吉野ヶ里遺跡ってどんなところ? どこにある?
「吉野ヶ里遺跡(よしのがりいせき)」は、どこにあって、何が見られるのでしょうか。まずは吉野ヶ里遺跡の基本情報を紹介します。
佐賀県にある弥生時代の環濠集落跡
吉野ヶ里遺跡は、佐賀県神埼(かんざき)郡にある国内最大規模の遺跡です。旧神埼町・旧三田川(みたがわ)町・旧東脊振(ひがしせふり)村にまたがっています。
壕(ほり)に囲まれた弥生時代の環壕集落(かんごうしゅうらく)跡が一般公開されており、広大な敷地内でさまざまな史跡の見学や体験ができます。
環濠集落とは、周囲に幅約4~5mの濠が巡らされた集落のことです。濠によって外側からの侵入を防ぎ、集落を守ろうとしていたとされています。
吉野ヶ里遺跡の見どころと、楽しみ方
吉野ヶ里遺跡は広大な遺跡です。ここぞというスポットを見逃してしまわないよう、現地を訪ねる場合には観光の予備知識を仕入れておきましょう。
古代の風を感じる集落跡を散策
吉野ヶ里遺跡の発掘後、遺跡の上に当時の建物が復元されました。広大な敷地を散策していると、まるで弥生時代に迷い込んだかのような気分になるでしょう。
注目したいのは、「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」に出てくる宮室(きゅうしつ)・楼観(ろうかん)・城柵です。「邪馬台国(やまたいこく)」の女王・卑弥呼(ひみこ)は、もしかしたらこのような建物で暮らしていたのかもしれません。
建物内には、古代の服をまとった人形が顔を突き合わせている姿も見られます。当時の様子をイメージできない子どもにも、古代の文化が理解しやすくなりそうです。
弥生くらし館で弥生時代を体験
当時の暮らしをより身近に感じたいのであれば、「弥生くらし館」の体験プログラムを活用しましょう。
当日受付OKなのは、「勾玉(まがたま)づくり」と「火おこし体験」です。文明の利器を使わず、自分の手で何かを作り出す作業は、子どもの好奇心をかき立てるでしょう。
そのほか、土日限定プログラムには「鏡製作」「銅鐸(どうたく)製作」など、教科書に出てくる古代の道具を作れるものもあります。
なお、体験プログラムに参加できるのは基本的に小学3年生以上となっているため、詳しいことは事前に問い合わせておくと安心です。
子どもが遊べる巨大遊具
子連れの観光では「途中で子どもが飽きてしまった」と困ることがよくあります。そんなときに利用したいのが、「古代の原ゾーン」です。
約6ヘクタールもある「弥生の大野」では、ビッグボールを転がしながら思い切り走り回れます。「遊びの原」にある、子どもに大人気の巨大遊具やふわふわドームも見逃せません。
思い切り遊んでおなかをすかせたら、「野外炊事コーナー」でバーベキューを楽しんではいかがでしょうか。動物好きな子どもには、ウサギがいる「ふれあい館」もおすすめです。
吉野ヶ里遺跡の基本情報と注意点
トラブルなく過ごすには、事前の情報収集が欠かせません。当日の「困った!」を防ぐために、吉野ヶ里遺跡の開園時間・利用料金・注意点についてまとめました。
営業時間・アクセス方法など基本情報
吉野ヶ里遺跡(吉野ヶ里歴史公園)の基本情報は、以下の通りです。
・所在地:佐賀県神埼郡吉野ヶ里町田手1843
・開園時間:9~17時(6月1日~8月31日は9~18時)
・休園日:12月31日、1月の第3月曜日とその翌日
・利用料金:15歳以上 460円・65歳以上 200円(一般)
・駐車場料金:普通車 310円・大型車 1,050円・二輪車 100円・自転車無料
中学生以下は、無料で施設を利用できます。何度も利用する場合には、駐車料金も無料(普通車・二輪車)になる4,600円の年間パスポート(65歳以上は2,000円)を購入したほうがお得かもしれません。
なお、各入り口では車椅子(くるまいす)の貸し出しが行われており、トイレには手すりや呼出ブザーも設置されています。
広大な敷地だからこその注意点
吉野ヶ里遺跡の敷地は広く、史跡巡りだけでも大人の足で2時間が目安とされています。小さい子どもが一緒なら、さらに時間に余裕を持っておいたほうがよいでしょう。
体験プログラムや古代の原ゾーンまで、すべてまわるのであれば、丸1日かかります。動きやすい服装と履き慣れたスニーカーで、季節によっては上着や子どもの着替えもあると安心です。
また、1個の体験プログラムにつき、だいたい30分~2時間かかります。複数体験したいという場合は、計画的にスケジュールを組んでおきましょう。
太古の日本を体験しに行こう!
歴史の本を読むだけでも、古代の生活を知ることはできます。しかし、文章からイメージするのが難しい子どもにとっては、自分の目で見て体験したものに勝る知識はありません。
吉野ヶ里遺跡には、精緻(せいち)に再現された建物や数々の体験プログラムなど、より太古の生活や文化を身近に感じられる工夫があります。強く印象に残れば、教科書の内容も記憶しやすくなるでしょう。
体を使って遊べる場所もあり、きっと子どもたちも存分に楽しめるはずです。よく晴れた休日には、勉強も運動もできる吉野ヶ里遺跡へ出掛けてみてはいかがでしょうか。
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構成・文/HugKum編集部