目次
お餅の基本知識
日本のお正月に欠かせないのが「お餅」。お餅にはどんな栄養があるのか、そして気になるカロリーなど、普段何気に食べているお餅の基本的な情報からチェックしていきましょう。
栄養や気になるカロリーは?
・お餅に含まれる栄養素
お餅の主な栄養素は炭水化物と脂質です。
炭水化物は身体を動かすエネルギー源。不足すると、疲労を感じたり、集中力が低下します。そして、摂りすぎると肥満になることで知られている脂質。そんな脂質も、私たちの身体にとって必要不可欠な栄養素なんです。脂質は細胞膜やホルモンを構成する重要な栄養素。また、体温の保持や内臓の保護、脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割があります。
・お餅のカロリーは?
お餅100gあたりのカロリーは223kcal。切り餅1個あたり(約54g)は120kcalです。
お餅はスポーツ前のエネルギー補給に最適
スポーツをする前にはエネルギー源となる糖質(炭水化物)を補給することが大切。お餅の原料である、もち米はお米よりも糖質を多く含みます。そのため、少量で効率よく糖質をとることができるんです。
加えて、お餅は消化吸収のスピードが遅く、腹持ちがいいのが特徴。長時間の部活や大会、マラソンなどの、持久系のスポーツの前にとる栄養補給食品として最適なんです。スポーツや大会開始の3~4時間前に食べると良いでしょう。
お餅の形は関東と関西で違う?
関東と関西でお雑煮に入れるお餅の形が違うのをご存知でしょうか。関東は四角い切り餅、関西では丸い形の丸餅が主流です。もともと全国の雑煮には、丸餅が入れられていました。しかし江戸では人口増加に伴い、大量生産が可能な板状ののし餅を切った、切り餅が普及します。そのことから関東では、四角い切り餅が食べられるようになったのです。
お餅はカビが生えやすい理由
お餅はカビが好む栄養素、炭水化物(糖質)、脂質、水分を含んでいるため、カビが繁殖するのに好条件の場所なんです。
カビが発生する条件は「湿度」「温度」「酸素」「栄養素」の4つ。これらの条件が揃うと、カビが発生します。カビを生やさないためには、これらの条件を最小限に抑えることが重要です。
また、カビが生えたお餅は食べないようにしましょう。カビが生えた部分を削っても、目に見えないカビがお餅に浸透している可能性があるからです。
市販のお餅を保存する方法
真空パックで個包装されているお餅は、常温保存が可能。しかし一度空気に触れたものは、冷蔵保存もしくは冷凍保存が適切です。数日以内に食べるものは冷蔵保存、長期保存したい場合は冷凍保存するのが良いでしょう。
冷蔵保存する方法
1、お餅は1個ずつラップで包みます。
2、さらに保存袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
保存期間
保存期間は約2週間です。
冷凍保存する方法
1、お餅は1個ずつラップで包みます。
2、フリーザーバックに入れ、空気を抜きます。
3、金属製のトレーにのせて冷凍すると急速冷凍することができます。
保存期間
冷凍保存した場合の保存期間は約6か月間です。しかし、長く冷凍保存していると風味が落ちるため、なるべく早く食べましょう。
解凍方法
解凍せずに、電子レンジやオーブントースター、鍋などで冷凍のまま調理することができます。
▼お餅の冷凍の詳細はこちら
つきたて自家製お餅の保存方法
お正月には、自宅でお餅をつくという方も多いのではないでしょうか。しかし自家製のお餅は、市販のお餅に比べると傷みやすくなります。
1~2日で食べるものは冷蔵保存も可能ですが、すぐに食べないものは冷凍保存するのが良いでしょう。また、冷凍するほど余っていない場合は、「水餅」という保存方法もおすすめです。
冷蔵保存する方法
1、空気に触れないように、ラップできっちりお餅を包みます。
2、さらに保存袋に入れ、空気を抜いて冷蔵庫で保存しましょう。
保存期間
つきたてのお餅は日持ちしません。1日~2日で食べるようにしましょう。
水餅にして保存
水餅は、お餅を水に浸けるだけというシンプルな保存方法。水に浸けることで、お餅は空気に触れません。そのことによりカビを防ぐことができ、柔らかいまま保存することができます。
1、お餅に餅とり粉が付いている場合は、カビの原因になるので水で洗い流しましょう。
2、密閉できる容器にお餅を入れ、お餅が完全に浸かるように水を入れます。
3、蓋をして冷蔵庫で保存します。
4、保存容器内の水は、毎日変えてください。
保存期間
水が綺麗な状態に保たれていると、約2~3週間保存することができます。
冷凍保存する方法
1、つきたてのお餅は、粗熱が取れたら1個ずつラップをします。
2、フリーザーバッグに入れ、空気を抜き冷凍庫で保存します。
保存期間
約6か月ほど保存することが可能です。しかし風味が落ちるため、なるべく早く食べたほうが美味しくいただけます。
また、解凍方法は完全解凍はせずに、調理にそのまま使いましょう。
こんな保存方法も! わさびでカビを防ぐ⁉︎
わさびには揮発性の殺菌作用があります。その作用を利用すると、カビが生えにくくなるとされています。
密閉できる容器に、お餅と一緒にアルミのカップに入れたわさび(チューブのわさびでOK)を入れて冷蔵庫で保存。約1〜2週間保存することができます。
お餅のおすすめアレンジレシピ
お餅を焼いて食べるのに飽きたら「おかき」にするのはどうでしょうか。
「おかき」と聞くと、「油で揚げないといけない」と思うかもしれません。しかし今回ご紹介する作り方は、電子レンジを使って作る方法。油を使わないためヘルシーで、あと片付けも簡単です。
レンジで簡単おかき
【材料(1人分)】
切り餅… 1個
醤油… 適量
【作り方】
1、切り餅は1㎝角に切っておきましょう。
2、大きめの耐熱皿にクッキングシートをひきます。
3、2の上に切ったお餅を間隔を開けて並べます。
4、ラップをせずに、600Wで4~5分、加熱します。
5、お餅が膨れて、カリッとしたらレンジから出します。
6、別の容器にできたおかきを入れ、醤油をたらし、混ぜたら出来上がり。
醤油の他に、きな粉やのり塩、カレー粉など味を変えて楽しむことができますよ。
余ったお餅は正しく保存してカビから守る
お餅の様々な保存方法をみていきましたが、いかがでしたか? 長期保存するものは冷凍保存、すぐに使うものは冷蔵保存や水に浸けて保存するなど、色々な保存方法を試してみてください。また、真空パックのお餅は常温で長期保存が可能なため、ストックしておくと非常食にもなりますよ。
構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)