コスタリカってどんな国?
コスタリカは、太平洋とカリブ海に挟まれた国で、世界でもっとも幸せな国といわれています。イギリスのシンクタンク「ニュー・エコノミクス財団」が発表している「地球幸福度指数(Happy Planet Index)」の2020年の結果では、1位となっています(日本は57位)。なぜここまで幸福度が高いのでしょうか?コスタリカについてさらに詳しく知れば、その理由も見えてくるかもしれません。さっそく見ていきましょう。
コスタリカ基本情報
まずはコスタリカの基本情報からご紹介します。
国名
コスタリカ共和国
首都
サンホセ
場所
中央アメリカの国で、カリブ海と大西洋の海岸線を有しています。
日本との時差
15時間(日本のほうが15時間進んでいる)
面積
51,100平方キロメートル(九州と四国を合わせた面積)
日本の約7.4分の1にあたります。日本の総面積は378,000平方km。
エリア
コスタリカは7つの州に分かれます。
・アラフエラ州
・カルタゴ州
・グアナカステ州
・エレディア州
・リモン州
・プンタレナス州
・サンホセ州
人口
約515万人(2021年)
東京都の人口の約2.7分の1にあたります。東京都の人口は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
スペイン語
通貨
コロン
1コロン=約0.24円(2023年2月28日)
宗教
カトリック教(国教、ただし信教の自由あり)
歴史
・1542年、スペインの植民地に。スペインの植民地時代は、課税や労働力の少なさから過酷な生活を強いられる。
・1821年、スペインから独立。
・1949年、軍隊の保有を禁止する憲法を制定。
・1987年、アリアス大統領がノーベル平和賞受賞
天気・気候
コスタリカは熱帯性気候に属します。5~11月が雨季、12~4月が乾季で、雨季にはほとんど毎日雨が降り、一方で乾季はほとんど雨が降りません。年間降水量は約1800mmです。気温は、最高気温が30℃前後、最低気温が18℃前後で、気温だけで述べると日本に比べて過ごしやすいと言えます。
コスタリカの治安・住みやすさ
コスタリカの治安や住みやすさはどうでしょうか。さっそく見ていきましょう。
治安は比較的良い
幸せな国と称されていますが、1990年代から犯罪が増加傾向にあります。とくに、首都サンホセやその周辺地域は注意が必要です。
外務省によると、麻薬使用の蔓延や銃所持者の増加、窃盗や強盗が発生しています。中でも、麻薬は北米や欧州に運ぶための中継地点となっているようです。比較的治安が安定しているとはいえ、こういった犯罪が増加しているため、コスタリカに訪れる際は身の安全第一で行動しましょう。
住みやすさは比較的良い
治安の面から住みやすいとは言えませんが、国民性が温厚で、物価が割安、交通のインフラが発達している、温暖な気候といった面から比較的住みやすいといえます。中でも交通のインフラは、バスがサンホセ市内または近郊であれば早朝から深夜まで運行しているため、利便性が高いです。
治安が比較的良いことや住みやすい面から、コスタリカに移住する日本人やアメリカ人が増えています。ある報告によると、コスタリカへの海外移住者は約42万人(2015年時点)いるようです。
コスタリカの見どころ・観光
ここでは、コスタリカの見どころや観光スポットを見ていきます。
ラ・フォルトゥナ
ラ・フォルトゥナは、アレナル火山国立公園への観光拠点になっています。首都のサンホセからは約80kmの位置にあります。のどかな場所で、温泉リゾートが点在しているのが特徴的です。
熱帯雨林の奥地にはラ・フォルトゥナ滝があります。高さ約70mの崖から水が流れ落ちる光景は圧巻です。
アレナル火山
アレナル火山は、標高1600mの地球上で最も活発な火山の1つです。そのうえ、最も美しい火山だとも言われています。コスタリカのシンボル的な存在のため、多くの観光客が訪れています。
近頃、火山活動は落ち着いていますが、20世紀後半には大規模な噴火で、周囲に大きな被害が出た過去があります。
コスタリカ国立劇場
首都のサンホセにあるコスタリカ国立劇場。新古典的な様式が特徴で、ひときわ目立つ建物です。
美しく歴史あるこの劇場を守るために戦争が無かったとされるぐらい、国民に大切されている場所です。劇場では、イタリアのアーティストによる作品や舞台公演を見られます。
ココ島
コスタリカの本土から南西約500km離れた場所にココ島があります。ココ島は1500年代にスペイン人によって発見されました。
現在はレジャースポットとして活用されており、スキューバダイビングやクルーズを楽しめます。ココ島に訪れると、ハンマーヘッドやイルカ、ジンベエザメなどに出会えるかもしれません。自然豊かな風景、レジャー、海の生き物を楽しむならココ島で間違いないでしょう。
モンテベルデ自然保護区
モンテベルデ自然保護区はコスタリカを代表する自然公園で、アクセスに利用できる交通機関や宿泊施設が多いため、観光客が訪れやすいスポットです。園内に入ると、360度が自然に覆われており、神秘的な光景も望めます。
道が整備されていますが、広大な園内を観光客だけで周ると迷う可能性があるため、ガイドに案内してもらった方がよいでしょう。
タバコン川天然温泉
アレナル火山の麓にタバコン天然温泉があります。川自体が温泉になっている場所で「タバコンリゾート」として観光地になっています。
ホテルに宿泊して温泉を楽しむこともできますが、無料で楽しめる温泉も存在します。タバコン川天然温泉と呼ばれ、自然の中で露天風呂を楽しめます。無料で入れるので、興味のある方はぜひ寄ってみてください。
コスタリカの特徴・有名なもの
観光スポット以外に、コスタリカの特徴や有名なものを見ていきましょう。
国内電力のほとんどを再生可能エネルギーで賄っている
再生可能エネルギーとは、風力や太陽光など、資源を枯渇させることなく利用できるエネルギーのことです。コスタリカでは主に「水力発電」を行っています。さらに、風力発電や地熱発電なども行い、国内電力需要のほぼ100%を補っているのです。
軍隊のない幸せな国
コスタリカは軍隊を保有していません。警察官ですら銃を持っておらず、徹底的に平和を守っています。
「他の国に侵略されるのでは?」と疑問に思う方も少なくないと思いますが、コスタリカは常日頃、侵略されないよう外交的な努力を続けています。実際、世界的に「平和の国」というイメージが定着し、2010年に一度あった侵略も、武力を交えることなく解決しました。
映画「ジュラシック・パーク」のモデルになった国
世界的に恐竜映画として有名な「ジュラシックパーク」。先ほどご紹介した「ココ島」は、ジュラシックパークに登場した火山島のモデルになった島です。それほど自然環境が豊かで監督が思い描く映画のテーマに、ぴったりな場所だったのでしょう。
9月15日は独立記念日
コスタリカは、9月15日にスペインから独立を果たしました。毎年、独立を記念して各地でパレードが行われます。子どもたちが白、青、赤で装飾された民族衣装を着て、演奏したり踊ったりしながら行進します。場所によっては聖火に火を灯して祝うところもあります。
幸福で自然豊かなコスタリカ
コスタリカは幸せな国と称され、自然の宝庫でもある国です。犯罪が増加傾向にあるものの、国民の幸福度は依然として高いまま。一度はコスタリカに訪れてみたいと思った方も多いのではないでしょうか。気になる方はコスタリカについて、さらに詳しく調べてみてください。
こちらの国についてもチェック!
文・構成/HugKum編集部