4歳児子育てのお悩み「甘えと甘やかしの境界線は?」「嘘をついたときは叱るべき?」モンテッソーリ流の解決策は

ママやパパのお悩みに寄り添った連載「モンテッソーリ教師あきえの子育てROOM」には、毎回、多くの反響の声をいただきいています。数回に渡り、子どもの年齢ごとに起こりがちなお悩みについてを紹介していますが、 今回は、4歳児ママパパたちが持つお悩みにクローズアップ! あきえ先生の回答に注目しましょう。

4歳児子育て中のお悩み、モンテッソーリ流に解決します!

イヤイヤ期だった子も少し落ち着き、言葉の理解も進んでくる4歳児。特に多かったお悩みは「甘え」と「嘘」についてでした。この2つのキーワードについて、あきえ先生に詳しくお話を伺います。

Q. 「甘え」と「甘やかし」の境界線は?

最近、息子の甘えがひどく、ごはんを食べることや洋服を着ることなど、普段は自分でできることを「やって」と頼ってきます。愛情不足なのでは?と心配です。(4歳男の子のママ)
「ママ、抱っこ」「パパ、やって」など、パパや私にすぐに頼る娘。どこまで要望に応えていいのかわかりません。“甘やかす”とはどういうこと? (4歳女の子のママ)

A. 頼られた範囲内で応えてあげることは、甘やかしではありません!

明らかに自分でできるようなことを「やって」と頼ってくることがありますよね。そして、それに応えてばかりいると、「甘やかしすぎなのでは?」と不安になることもあるのではないでしょうか?

子どもは、「自立」に向かって自らを発達させている最中です。「自立」というのは、すべてのことを自分でやることではありません。人は一人では生きていくことができないため、時に助けを求めたり、甘えたりすることも「自立」に含まれています。そのため、子どもが頼ってきたり、甘えてきたりした時は、それに応えてあげて大丈夫です。乳幼児期に「甘えさせてもらった」「助けてもらった」経験が、子どもの自立を後押しします。

しかし、手助けする時に注意したいポイントがあります。

①「手伝いますよ」のスタンスで手助けする

例えば、子どもが「上手に食べられないからやって!」と言ってきたとします。

  1. 「スプーンですくうことができないんだね。じゃあ、ママがやってみるから見ててね。(大人がゆっくりやって見せる) じゃあ次は〇〇くんがやってみようか?」。子どもができない部分のお手本を見せてから、自分でやってもらう。
  2. 「スプーンですくうことができないんだね。一緒にやってみようか? (子どもと一緒にスプーンを持って)こうやってすくうんだね。(手を離して)これで食べられるね」。子どもができない部分(すくう)を一緒にやって、できること(食べる)は自分でやってもらう。
  3. 「スプーンですくうことができないんだね。じゃあ、ママがすくってみるね。ほら、すくえたね!(スプーンを渡して)これで食べられるね」。子どもができない部分(すくう)をやってあげて、できること(食べる)は自分でやってもらう。

すべてをやってあげるのではなく、あくまでも手伝うスタンスでいるようにしてください。お子さんによってや、その日の機嫌によって、1~3のような対応をするのがいいですね。

② 子どもが選択できるように示す

「どっちをお手伝いする?」「どっちは自分でできそう?」と、選択肢を出して、子どもが自分で選べるようにしてあげましょう。人生は選択の連続です。選択肢の中から自分で選ぶことで、自己選択力(意志力)を育むことができます。

③ 子どもの甘えたい気持ちを受け止める

「甘やかしになるのでは?」「自分でできるでしょ?」などという思いから、子どもの甘えを突き放してしまうこともあるかと思います。しかし、子どもが甘えてきた時は、その気持ちを受け止めてあげましょう。眠い、疲れている、体調が悪いなど、コンディションが整っていない時などは、大人が全部やってあげても構いません。

「甘える」と「甘やかし」の違いについて、お話します。

「甘える」とは、信頼している人に自分の思いや要求をさらけ出すこと

  • (例)本当は自分で洋服を着られるけど……
  • 子ども「着替えられない!」
  • ママ「じゃあ、ママと一緒にやってみようか?」

「甘やかし」とは、先回りしたり、子どもの要求に振り回されている状態

  • (例)子どもは何も言っていないのに……
  • ママ「ママが着替えさせてあげるから」と、子どもの着替えをすべてやってあげてしまう。
  • (例)おもちゃは買わないと約束したのに……
  • 子ども「買って!買って!ワ~~~~(号泣)」
  • ママ「わかったわかった。買ってあげるから泣かないで!」と、おもちゃを買ってしまう。

