読み聞かせのプロおすすめ!魚の絵本
【1】『きんぎょが にげた』
五味太郎/作 福音館書店
◆こんな本
人気絵本作家・五味太郎さんの数ある絵本の中でも、逃げたきんぎょを探して遊びながら楽しく読めるこの絵本は、子どもたちにも大人気です。逃げ出したきんぎょが、フルーツにカモフラージュしたり、子ども部屋のカラフルなおもちゃに紛れたり、自由な発想でかくれんぼをするきんぎょを追いかけるストーリー。三面鏡に映るきんぎょの向きまでしっかりと描かれていて、細かい描写は大人も一緒に楽しめます。小さめのサイズで軽量なので、お出かけ先での読み聞かせにもぴったりです。
◆対象年齢
2歳~
◆ママパパの口コミ
「繰り返し小さい頃から読んでますが毎回『ここにいる!』と何度も見つけては指差して、楽しんでました」(30代・千葉県・子ども1人)
【2】『ちいさなこいのぼりのぼうけん』
岩崎京子/作 長野ヒデ子/絵 教育画劇
◆こんな本
幼稚園でみんなが作った折り紙のこいのぼりが、幼稚園をこっそり抜け出して、大空を自由に飛び回ったら…。子どもたちの想像力を刺激するこいのぼりの冒険ストーリーです。本の最初に、折り紙で作るこいのぼりの折り方が紹介されています。簡単にできるのでぜひ折り紙でこいのぼりを作って、遊びながら読み進めると楽しさも倍増!こいのぼりが冒険中に出会う鳥のムクドリやツグミの習性も学べたり、端午の節句についても知ることができる、カラフルな絵も魅力な節句絵本です。
◆対象年齢
0歳、1歳、2歳
【3】『とらのこさんきょうだい かえうた かえうた こいのぼり』
石井聖岳/作・絵 講談社
◆こんな本
「へびよ~り~ な~が~い こいの~ぼ~り~」…ナンセンスな「こいのぼり」の替え歌と絵に大笑いしたあとには、端午の節句の意味や歴史も学べる絵本です。(JPIC読書アドバイザー・児玉ひろ美)
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳
『新幼児と保育』2014年4・5月号
【4】『おすしの さかな』
川澄健/監修 ひさかたチャイルド
◆こんな本
マグロを釣り上げることからお寿司になるまでの写真絵本。バランスよく写真と文章で解説されています。(JPIC読書アドバイザー・児玉ひろ美)
◆対象年齢
4歳~
◆ママパパの口コミ
『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』
【5】『しっぽのつり』
いもと ようこ/文・絵 金の星社
◆こんな本
冬の寒さを五感で感じながら、楽しめる本。あらすじは、正直者で、魚を捕るのがうまいかわうそがきつねにだまされます。そこでかわうそも、たわいのないうそをつくのですが、きつねは真に受けて……。
寒い季節にぴったりの定番昔話です。気温がうんと冷え込んだときに読むと、より効果的。2匹のユーモラスな会話に、子どもも引き込まれます。しっぽが切れる箇所は、大げさにせず、あっさりと読んでください。(JPIC読書アドバイザー・児玉ひろ美)
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳~
『edu』2015年5・6月号
【6】『てのひら すいぞくかん』
ハン・テヒ/作 やのもみこ/訳 瑞雲舎
◆こんな本
手のひらを絵の具でスタンプ。魚に見立てる手のひら遊びの絵本です。はじめは何も説明せず、読み聞かせましょう。手のひらに気づく子も、気づかない子もいるでしょう。気づいた子には「そうね」と承認だけして、最後まで読み通します。読み聞かせたら、あとは自由にあそびます。裏表紙の見返しを参考に、あらかじめ手のひらをスタンプした絵を用意して、気軽に始めてみるとよいようです。既刊の『てのひらどうぶつえん』と合わせて楽しめます。(JPIC読書アドバイザー・児玉ひろ美)
◆対象年齢
0歳、1歳、2歳
『新幼児と保育』2016年8・9月号
【7】『おきにいり』
田中清代/作・絵 ひさかたチャイルド
◆こんな本
「えへん! ぼくさかなだよ」 自分の気に入ったものが見つかると、何が何でもその気持ちを押し通し、「見て、見て!」と、疑いもなく突き進めるのは、小さい人の特権です。『おきにいり』のたむ君もお母さんが作ってくれた青い魚の着ぐるみが「おきにいり」。「ぴちぴちのさかな」になって意気揚々と登園するのです。『トマトさん』でもおなじみの作者田中清代さんの、子ども時代の独特な高揚感に満ちた作品からは、いつもたくさんのことを教えていただきます。そんな特権を持った子どもも、やがて、自分の好きなものが、皆が必ず好きとは限らない。そんなことに気づき始め、なかには自分の気持ちをあまり口にしなくなる子もいます。大人である私たちも「好きなものは好き」と、いえたらいいと、思うときもありますね。(JPIC読書アドバイザー・児玉ひろ美)
