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みすゞ飴の歴史
みすゞ飴の歴史は100年以上も前の明治時代までさかのぼります。長野県上田市にある飯島商店(みすゞ飴本舗)が、地元の名産である各種のフルーツを使い、水飴や寒天と一緒に練りこんだお菓子を作ったのが最初です。
新潟地方に「翁飴(おきなあめ)」と呼ばれる、水飴と寒天を混ぜて作ったお菓子がありますが、みすゞ飴はこれに果物を練りこんで、新種の翁飴として誕生させたのです。
みすゞ飴の由来・成り立ち
みすゞ飴が生まれた長野県は、フルーツが多く生産される場所です。そこで「フルーツ王国・信州を代表するお菓子に」という思いを込めて、飯島商店の初代社長が、信濃の国の枕詞である「みすゞかる」から「みすゞ飴」と名付けたのです。
みすゞ飴を作る工程は、とてもシンプル。まず獲れたての果物から果汁を絞ります。その果汁に水飴と寒天を溶かし、煮詰めながら練りこんでいきます。これを箱に入れて固めると、大きなブロック状の生飴になります。これを大きな包丁でカットし、最後はオブラートで表面を巻いて、乾燥させてできあがりです。職人による地道な手作業で作られています。
みすゞ飴の特徴
みすゞ飴はどんなゼリー菓子なのでしょうか。いくつかの特徴をご紹介しましょう。
6種類の完熟果汁を使用
みすゞ飴に使われる果物は、あんず、もも、うめ、ぶどう、さんぼうかん、りんごの6種類です。どれも完熟した国産のものを使い、その果汁に寒天とグラニュー糖、水飴を加えてゼリーにしています。
果物が最もおいしくなった完熟のタイミングで収穫したものを使っているため、まるで濃厚なジャムを食べているようなフルーツ風味を楽しめます。
無着色・無香料
みすゞ飴は安心・安全にこだわって作られており、果物は国産のものを厳選して使用しています。さらに、お菓子も無着色・無香料を徹底しています。みすゞ飴のカラフルな色は、果物などの原料そのものの色で、果物の味を存分に楽しめるように作られているのです。
職人による手作り
飯島商店(みすゞ飴本舗)では、みすゞ飴が誕生した明治時代からずっと、職人による手作りの製造を徹底しています。
原料の仕込みから飴の仕上がりまで、機械に頼らずに一貫して手作りにこだわっているのは、飯島商店の「本物のおいしさや安心は人の手の温もりから実現する」という信念があるから。みすゞ飴のひとつひとつが、大切に丁寧に作られているのです。
表面はオブラートで包まれている
みすゞ飴の表面は、でんぷんから作られた薄い膜であるオブラートでコーティングされています。
オブラートの薄さは0.02㎜。これほど薄いオブラートを、ぐにゃぐにゃとしたゼリー状の生飴に巻き付ける作業は、職人技なのだとか。オブラートで巻いて乾燥させると、みすゞ飴が完成します。
みすゞ飴はどこで買える?