子どもの発達に必要なかかわりは、「甘える」ことを受け入れること。「甘やかし」は、子どもの自立を阻害してしまうこともあるので、気をつけましょう。

Q. 子どもが嘘をついたら?

手を洗っていないのに「洗った」、トイレに行っていないのに「行った」と、面倒くさいのか、嘘をつくことがあります。しっかり言い聞かせたほうがいいでしょうか? (4歳女の子のママ)
お友達と遊んでいて、ちょっと揉め事があった時に「ぼくはやってない」「〇〇くんが言った」と、言うことがあります。正直なところ「本当にやってない?」と疑いたくなることも……。(4歳男の子のママ)

A. 𠮟責や否定はしない。しかし、真実を知りたいと伝える

子どもが嘘をつくのは、面倒くさい時、なんとなく、怒られたくないなど、さまざまな理由が考えられます。嘘がつけるということは、真実を理解した上で、それとは真逆のことを言えるというところまで認知発達が進んでいるということです。

子どもの噓に気づくと、「嘘をつくような子になって欲しくない」「今は小さい嘘でも、どんどんエスカレートしてしまうかも」などという気持ちのあまり、「今、なんとかしなければ!」と、思うこともあるのではないでしょうか? 子どもが嘘をついた時は、3STEPで解決していくことをおすすめします。

【STEP1】 子どもの発言は叱責や否定をしないでまずは受け止める

  • 例:手を洗っていないのに、「洗った」と言っている時
  • 「手を洗ったんだね。じゃあ、手の匂いを嗅いでみてもいい?(実際に嗅いで)石けんの匂いがしないから、もう一回洗いに行こうか?」

手を洗う音がしなかった、明らかに手が汚れているなど、手を洗ってないことが明らかな場合でも、曖昧な場合でも、「洗ってないでしょ!」と、叱責や否定することは避けましょう。子どもがいっていることを一度受け止めて、やって欲しい行動を促すような声かけを意識するのがいいですね。

【STEP2】 真実を知ろうとする姿勢を見せる

  • 例:お友達のおもちゃを持ち帰って来たが、「ぼくは入れてない、知らない」と言っている時
  • 「〇〇くんはバッグに入れていないんだね。なんで入っているんだろうね? 明日、幼稚園で△△くんに会った時に聞いてみようか? 」

子どもの言っていることは受け止めつつ、善悪の線引きははっきりすることが大切です。子どもは、ママやパパからちゃんと信じてもらえているか、ということをとても敏感に感じ取ります。そして、「信じてもらえている」と実感することで、子どもは自立に向かっていけるのです。

【STEP3】 正直に話してくれたら感謝をする

  • 例:少し時間を置いてから「本当は自分でやったんだ」と打ち明けてくれた時
  • 「そうだったんだね。正直に話してくれたありがとう。じゃあ明日、ママと一緒に〇〇ちゃんに『ごめんね』って言おうか」

「怒られるかも」と思っていた場合は特に、正直に話すことは勇気がいることでもあります。嘘をついていたとしても、真実を話してくれた時には、しっかりと認め、感謝することが大切です。安心して話せるような雰囲気作りを心がけていきたいですね。

認知発達が進み、出来ることの幅が広がって来る4歳

お友達と一緒に遊ぶことができたり、マナーを学んで実践できるようになったり、成長が目まぐるしい4歳児。認知発達が進むことで、嘘をつくことや話を曖昧にすることなどもできるようになるため、3歳以下の頃とは違ったお悩みを持つママやパパも多いのではないでしょうか? しかし、どんな時でも子どものことを受け入れることを意識しながら、前向きなかかわりができるといいですね。

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記事監修

国際モンテッソーリ教師(AMI)
モンテッソーリ教師あきえ

幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままでよいのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。「子育てのためにモンテッソーリ教育を学べるオンラインスクール Montessori Parents」創設、オンラインコミュニティ”Park”主宰。2021年1月に初著書「モンテッソーリ教育が教えてくれた『信じる』子育て」(すばる舎)、2022年3月に「モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック」(宝島社)を出版。

モンテッソーリ教師あきえHP

あきえ先生主宰オンラインスクールMontessori Parents

取材/本間綾

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