ウルグアイってどんな国?
ウルグアイは、南アメリカの南東部に位置し、南アメリカ大陸で二番目に小さな国です。
1930年に開催された第1回サッカーワールドカップの開催国であり、初代優勝国。世界の食糧庫として繁栄した国家です。20世紀はじめにはスイスをモデルに改革を行い、「南米のスイス」と呼ばれましたが、20世紀後半は経済が低迷し、軍の政治介入が強まりました。1980年代には民主化が進み、今では「南米一の社会福祉国家」と言われています。中南米の中では、所得格差が最も小さく、幸福度が比較的高いとされています。
そんなウルグアイについて、さらに詳しく見ていきましょう。
ウルグアイ基本情報
まずはウルグアイの基本情報からご紹介します。
国名
ウルグアイ東方共和国
「東方」は、ウルグアイ川の東岸に国が位置することに由来しています。
首都
モンテビデオ
場所
南アメリカ大陸の南東部に位置する国。
北東にブラジル、北にパラグアイ、西にアルゼンチンが所在し、東から南は、南大西洋に面しています。
日本との時差
12時間(日本の方が12時間進んでいる)
面積
176,000平方km
日本の面積の約2分の1にあたります。日本の総面積は378,000平方km。
エリア
ウルグアイは19の地域に分かれています(2004年時点)。
・アルティガス県
・カネローネス県
・セロ・ラルゴ県
・コロニア県
・ドゥラスノ県
・フローレス県
・フロリダ県
・ラバジェハ県
・マルドナド県
・モンテビデオ県
・パイサンドゥー県
・リオ・ネグロ県
・ロチャ県
・サルト県
・サン・ホセ県
・ソリアノ県
・タクアレンボー県
・トレインタ・イ・トレス県
人口
約349万人(2021年)
東京都の人口の約4分の1にあたります。東京都の人口は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
スペイン語
通貨
ウルグアイ・ペソ(補助単位はセンティモ)
1ペソ=2.47円(2023年2月25日時点)
宗教
キリスト教(カトリック)などが信仰
ラテンアメリカの中では、カトリックの割合が最も低いとされています。
1919年以来、憲法で政教分離、信仰の自由が保障されています。
歴史
・17世紀以降にスペインとポルトガルとの係争地帯(対立や紛争が生じている土地)
・18世紀後半にスペインの植民地に
・19世紀前半にブラジルからポルトガル軍が侵攻してブラジルに併合
・1810年に起きたアルゼンチンでの独立運動に呼応してウルグアイでも独立運動が起きる
・1828年に独立を果たす
・20世紀はじめにバッジェ大統領がスイスをモデルとした改革を行い、今に続く基盤を築く
※バッジェ大統領は「近代ウルグアイの父」と言われています。
・1930年に第1回サッカーワールドカップを開催、優勝する。
・20世紀後半は経済が低迷、政治的にも不安定になり、1973年〜84年は軍事政権となる。
・1985年に民政に移管する。
・2005年には初めての左派政権が誕生。
・2010年に当選したムヒカ大統領は「世界で最も貧しい大統領」と呼ばれ、多くの共感を集めた。
天気・気候
ウルグアイにも四季がありますが、南半球に所在するため日本とは季節が逆になっています。9~11月が春季、12~2月が夏季、3~5月が秋季、6~8月が冬季です。首都であるモンテビデオだと、夏季の平均気温が22℃程度、冬季では12℃程度と、比較的過ごしやすい地域になっています。旅行には、夏季の12~3月がベストでしょう。
ウルグアイの治安・住みやすさ
海外に訪れる際に気になるのは、治安や住みやすさでしょう。馴染みのない土地になるため、自分の身を守れるよう、事前に把握しておかなければなりません。治安と住みやすさについて、詳しく解説していきます。
治安は比較的良い
ウルグアイの治安は比較定良いと言えます。外務省からウルグアイの危険地域や危険情報は発表されていません。南米の中では最も治安が良いとも言われています。
しかし、首都であるモンテビデオのような、人口が集中している都市では注意が必要です。スリやひったくり、銃を使った犯罪件数が増加傾向にあります。とくに、少年や若者による犯罪が増加および多発しています。人口の多い都市では人通りの少ない明け方や夜中に一人で歩かず、普段から対策を行うことが重要です。
住みやすさも比較的良い
「比較的」良いと言うのには、理由があります。
ウルグアイはインフラ整備やサービスの効率化などに力を入れているため、生活に必要な施設が揃っており、交通の利便性も良いです。電気自動車や交通状況観測システムといったものをすでに導入しており、南米のイメージとはかけ離れた印象を受ける「デジタル化」が進んでいます。
