【お歳暮】【お年賀】【寒中見舞い】を解説
年末年始の贈り物は3つの種類があります。それぞれ確認していきましょう。
【お歳暮】
この時期になるとよく目や耳にしますよね。年末の贈り物・・それがお歳暮です。お歳暮はこの一年、お世話になった方へ感謝の気持ちを伝える贈り物のことです。字を見ても‘歳(年)の暮れ’と書いてあるので分かりやすいですね。もともと“歳暮回り”といって年の暮れに大切な方へご挨拶をする際に手土産を持参していたことが元になっています。
一番丁寧にお渡しする方法は、事前に相手へアポイントを取ってご自宅へ伺い、品物を手渡しすることです。しかし、コロナ禍であることや、年末の忙しい時期であることから今は宅急便を利用してお渡しすることが多いですね。
【お年賀】
新年のご挨拶を直接お伝えするため伺う際に持参する贈り物を、お年賀と言います。
お年賀はお歳暮と違って直接手渡しすることが基本です。お年賀としてお渡しする時期は松の内と決められています。(関東でしたら1/1~1/7、その他は1/1~1/15が多いです。地域によって時期が変わります)以前は1/3の三が日までに贈るのが正式と言われていましたが、現在は松の内の期間を指すことが多いようです。気を付ける点は、2つあります。1つ目は、直接お会いして手渡しするのがお年賀ですので、配送でお年賀は贈りません。
2つ目は新年のご挨拶の他に、「新年おめでとうございます」と慶びを伝える意味もあるので喪中の方にはお年賀をお渡ししないということです。気を付けましょう。
【寒中見舞い】
喪中でいらした方、お歳暮をお送りできなかった方、お年賀をお渡しに伺えなかった方には寒中見舞いとして気持ちをお贈りすることができます。時期は「寒中」ですから松の内を過ぎてから立春まで。この立春はその年によって日にちが変わります。事前にその年の立春の日にちを確認することをお勧め致します。二十四節季の日にちは国立天文台が決めているのでHPを確認しても良いでしょう。
令和 5年(2023)暦要項 二十四節気および雑節 – 国立天文台暦計算室 (nao.ac.jp)または、贈り物を選ぶお店で聞いてもいいと思います。
寒中見舞いは宅急便を利用してお送りしても良いですし、葉書やお手紙で気持ちを伝えてもいいですね。
相手を思い浮かべて品物選びを楽しんで
品物は、感謝を伝えたい相手の顔を思い浮かべて選びましょう。お会いしたことがある方でしたら、相手と過ごした時間や、会話を思い出して「最近‘和菓子が美味しくて’とおっしゃっていたな」「子どもが多いからジュースがいいかな」「食事の最初はいつもビールだったな」など、それぞれに品物を選んでもいいですね。
毎年同じものを贈り「〇〇の人」という印象付けも効果的
また、テレビのCMにあるように毎年同じものをお贈りして「〇〇の人」と印象付けるのもいいと思います。
我が家には有難いことに毎年バウムクーヘンをお歳暮に贈って下さる方がいらっしゃいます。届いたバウムクーヘンを見るとその方を思い出し「毎年有り難い。今年もお元気でいらっしゃるのだな」とその方に思いを馳せます。子どもたちは直接お会いしたことはないのに、すっかりその方を“バウムクーヘンの人“として認識しています。「今年はこの味が季節の味なのだな」と味でも楽しませていただいておりますよ。
宅急便でお贈りする場合は、先に送り状を手紙やメールで送ろう
「送り状」とは、品物を宅急便で贈る相手に対して、ご連絡を手紙で差し上げることです。
お年賀のように直接お持ちしてお渡しする場合、ご挨拶は口頭で伝えることができるため送り状は不要です。しかし宅配便などで品物を相手に届ける場合、何も連絡しなければ相手には品物だけがいきなり届くことになります。贈る側としてはせっかく相手を想って選んだのに受け取る方が突然届いた品物を受け取って「この品物は何?」「〇〇さんから何かしら」【お歳暮】と記載されていても「そんなわざわざいいのに」なんて気持ちしか残らなかったら悲しいですよね。きちんと相手が気持ちよく受け取れる準備までして差し上げるのが気配り、心配りではないでしょうか。
気を付ける点
・送り状が先に届くようにスケジュールを組む
・封書の手紙が最も丁寧ですが、葉書、メール、親しい方でしたら電話でも良い
送り状に記載すること
- ①頭語
- ②季節のご挨拶
- ③日頃の感謝(本題)
- ④届く予定日(生もの・冷凍など何かあれば事前にお伝えする)
- ⑤相手健康を願う一言、今後のお付き合いを願う一言
- ⑥結語
- 気心知れた方には①や⑥は無くても良いかと思いますが、②~⑤は送り状に書いておきたいですね。日頃からやり取りがあればメールやLINEでもいいので事前の連絡は差し上げるようにしましょう。
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例文:習い事でお世話になっている先生への送り状
〇〇様
- ①拝啓 ②寒冷の候、〇〇様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。③日頃は、公私にわたり温かいご指導を賜り、心より御礼申し上げます。
今年一年の感謝の気持ちを込めまして、お歳暮の品をお送り致しました。〇〇様に美味しい鍋を楽しんでいただきたく選んでみました。④〇月〇日にクール便で到着予定でございます。お手数をおかけしますが、お受け取りいただけますでしょうか。
⑤これから寒さが厳しくなります。くれぐれもご自愛下さいませ。
来年もよろしくご指導ご鞭撻のほど、心よりお願い申し上げます。
⑥敬具
大切なことは、お世話になった方への感謝の気持ち、お礼の気持ちが正しく伝わることです。皆様の温かな気持ちが相手の方へ確実に届きますように。
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文・構成/赤名麻由子
赤名 麻由子