赤裸々告白「価値観が合わない!」夫婦のお悩みはこちら
HugKum読者、約600名に「人には言えない夫婦のお悩み」を聞いてみたところ、たくさんの声が集まりました。その中でも多く見られたのが「夫婦の価値観の違い」。まずはリアルなお悩みを見ていきましょう。
夫とは子育ての価値観が全然合わない。そして私は普段からイライラしてキレやすい性格で、子供達が2歳になった頃くらいから子供に対してすごくキレてしまう。たまに手も出してしまう。夜に寝顔を見て後悔するも、毎日同じことの繰り返しで嫌になる。(3歳男の子のママ)
主人と育児方針が合わなかったり、協力的でなかったりとイライラする。これなら離婚して実家に帰ったほうが自分の時間がもっと持てそうだなと考えることも……。(4歳男の子、1歳女の子のママ)
子育てに参加していると夫は言っているが、これからの学校のことや幼稚園のこと、ほとんど何も知らない。夫だけではなく、周りに価値観が合う人がいない。唯一話せる母は遠方にいてなかなか話せなくて毎日がつらい。(3歳女の子のママ)
夫が家族といる時間や食事時間に一人だけスマホでYouTubeを見ているのがとても気になります。特に子供たちにはご飯に集中して欲しいので、普段からテレビを消したり、おかずの話題を振ったりと努力しているのに……。夫のその行為一つで台無しにされている気持ちになります。しかし、普段は仕事でなかなか自分時間の取れない夫のことを思うと強くも言えず、ストレスだけが溜まっている状態。(5歳女の子、2歳男の子のママ)
夫は子どもの習い事や普段の買い物についていちいち口を出してきて、とてもケチ。子ども達にもう少し習い事をさせたいので、仕事を探そうかとも思うが、夏休み中や体調不良での突然の休みのことなどを考えて、2年以上二の足を踏んでいます。(7歳、4歳女の子のママ)
夫は食事中にクチャクチャ音を立てたり、ひじをついたりします。他にもドアや水道、電気などなんでもやりっぱなし。幼稚園で他のママやパパに合ってもそっけなく、ちゃんと親にしつけられていないのでは?と感じることが多々。価値観の違いはもう諦めかけていますが、子どもに悪影響なのではと心配です。(5歳男の子のママ)
なんとも赤裸々な声をお届けしましたが、思わず「わかるわかる‼」と頷いた方も多いのではないでしょうか?
NHK「すくすく子育て」で長年キャスターを務め、育児や夫婦に関する著書も多数出版されている天野ひかりさんに「夫婦の価値観の違い」についてお伺いしました。
お悩みにお答えいただいたのは
天野ひかりさん
フリーアナウンサー、「おやこみゅ」NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事。
親子で、すくすく体操、手遊び歌、ことば遊びなどを通じて、子どものコミュニケーション力をのばすため、気持ちをことばに置き換えるおやこみゅ力をつけ教室を主宰。フリーアナウンサーとして育児関連のトークショーの司会や、話し方についての講演も多数行う。著書「賢い子を育てる夫婦の会話」(あさ出版)、「子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ」 (サンクチュアリ出版)の他に、雑誌やWebサイトでの執筆も数多く手掛ける。今年、二十歳になった娘を持つ母でもある。
価値観は違っていい。それを子どもに見せても大丈夫!
価値観の違いに悩むママやパパは多いですよね。そもそも価値観は人と違って当たり前のもの。自分の価値観と全く同じ価値観を持っている人にはあまり惹かれないものです。その昔、「あの人のこういう考え方が素敵」と思ったことはありませんか? 価値観は違うからこそ惹かれ、魅力的と感じるところでもあります。
そして、価値観の違いは個性でもあります。他の人との違いの中から自分らしさや自分の個性が生まれ、それが価値観として根付いていくのだと思います。
価値観の違いをいったん受け入れてみる
「へぇ、あなたはそんな風に思うんだ」
「私だったらこっちにするけど、そっちがいいと思う人もいるんだ」
というように、価値観の違いを受け入れるということはとても大事です。違いを面白がって受け入れることを夫婦がお互いにできることが理想的です。中には夫のため、妻のためだとなかなかできないと感じる方もいると思います。
しかし、これからの社会は多様性が求められます。価値観の違いを夫婦で受け入れている姿を子どもに見せることで、子どもは多様な社会を生き抜く力を自然と身につけていくでしょう。よって「子どものため」と思えば、夫婦の価値観の違いを受け入れる努力も少しはする気になるかもしれません。
怒って終わりはNG!目的と話題は分けて考えよう
「夫と価値観が合わない」「育児に協力的ではない」など、さまざまな悩みを抱えている方がいると思います。そんな時に一番大事なのは「自分がどうなりたいのか」ということ。
例えば、食べた皿を片付けない夫に腹を立て「片付けて」と言ったことで片付けた。その場では解決したようにも感じます。しかし、これはあくまでも対処療法的で、おそらくまた同じことが起きるでしょう。根本的に解決するためには、「私はこうなりたい」と思うことを相手に伝えていきましょう。
目的意識を持つことで夫婦関係がガラリと変わる
●対処療法的に終わらない相手への伝え方
「子ども達を寝かしつけに行く前にはキッチンをきれいにしておきたいの。だから、テレビを観ながらでも今の時間に片付けておきたい。あなたも協力して」
「1日に1回は話す時間を持って、子どものことや仕事のこと、私たちの考えを共有したい。話が出来ない時はメールでもいい。子どもに何かあった時は、一緒に心配したり喜んだりしたい」
短期的なことでも長期的なことでも、自分の目的や目標を相手に知らせましょう。それは難しいと思う人は、なぜそれができないのかを考えて、少しずつ対処するのがおすすめ! 相手を非難しないで、お互いの手の内を見せ合うことは、とても貴重です。
また、相手の目的を知ることで、今までイライラしていたことが自然と解決することもあります。直接話し合うのが難しい場合は、メールでもOK。自分たちがやりやすいと思える方法を見つけて見て下さい。
価値観の違いを受け入れることでモヤモヤが晴れることも!
どういう夫婦になりたいかを夫婦で話し合うためにも、まずは自分がどうなりたいかを整理すべく、自分と向き合ってみてください。
どんなことでも話し合える夫婦になることは、結果的に子どものためにもなることです。もちろん『いろいろやってみたけどダメだった』ということもあると思います。その時に初めて離婚のことを考えてみてもいいですね。しかし、まずは自分に今できることを考えてみましょう。
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