しかし、賃金が少ない割に物価が高めです。物価自体は、日本人にとって日用品や衣料品などが割高に感じると思いますが、それほど差異はありません。重要なのは平均年収で、ウルグアイの個人の平均年収が65万円程度になります。ウルグアイで生活するとなれば、日本とそれほど変わらない物価で平均年収65万円でやりくりする必要があるのです。長期的にウルグアイに住むのは大変なことがわかります。
ウルグアイの見どころ・観光
ここでは、ウルグアイに行ったらぜひ見て欲しい、行ってほしいスポットをご紹介します。
カサプエブロ
ウルグアイの芸術家であるカルロス・パエス・ビラロー氏が設計と建築をした「ホテル×美術館」です。白を基調とした芸術的なカサプエブロは、人気の観光スポットになっています。ラプラタ川の側にそびえる丘の斜面に建てられており、夕刻には、川の美しさと夕日によって感慨深い景色を見ることができます。
気になるホテル内は、同じデザインの部屋が1つもなく、アリの巣のような構造となっています。
プラヤ・デ・ロス・ポシートス
ウルグアイの首都、モンテビテオにあるビーチです。モンテビデオにある海水浴場の中で、最も有名な場所になります。弧を描くように砂浜が伸びており、砂浜の奥には道路を挟んで多くのアパートが立ち並んでいます。
夏季はとくに、海で遊ぶ人や日光浴を楽しむ人など賑わいを見せています。また、海岸から見える絶景や開放感のある雰囲気から、四季を問わず多くの人が行き交っているのが特徴です。
ダイマン温泉
水着を着用して入浴するタイプの温泉です。38℃程度のぬるま湯から、40℃以上の高温な温泉まで揃っています。施設内にはレストランや売店が整えられ、施設付近にも、ホテルやキャンプ場、カジノ、テニスコートなどさまざまな施設があります。1日では堪能しきれないほど充実しているため、もし行くならホテルへの宿泊がおすすめです。
コロニア・デル・サクラメント
コロニア・デル・サクラメントは、ユネスコの世界遺産に登録されている古都です。この地は、地理的位置から戦略上、重要な場所として扱われポルトガルとスペインの間で取りあいが行われていました。その背景からポルトガルとスペイン、それぞれの様式の建築物が混在しています。
中心部には、灯台が建てられており、横には廃墟となった修道院があります。コロニア・デル・サクラメントを歩いてみると、歴史を感じることができるでしょう。
また、レストランやカフェもあるため歩き疲れたら一休みすることもできます。
サルボ宮殿
モンテビデオの市街地中心部にある、広場に面して建てられた建築物です。モンテビデオのランドマーク的な存在で、建築された当時は、南アメリカで一番高い建築物(105m)でした。サルボ宮殿の上層階からは、雄大な景色を望むことができます。ウルグアイに訪れたらサルボ宮殿に行ってみてはいかがでしょうか。
ウルグアイの特徴・有名なもの
ウルグアイには、どのような有名なものがあるのでしょうか。ここでは6つご紹介します。
牛肉の消費大国
ウルグアイは、世界の中で最も牛肉の消費量が多い国とされています。一人当たりの年間消費量が約60㎏。1週間に200gの牛肉を6回程度食べる量に相当します。非常に牛肉の消費量が多い国だとわかるでしょう。
ウルグアイの代表的な料理として知られているのが「アサード」と「ミラネーゼ」です。アサードとは、スペイン語で「焼く」を意味するAsadoが由来になっています。料理は肉やソーセージをメインとして、魚介や野菜が盛り付けられています。
一方、ミラネーゼとは、仔牛肉を薄くたたいて伸ばしたもので、日本で言うところのカツレツです。ウルグアイではアサードの次にポピュラーな料理になります。
サッカーワールドカップ最初の開催地
1930年の第1回FIFAワールドカップは、ウルグアイで開催されました。さらに、その優勝国もウルグアイです。ウルグアイの街中にもサッカーコートがあり、今でもサッカーが盛んに行われています。多くの優秀なサッカー選手を輩出しています。
チビート
チビートはスペイン語で「子ヤギ」を指します。店主とお客の冗談混じりのやりとりの中で生まれた名前で、ハンバーガーやサンドウィッチのような料理です。
ポークやビーフ、チキンをメインに、トマトや卵、ベーコンなどをパンで挟んだものに、ポテトフライサラダを盛りつけたものをチビートと呼ぶことが多いようです。
魅力が詰まったウルグアイ
ウルグアイには、美しい景観を望めるスポットがたくさんあり、一方で牛肉の消費量が多いというダイナミックな一面もあります。興味が湧いた方は、これからもさらにウルグアイに注目していきましょう。
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文・構成/HugKum編集部