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ざびえるとは
ざびえるとは、和菓子のような餡と、ビスケットやラムレーズンといった洋菓子のような素材を組み合わせた、和洋折衷のお菓子です。ラム酒に刻んだレーズンを漬け込み、それを白餡に混ぜ、バター風味のビスケットのような洋風の皮で包んでいます。大分のお土産としてよく知られています。
ざびえるの歴史
ざびえるはもともと「長久堂」という菓子店が1962年に発売し、製造と販売を行っており、商標登録もしていました。しかし長久堂は2000年に自己破産することとなったのです。そのため、一時期はざびえるが街から消えていました。
その後、地元の人々を中心に、ざびえるを復活させたいという声が多くあったことから、長久堂の元従業員などが「ざびえる本舗」という新しい会社を立ち上げ、ざびえるの製造を再開したのです。
ざびえるの由来・成り立ち
天文20年(1551年)に、現在の大分県にあたる豊後の国を訪れた宣教師のフランシスコ・ザビエル。まだキリスト教が普及していなかった日本で、キリスト教を広めることを目的に来日しました。
これをきっかけに、フランシスコ・ザビエルによって人々の間にヨーロッパの技術や文化がもたらされました。そんな功績を称えて生まれたのが、このざびえるです。ざびえるのパッケージに「南蛮菓」と書かれているのは、そんな由来があるからです。
ざびえるの特徴
ざびえるのお菓子には、どんな特徴があるでしょうか?
しっとりした白餡
和菓子に欠かせない白餡をベースにしているざびえる。口に入れると、サクッというよりも、しっとりとしたなめらかさを感じるでしょう。そこに、ラムレーズンの大人っぽい香りが漂い、和と洋が上手にミックスされています。
フランシスコ・ザビエルの来日によって、日本の文化の中に西洋の文化が広まったように、和と洋が融合しています。
「金のざびえる」と「銀のざびえる」
ざびえるには「金のざびえる」「銀のざびえる」の2種類があります。「金のざびえる」は、白餡にラムレーズンが練りこまれていて、「銀のざびえる」は白餡のみのプレーンな味です。
2つのパッケージは一見すると区別がつかないかもしれませんが、金色と銀色になっているので、ぜひ食べ比べてみるといいでしょう。
大分の「南蛮菓」
ざびえるのパッケージには「南蛮菓」と書かれています。16世紀にスペインやポルトガルの船が、日本と交易を目的に来航するようになりました。それらの船は「南蛮船」と呼ばれ、スペイン人やポルトガル人は「南蛮人」、彼らから広まった文化は「南蛮文化」と呼ばれていました。
ざびえるはフランシスコ・ザビエルの功績を称えてつけられたお菓子であることから、「南蛮菓」とうたわれているのです。
黒と赤のシックなパッケージ
ざびえるは黒をベースに「ざびえる」と赤い文字で描かれた、黒と赤のシックなパッケージが特徴です。箱も黒で、赤い文字で英語が描かれていて、まさに海外のお菓子の雰囲気です。日本で製造・販売されているお菓子ながら、海外のお土産のように見えることも、ざびえるの特徴のひとつです。
住民の声で復活
ざびえるの歴史でご紹介したように、もともとざびえるは長久堂という会社が販売していました。しかし長久堂の自己破産によってざびえるが作られなくなったことは、地元大分の人々やざびえるファンの間で大きなニュースとなりました。
そのままざびえるは消えてしまうかと思われましたが、ざびえるを求める人々の声にこたえ、長久堂で働いていた従業員が集まり、再び別の会社でざびえるの製造を始めたのです。今あるざびえるは、そんな人々の熱い声で復活したお菓子なのです。
ざびえるはどこで買える?
ざびえるは大分県内はもちろん、日本全国で販売されています。大分県内は百貨店や、空港、フェリー乗り場などのショップ、九州以外は三越、東急百貨店、阪急阪神百貨店などのデパートなどで購入できます。
またざびえる本舗では通販も行っており、ウェブサイトから購入できます。
ざびえるの特徴的な店舗
ざびえる本舗の店舗はなく、全国の百貨店でざびえるを販売しています。
ざびえる本舗新本社工場
ざびえる本舗は2004年7月に新しい本社工場に移転しました。
ざびえるは生地で餡を包み成形してから、全長16メートルある「トンネル釜」でじっくりと焼きます。新しい工場では、ざびえる専用のトンネル釜を導入し、表面はサクサクと心地いい食感に、そして中はしっとりした餡を楽しめるように仕上げられています。
ざびえるの定番人気商品
ざびえる本舗の定番商品をここでチェックしましょう。
ざびえる
ざびえる本舗を代表するのは、やっぱり「ざびえる」です。6個入り、12個入り、18個入り、24個入り、36個入りがあります。いずれも個包装されていて、賞味期限は常温で30日間と長め。どれも金のざびえると銀のざびえるが入っています。
またざびえるのほかに、瑠異沙も組み合わせた大分銘菓詰合せもあり、大分旅行のお土産品としてはもちろん、ちょっとした手土産や贈答品としても利用できます。
瑠異沙(るいさ)
ざびえると同じように、餡と生地でできたお菓子が瑠異沙です。餡はバイオレットリキュールで香りつけされていて、すみれ色をしています。これをミルクとバターの香りがするカステラ生地で包み焼き上げています。
口に入れるとすみれの香りがほんのり漂い、なんともやさしい気持ちになるお菓子です。
豊のたちばな
大分の名産であるかぼすを使ったお菓子です。かぼすの果皮と果汁を混ぜ、さわやかで酸味もある味わいの餡を餅生地でくるんでいます。
大分にはかぼすを利用したお菓子や特産品が数多くありますが、この「豊のたちばな」もそのひとつです。
ざびえる以外の商品ラインナップ
定番以外でも、まだまだ他にもチェックしておきたいお菓子があります。
月のさらさ
黄色の満月が描かれたパッケージが目印、丸いお月様をイメージさせるようなゴーフレットです。異国を感じさせるチーズ味と、和を感じる黒糖味の2種類があります。
菓和里(かおり)
寒暖差があり抹茶に最適な環境といわれる、大分県杵築市の山間部で無農薬で栽培された「きつき茶」の抹茶を使ったお菓子です。抹茶をカステラ生地に練りこみ、小豆餡を包んで焼き上げています。抹茶の華やかなな香りを楽しめます。
通販で入手!ざびえるのおすすめ
ざびえるは通販で購入できます。おすすめの商品をいくつかご紹介します。
ざびえる 12個入り
定番のざびえるが12個入っています。金のざびえると銀のざびえるが6個ずつあるので、両方をぜひ味わってみて。
ざびえる2段重ね
ざびえるを2段に重ねた贈答におすすめのセット。ざびえる好きの方や、お世話になった方へのギフトにピッタリです。
大分銘菓詰合せ 24個入
ざびえると瑠異沙を詰め合わせた「大分銘菓詰合せ」。大分県の方はもちろん、県外の方へのお土産などに喜ばれそうです。
大分銘菓のざびえる
西洋文化伝来の歴史エピソードを思わせる和洋折衷のお菓子ざびえる。長い歴史をもつ銘菓なだけに、幅広い年齢層に愛されてきたお菓子です。大分や九州へのお出かけの際は、ぜひざびえるをお土産に選んでみてはいかがですか?
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文・構成/HugKum編集部