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳、6歳
『新幼児と保育』2017年6・7月号
JPIC読書アドバイザー・児玉ひろ美さん
台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活躍。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
編集部がおすすめする魚の絵本
【1】『スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし』
レオ・レオニ/ 作 谷川 俊太郎/訳 好学社
◆こんな本
小学校の教科書で読んだことがある、という方も多いかもしれません。あらすじは、ちいさな赤い魚の兄弟たちのなかで、1匹だけ真っ黒の魚の「スイミー」。大きなマグロがやって来て、兄弟の魚たちを飲み込んでしまいます。逃げられたのはスイミーだけ。けれど、海の中にはくらげやいせえび、いそぎんちゃくなどいろんな生き物がいます。そんな中見つけた、スイミーにそっくりな小さな赤い魚たちに「遊ぼう」と誘っても「大きな魚に食べられるから」と岩陰から出て来ません。
スイミーは考えます。皆で大きな魚のふりをして泳ごうとみんなを誘います。赤い魚たちの中でスイミーは目になって、みんなで力を合わせて大きな魚に立ち向かって…。
ページいっぱいに描かれている海の様子に、子どもたちも引き込まれます。
また「虹色のゼリーのような…」「ドロップみたいな岩から…」といったいろんなイメージが広がる表現も、子どもの想像力を膨らませてくれるでしょう。
◆ママパパの口コミ
「自分で考えて行動する事の大切さを学んだ」(40代・大阪府・子ども2人)
【2】『にじいろのさかな』
マーカス・フィスター/作 谷川 俊太郎/訳 講談社
◆おすすめポイント
世界で3000万部も読まれている人気名作絵本は、谷川俊太郎さんの訳で広く日本でも親しまれています。
キラキラと光る特別なウロコを持つにじいろのさかな「にじうお」。仲間との出会い通して、悩みながら、やさしさや思いやりを学んでいく、成長ストーリー。あまりに美しく描かれた海のイラストや魚たちに、子どもたちも特別な絵本と感じるようです。アートのように美しい表紙は、見せる絵本収納にもおすすめの1冊です。
◆ママパパの口コミ
「にじいろのさかなは、絵がキラキラしているのが気に入ったようだ」(40代・長野県・子ども2人)
【3】『にじいろのさかなとおおくじら』
マーカス・フィスター/作 谷川 俊太郎/訳 講談社
◆こんな本
人気絵本「にじいろのさかな」シリーズの1冊。
あらすじは、年老いた大きなくじらが、サンゴ礁にやってきて、美しいにじうおたちをうっとりと眺めていました。すると、その大きな体ゆえに、にじうおたちは勘違いをしてしまい、おおくじらとケンカになってしまいます。誤解を解くために勇気を出して行動するにじうお。さて結末は…。
子どもたちの世界にも起こりうる、誤解からのケンカ。先入観で相手を決めつけてしまうことや、きちんと話し合うことの大切さも学べる絵本です。
【4】『にじいろのさかな しましまをたすける!』
マーカス・フィスター/作 谷川 俊太郎/訳 講談社
◆おすすめポイント
マーカス・フィスター氏の人気シリーズ「にじいろのさかな」の次に出されたのがこの絵本。にじいろに輝くうろこを持つ「にじうお」と呼ばれる魚が、この作品でも主人公です。
前作で輝くうろこを仲間に分けたにじうおと、うろこを持たないしましま模様の魚の交流を描いたストーリー。自分と仲間の違うところを互いに認め、困っている時には助け合う、そんな友情の素晴らしさを感じることのできる絵本です。
教えてくれたのは
JPIC読書アドバイザー 台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活躍。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
文・構成/HugKum編集部