みすゞ飴を購入できるのは、上田市内と長野県内にある飯島商店(みすゞ飴本舗)の直営店舗3店です。
そのほか、全国の百貨店で取り扱いがあり、みすゞ飴本舗のオンラインショップでも販売されています。みすゞ飴は、長野県まで出かけなくても購入できるというわけです。
みすゞ飴の特徴的な店舗
みすゞ飴を購入したいなら、飯島商店(みすゞ飴本舗)の直営店をチェックするのがおすすめです。
上田本店
JR、しなの鉄道、上田電鉄が走る上田駅から徒歩2分の場所にあるのが、みすゞ飴本舗の上田本店です。1924年(大正13年)に建てられ、現在では国指定登録有形文化財になっている上田のランドマークです。
中は洋風文化も感じられるおしゃれでアンティークな空間になっており、大正時代にタイムスリップしたような雰囲気を味わえます。また上田本店は工場に直結しており、できたてのみすゞ飴を購入できるほか、みすゞ飴の量り売りも行っています。
上田分店
上田本店のすぐ近くにあるのが、上田分店です。取り扱っている商品は上田本店とすべて同じで、より気軽に手に取って購入できるようになっています。
MIDORI長野店
JR長野駅ビル「MIDORI」の2階にも、飯田商店(みすゞ飴本舗)の直営店があります。
みすゞ飴はもちろん、上田本店でしか取扱いのなかった四季のジャム、冷たいお菓子などもラインアップ。長野への旅行のお土産や、ちょっとした手土産などにも利用しやすくなっています。
みすゞ飴の定番人気商品
みすゞ飴の定番といえる人気商品をご紹介します。
みすゞ飴
やっぱりはずせないのが、定番のみすゞ飴。
セロハン包装型で、1,000円以下で購入できる小さなサイズから、手土産やギフトにも使える箱入りがあります。季節によって、定番の6種類の果実のほか、いちご味なども登場することがあります。(購入リンクは記事後半にあり)
みすゞ飴 和紙
セロハン包装型と中身は同じですが、薄めのタイプが和紙で包装されたものもあります。
和紙で包まれている分、高級感がアップしていますので、贈答品やギフトにぜひどうぞ。(購入リンクは記事後半にあり)
四季のジャム
季節の果物をふんだんに使用しているみすゞ飴と同様に、国産果実を使った定番商品が「四季のジャム」です。
飯島商店は、ジャム製造メーカーとしても80年以上の歴史があります。あまった果実をジャムにするのではなく、生食用とは異なる、ジャムに合った品種を厳選し、それを手作りで丁寧に仕上げています。あんず、いちご、きんかん、マーマレードなどがあります。
みすゞ飴以外の商品ラインナップ
定番以外のおすすめ商品もご紹介しましょう。
すうっとゼリー
飯島商店では、新鮮な果物を使ったゼリーも作っています。例えば「すうっとゼリー」はジュースのようにストローで吸って楽しめるジューシーなゼリー。暑い季節にピッタリの各種ゼリーが揃っています。
手練りあんこ
粒あんも販売されており、和菓子づくりなどにも利用できます。北海道十勝産の上質な小豆を使用し、手練りで仕上げています。
おさとうまぶし
「おさとうまぶし」は、ピールのこと。ミカン科の三宝柑の皮をピールにした一品です。くせがなくすっきりとした味わいの三宝柑をおいしくいただけます。
通販で入手! みすゞ飴のおすすめ
オンラインで購入できるみすゞ飴をいくつかご紹介します。
みすゞ飴B‐8
カラフルなみすゞ飴を箱に詰めた、ベーシックなタイプです。自宅用にも、ギフトとしても利用できそうです。レトロな箱のデザインもなんだかかわいらしい印象です。
みすゞ飴 和紙80粒入り
和紙包装型のみすゞ飴です。80粒と数が多く、贈答用などに最適です。年配の方から若い方にも喜ばれそうな一品です。
みすゞ飴角袋 復刻いちご入り
定番のぶどう・さんぼうかん・うめ・もも・あんず・りんごの6種類に加えて、いちご味も入っています。みすゞ飴をよく知っている地元の方、みすゞ飴ファンの方はもちろん、子どもにも喜ばれそうです。
長野銘菓「みすゞ飴」をぜひ一度味わって
長野で生まれたみすゞ飴は、100年以上も人々に愛されてきた銘菓です。緑茶とはもちろん、紅茶などと一緒にいただいても相性は抜群、見た目にもかわいらしいお菓子です。機械でお菓子作りを簡易的に行う工場が多いなか、いまもなお熟練の職人が丁寧にひとつひとつを手作業で作っているというのも、温かみが感じられるお菓子といえるのではないでしょうか。
信州旅行の際や、長野にお出かけしたときは、みすゞ飴をチェックしてみてはいかがですか?
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文・構成/HugKum編集部