グレナダってどんな国?
グレナダという名前を聞いても、どんな国なのか知っている人は多くないかもしれません。
グレナダは、カリブ海にあります。カリブ海は、北米と中南米の間に挟まれた場所で、キューバ、ヴァージン諸島、ドミニカ共和国、バハマなど、数々の島が浮かんでおり、その多くが美しいビーチリゾートとして知られています。グレナダもそんな島々のひとつです。
有名なのは首都セントジョージズがあるグレナダ島で、スパイスの生産が盛んに行われていることから「香辛料の島」と呼ばれています。では、グレナダがどんな国なのか見ていきましょう。
グレナダ基本情報
まずは首都や場所、面積、人口など、国の基本情報から見ていきましょう。
国名
グレナダ
首都
セントジョージズ(グレナダ島)
場所
カリブ海の南端、ウィンドワード諸島の一部として位置します。
日本との時差
13時間
日本はグレナダより13時間進んでいます。
面積
グレナダの面積は340㎢です。
福岡市の面積が341㎢ですから、グレナダの面積は福岡市とほぼ同じです。
エリア
グレナダは10以上の島々で構成されています。主な島はグレナダ島、カリアク島、プティトマルティニーク島など。首都セントジョージズがあるグレナダ島は、以下の7つの行政区画にわかれています。
①セント・マーク
②セント・パトリック
③セント・ジョン
④セント・アンドリュー
⑤セント・ジョージ
⑥セント・デイヴィッド
⑦カリアクおよびプティト・マルティニーク属領
人口
グレナダの人口は11万3000人です。
広島県広島市の人口が約120万人ですから、グレナダの人口は広島市の10分の1程度です。
言語・公用語
英語(公用語)、グレナダ・クレオール語
通貨
東カリブドル
1東カリブドル=55円(2024年3月17日時点)
※グレナダは、ドミニカ国、アンティグア・バーブーダなど、6ヵ国による国際連合「東カリブ諸国機構」に加盟しており、それらの国々では共通で「東カリブドル」が使用されています。
宗教
キリスト教(カトリック、プロテスタント、英国国教会等)など
歴史
グレナダは1498年に、イタリアの航海者コロンブスによって認識され、その後スペイン人が入植しました。グラナダという国名は、スペインの都市グラナダにちなんでつけられたといわれています。
さらに1783年にはイギリス領となり、第二次世界大戦後の1967年には英国の自治領となりました。しかし独立を求める声が高まり、1974年にイギリスから独立したのです。
独立を果たしたグレナダですが、その後も厳しい状況が続きます。1979年に起きたクーデターで、モーリス・ビショップを首相とするビショップ政権が樹立すると、キューバやソビエト連邦などと関係を深めていきました。これにアメリカが危機感を抱き、1983年、グレナダに侵攻を開始したのです。この「グレナダ侵攻」によってグレナダは制圧され、親米政権が樹立しました。
天気・気候
グレナダは1年を通じて、安定して過ごしやすい気候です。1月〜5月頃の乾季と、それ以外の雨季にわけられます。
雨季の降水量は多く、蒸し暑くなります。一方、乾季は水不足になることもあります。
グレナダの治安・住みやすさ
グレナダの治安や住みやすさはどうでしょうか?
治安は良好
グレナダは他のカリブ諸国と比べると、殺人、性犯罪、強盗などの凶悪犯罪の発生率が比較的低めです。外務省の「海外安全情報」でも、危険情報は発令されていません。
ただし犯罪率が低いとはいえ、日本ほど安全ではありません。観光客をターゲットとした強盗やスリなどは起きていますので注意が必要です。
また大麻などの違法薬物の密売について声をかけてくるケースもありますから、そのような場合は、話にのらず、すぐにその場を離れるのが賢明です。
さらに、暗くなった後は一人で外出することは避け、滞在先のホテルでもセキュリティ面で信頼できるところを選ぶといった注意が必要です。
住みやすさは、カリブでは良好
美しい海とビーチがあるグレナダは、カリブらしいビーチリゾートの地。カリブの国々の中では治安が比較的良好であるため、住みやすさについても、カリブ諸国として見ると良いほうだといえます。
ただし注意しておきたいのは、薬物に関する犯罪。カリブ諸国やグレナダでは薬物関連の犯罪が多く、違法麻薬の取引なども多く行われています。現地の警察でも薬物の取り締まりを強化していますが、知らないうちに麻薬の運び屋として利用されないように、他人の荷物を預かったりすることは避けたほうがいいでしょう。
グレナダの見どころ・観光
グレナダの主な見どころや観光スポットをいくつかご紹介しましょう。
グランドアンセビーチ
グランドアンセビーチは、グレナダ島にある人気ビーチ。カリブ海らしい、エメラルドグリーンに輝くビーチが広がる場所です。
浅瀬は透明、沖に行くほど緑や青に海の色が変わり、吸い込まれそうな美しさです。「ビーチリゾートでのんびりしたい」という方は、まずチェックしたいスポットです。
セントジョージズ大学
グレナダが誇る大学が、セントジョージズ大学。カリブの国々や世界中から学生が集まり、楽園のような環境で勉強に励んでいます。
広大な敷地にさまざまな建物が建っており、美しい海とのコントラストがとてもきれいです。
水中彫刻(海底美術館)
グレナダの海底には、水中彫刻があります。これは彫刻家のジェイソン・テイラーがグレナダ政府の支援のもと、彫刻を作り、海の中に沈めたもの。
シュノーケリングやダイビングで海に潜り、海底の神秘的な世界を見に行くのが人気のアトラクションです。海の中にある彫刻と、そこに集まる魚たちの美しさで独特の世界観が広がっています。
グレナダの特徴・有名なもの
グレナダの特徴や有名なものについて見てみましょう。
香辛料(スパイス)
首都セントジョージズがあるグレナダ島では、スパイスの生産が盛ん。シナモン、クローブ、ジンジャー、バニラなど、さまざまな香辛料がお手軽な価格で販売されています。
特に「スパイス・アイル(スパイス通り)」と呼ばれる道には、さまざまなスパイスが山になってあちこちで売られています。グレナダ旅行のお土産にも最適です。
ラム酒
グレナダではラム酒も作られています。数百年もの歴史がある老舗のラム酒醸造所では、見学のツアーなども行われていて、観光スポットとしても人気です。
現地の料理でも、ラム酒を使ったものがいくつもあります。ただし、旅行のお土産として日本に持ち帰ろうとすると、免税となるには制限がありますから注意しましょう。
知られざる人気のリゾート地・グレナダ
グレナダは、日本ではあまり知られていないかもしれません。しかし実は透き通るような海と美しいビーチがあり、欧米では人気のリゾート地です。また「スパイス・アイル」と呼ばれるほど、香辛料の生産が盛んであることもよく知られています。グレナダを訪れたことがなくても、グレナダで作られている香辛料を知らないうちに口にしているかもしれません。
カリブ海や香辛料について興味を持ったら、グレナダにも目を向けてみてください。親子でさらに学びを深めてみるのも楽しいでしょう。
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文・構成/HugKum編集部