いたずらの繰り返しにイライラ・・・困った行動で必要な能力が育つって本当?【0~6歳の見守り子育て】

「子育てに正解はない」とはよく言われますが、日々の育児シーンでは「これでいいの?」「こんなときはどうしたら?」と悩むことの連続。そこで「花まる子育てカレッジ」ディレクターで、Voicy「コソダテ・ラジオ」のパーソナリティでもある井坂敦子さんに、よくある育児のお悩みについてアドバイスをいただきました。

※ここからは『入学後の学力がぐんと伸びる  0~6歳の見守り子育て』(井坂敦子・著/KADOKAWA)の一部から引用・再構成しています。

Q:いたずらの繰り返しにイライラします

ものに興味を示してきた2歳。家じゅうのものをいじくりまわしては散らかして、整理と掃除が追いつきません。これも成長のひとコマとわかってはいても、毎日のこととなるとイライラします。私のしつけが甘いせいもあるのでしょうか?

A:困った行動で必要な能力が育ちます

いたずらは子どもの本能的な行動

子どもは1 歳前後になると、自然にハイハイからつたい歩きを始めます。初めて立った瞬間は、その場に立ち会った人に、えも言われぬ感動を与えてくれます。まさに幼児への第一歩。

この時期は足腰の発達ばかりでなく、実は手指の発達も急激に進んでいます。その証拠に、床の小さなホコリを見つけてはつまんでみたり、ティッシュボックスから次々とティッシュを引き出してみたりするのも、この頃です。

「床のホコリを拾うなんて、汚いことしないで!」と気にしたり、「ティッシュがもったいないから、やめて!」と取り上げる前に、ちょっと待って!  幼児に「汚い」とか「もったいない」という感覚がわかるでしょうか?

幼い子どもは、ただ単純に見つけたものを拾いたい、つまんでみたい、ひっぱり出してみたいという欲求に駆られているだけなのです。そしてそれは、子ども自身の意志というよりも本能的な行動なのです。

できないことができるようになるための準備

ずりばいからハイハイ、つたい歩き、よちよち歩き。そして走り出し、スキップをし、ツーステップがリズムに合わせてできるようになるまで、子どもは動きたい衝動に駆られて繰り返し、足腰を成長させます。手や指も、つまんだりひっぱったりを繰り返し、クレヨンを握り、ハサミを使い、鉛筆を持ち、箸を自在に使えるようになるのです。

一見、大人の目からすると迷惑なことも、子どもにとっては必要なワンステップだと思って見守れば、自然にその子の進み方でよどみなく成長していきます。多くの子どもたちを見てきた経験からそう思います。

やる気と根気をじゃましない

特に1 歳から小学校に上がるまでの期間は、全身がのびやかに成長をとげる奇跡のような時間です。そして、その後の生活を支える土台を作る大切な時間でもあります。身につくまで繰り返し行うことで、必要な動きが無意識にできるようにしてあげたいですね。

自分も周りも気持ちのよくなる振る舞いや、好奇心に忠実に行動できる自信を育てていくために、子どもと関わる大人は、子どものやる気と根気のじゃまをしない大人でありたいものです。

※ここまでは『入学後の学力がぐんと伸びる  0~6歳の見守り子育て』(井坂敦子・著/KADOKAWA)の一部から引用・再構成しています。

「こんなふうに考えればいい」から実行できるメソッド

「子育てに正解はない」と言われますが、子育て初心者はどうしたらいいのか、わからないもの。ネットやSNSでさまざまな情報や口コミが氾濫する時代だからこそ「これでいいんだろうか」と不安になることも多いのではないでしょうか。

そんな中「子どもの様子を見ながら、そして自分の気持ちの負担になっていないかを確かめながら、できる範囲で少しずつやっていければOK!」という著者のメッセージは、ママ・パパの気持ちにも寄り添ってくれます。

保育園園長や小学校受験指導の前職をもち、「花まる子育てカレッジ」のディレクターとして専門家からたくさんの知見を得つつ、Voicyで「コソダテ・ラジオ」も発信している井坂敦子さん。そんな井坂さんならではの「こんなふうに考えればいい」の100のメソッドは、0~6歳のお子さんをもつすべての方の強い味方です。

(本体1,450円+税)KADOKAWA

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構成・文/HugKum編集部

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