新年度を迎え、子どもにスマホを持たせるか検討するご家庭もあるでしょうが、スマホは“ネットいじめ”などの心配も…。また子どもでも架空請求や情報漏洩などの被害に遭うのをご存知ですか。
子どもを、こうしたサイバー犯罪から守るにはどうしたらよいのでしょうか。トレンドマイクロ株式会社に、スマホのセキュリティ対策について教えていただきました。
スマホのルールは、親子できちんと決めることが大切!
子どもが安全にスマホを使うためには、“設定による対策”と“モラルによる対策”をとることが必要です。“モラルによる対策”は、家庭での約束事が基本になります。
子どもとスマホ、家庭での決めごと例
●スマホを使っていい時間を決める
●他人の悪口や嘘などは絶対に書き込まない。言葉遣いにも注意する
●自分や家族、友達の名前、住所、電話番号、生年月日、メールアドレス、写真などの個人情報は書き込まない
●他人のサイトの写真やイラストなどを無断で使わない
●チェーンメールは無視して、友達に回さない
●アプリは勝手にダウンロードしない。必要な場合は、ママ・パパの許可をとる
●パスワードは親子で共有する
など、親子で話し合って家庭でルールを決めてください。
子どもは個人情報への意識が低くなりがちなので、一度インターネットに公開された情報は一生消すことができず、ときには大きなトラブルを招くことをきちんと説明しましょう。
また「スマホを使う時間を約束しても守らない!」「ネット依存が心配」という場合は、利用時間制限が設けられるセキュリティ対策製品などを使うのがおすすめです。
子どもがスマホを安全に使うための設定・管理7箇条!
スマホのセキュリティ対策には、適切な設定をすることがカギ! 子ども任せでは危険なので、ママ・パパがしっかり管理しましょう。7つのポイントを紹介しますので参考にしてください。
Point1 スマホでもウイルス対策をする
“スマホはウイルス対策が不要!”と思っているママ・パパもいますが、実はアプリをインストールするときにウイルスが侵入する危険性が! ウイルスに感染すると写真や連絡先などの個人情報が盗まれたりするのでセキュリティ対策をしましょう。対策用のアプリは、Google PlayやApp Storeなど信頼できるところからインストールしてください。また携帯ショップや家電量販店で購入するという方法もあります。
Point2 最新のOSとアプリを使う
OSやアプリを更新しないとセキュリティの穴(脆弱性)を狙い、気づかぬうちにウイルスが侵入したり、情報漏洩のきっかけになったりすることが。そのため利用中のアプリに更新のお知らせがあった場合は、すぐにアップデートするなどOSとアプリは最新のものを使いましょう。
Point3 盗難・紛失対策をする
スマホには、電話帳やメール、写真などさまざまな個人情報が入っているので盗難・紛失対策は必須! 対策には①iCloudやAndroidの機能を利用したり、専用アプリを使ってバックアップをとる、②盗まれたりしてもスマホの場所がわかるようにOSやセキュリティアプリの盗難・紛失対策機能でGPSを利用できるようにしておく、③盗難・紛失時にスマホを勝手に操作されないように画面ロックを設定する――以上の3点を行うことが有効です。
Point4 公衆Wi-Fiは接続前にチェックする
公衆Wi-Fiの中には、セキュリティ対策が十分とられていないものもあり、悪意ある第三者によって情報を盗まれたり、不正サイトに誘導されたりする危険性も。そのため公衆Wi-Fiを利用する際には、Wi-Fiの提供元が信頼できるか、暗号化がされているかなどチェックするのがキホン。利用した場合は、利用が終わったら自動接続の設定を解除しましょう。
Point5 パスワードは、親が設定・管理する
推測されやすいパスワードは、個人情報を盗まれる危険性大! そのためパスワードは複雑なものにして、複数のウェブサイトやサービスで使い回さないようにしましょう。パスワードが必要なものは、ママ・パパが設定・管理するルールを決めたほうが安心です。
Point6 プライバシー公開に注意する
子どもがSNSを利用する場合は、①登録しているプロフィールは誰が見られるのか、②送信する投稿やメッセージは誰が読めるのか設定をチェックして、意図せぬ情報公開をしないように注意しましょう。
Point7 有害情報から子どもを守る
子どもが有害情報に接しないように、スマホの事業者やセキュリティアプリが提供するフィルタリング機能を利用しましょう。また子どもが使っているアプリやお気に入りのサイト、利用料金、SNSの交友関係などは、まめにチェックすることも必要です。
学校などで、子どものスマホセキュリティ講座が開けます!
トレンドマイクロでは、子ども・保護者向けセキュリティ教育活動の一環として社員を派遣して、小中学生のお子さんにスマホを持たせようと考えている保護者の団体・グループ(学校やPTA、サークルなど)を対象に、子どものスマホ利用を取り巻く最新の脅威とセキュリティ対策をワークショップ形式で学び、考える「保護者向けセキュリティカフェ」を実施しています。定員:15~30名程度。日程・場所:個別に相談可能です。
詳しくは、メールで問い合わせを受け付けています。
*実施にあたってはプロジェクタ、大画面モニタなど、参加者とパソコン画面を共有できる設備が必要です。
取材協力/トレンドマイクロ株式会社 構成/麻生珠恵