白だしでサッと作るすまし汁のお雑煮の他、シンプルなみそ味、ぜんざい、また、関西地方のすまし汁タイプのレシピを詳しくみていきます。どれも基本的な作り方ですから、お家にある材料で代用したり、お好きな具材をちょい足ししたりと、作りやすい内容です。お餅料理の広いアレンジ力を楽しんでくださいね。
これなら簡単! 人気のお雑煮レシピ
市販の白だしを使って味を整えれば、まず間違いはありません。また、飾り切りの野菜を盛り付けると、お正月らしさがプラスされ、お祝いムードも高まります。
白だしで作る簡単お雑煮
味付けに白だしを利用して、ごく簡単にできる作り方をみていきましょう。希釈率は、ご使用の白だしに合わせてくださいね。
・材料
(4人分)
鶏もも肉 40g
小松菜 60g
にんじん 40g(1/4本)
紅白かまぼこ 1切れ
柚子の皮 少量
水 4カップ
白だし(10倍希釈) 80ml
・作り方
【1】餅はトースターなどで焼いてください。
小松菜は茹でて、葉の部分を折りたたんでから一本をひとつ結びにくくります。4人分の場合は4つ作り、長い部分はカットしてください。カットしたものは、2cmの長さに刻んでおきます。
にんじんは花形にカットして、下茹でします。
【2】鍋に水を煮立たせて、白だしを加えて味を整えます。削ぎ切りにした鶏もも肉を入れて、茹でてください。
【3】お椀にカットした小松菜を入れ、焼いてサッと汁にとおした餅をのせます。
鶏肉、結び小松菜、にんじん、紅白かまぼこを盛り付けます。汁をかけ、柚子の皮を飾ります。
味噌、小豆のお雑煮
さまざまな具材を使った、豪華なお雑煮も惹かれますが、ここでは基本形のお雑煮を取り上げます。みそ仕立てや、小豆雑煮が初めてという方は、ぜひ口にしてみてください。お雑煮文化の奥深さに触れられる味です。
シンプルなみそ雑煮
福井県北部の嶺北地方で作られるお雑煮は、みそ仕立ての汁に、餅とかつお節だけを加えた、ごくシンプルなもの。福井県内でも、他の地域では色々な具材が入ったお雑煮を作りますが、このお雑煮で生まれ育った人は、これを食べないと年が明けた気がしないんだとか。
材料は、昆布だし、みそ、かつお節、餅のみ。素材の味がダイレクトに味わえる、直球勝負の味です。
・材料
丸餅 4個
だし昆布 15cm、1枚
水 500ml
みそ(淡口辛口) 大さじ3
花かつお 適量
・作り方
【1】鍋に昆布を入れて、その上に丸餅をのせます。
【2】【1】の鍋に水を入れ、強火にかけて沸騰させます。沸騰後は弱火にして、餅が柔らかくなるまで火をとおします。箸などで感触を確かめると、火のとおりがわかります。
【3】みそを溶き入れます。
【4】器に餅、汁を盛り、上から花かつおをかけてお召し上がりください。
小豆雑煮
いわゆる「小豆ぜんざい」を、お雑煮として食べるのは、鳥取県です。県内のほぼ全域から、岡山県の一部にわたり、元日に新年をお祝いして食べる風習があるんだとか。しっかりと甘みを感じるお雑煮ですから、デザート感覚でも食べたい味。
基本的な小豆の炊き方を確認します。
・材料
(4人分)
丸餅 8個
小豆 250g
砂糖 150g
塩 小さじ1/2
・作り方
【1】鍋に水(分量外)を入れ、沸かします。水の量は小豆の3倍量を目安にしてください。
サッと洗った小豆を、鍋に加えます。熱湯が小豆の上5〜6cmになると適量です。
強火で再沸騰させた後、さし水を加えます。再び沸騰してから小豆をザルに上げて、茹で汁を捨ててください。
もう一度、小豆を鍋に戻します。
【2】小豆を入れた鍋に水1l(分量外)を入れて、小豆の芯が柔らかくなるまで中火で煮込みます。ときどきアクをとりながら、豆が水から出ないように水を足しつつ、柔らかくなるまで煮ます。
落し蓋をすると豆同士がぶつからずに、きれいな仕上がりになります。
【3】砂糖を2~3回に分けて加え、塩を入れて味を整えます。その後、弱火で30分程煮てください。
豆が固いうちに砂糖を加えると、それ以上柔らかくならないので気をつけてください。また、砂糖を一度に入れるのも、固くなる原因になります。
時間がきたら火を止めます。
【4】別鍋に水を沸かし、餅が柔らかくなるまで茹でてください。
【5】器に茹でた餅を入れ、【3】の小豆汁をかけます。
関西のすまし汁
すまし仕立てのお雑煮は城下町に多く、特に元藩士の家はその傾向にあるそうです。一説によると、江戸に生まれ育った藩士が多いため、江戸の食文化が持ち込まれ、国元に広がったのではないか、とのいわれが。
奈良のすまし雑煮
奈良県大和郡山市では、白みそ仕立てに並び、すまし仕立ての雑煮も広く親しまれているそうです。お餅は、丸餅。だしは昆布とかつおを用いるのが基本。
海に近い地域では、あごだしや、海老だしなどで作る地域もみられます。ご家庭では、ちょっと変化をつけて鶏がらスープなどもおいしくできますよ。
・材料
(4人分)
丸餅 4個
水菜 60g
大根 50g
にんじん 50g
鶏肉 80g
紅白かまぼこ 4枚
柚子の皮
かつお節と昆布のだし汁 3カップ
薄口しょうゆ 大さじ1
酒 大さじ1
塩 少々
・作り方
【1】丸餅はトースターなどで焼きます。
水菜は茹でて、4〜5cmの長さにカットし、1〜2cm程度の束にまとめます。
大根、にんじんは5mm程度の輪切り、または半月切りにして、茹でます。
【2】鍋に、昆布とかつお節のだし汁を温め、薄口しょうゆ、酒、塩で味付けします。一口大にカットした鶏肉を茹でます。
紅白かまぼこ、大根、にんじんも加えて温めます。
【3】お椀に【2】の具材を盛り付けて、焼いた丸餅と、束にした水菜をのせます。だし汁をよそおい、薄切りにした柚子の皮を飾ります。
食べ過ぎにはご注意を!
各地で食べられているお雑煮を4種類みてきました。こうしてみるだけで、お雑煮文化の多様性が感じられますね。普段食べている味とは異なり、珍しく感じる味があるかもしれません。または、お好きな具材を加えてオリジナルアレンジを開発する楽しみも。くれぐれも、お餅の食べ過ぎには注意してくださいね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)