる子どもはここが突出しているとのこと。
筆者は、親が頻繁に口出しをして、子どもの主体性を奪っていないか、習い事など、親がやらせたいことを子どもに押し付けていないか、振り返させられました。子どもの成長を長い目で見、自発的に取り組める環境を保護者が作る必要がありますね。
また、川崎フロンターレのスクール・普及部の取り組みは、サッカー、川崎市にとどまらず、地域で実施する子どもの教育のロールモデルになる可能性があるのではないでしょうか。今後がますます楽しみです。
川崎フロンターレのスクールの【公式】Instagramはこちら>>
あなたにはこちらの記事もおすすめ!
文・取材/峯 あきら