こんにちは!離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食がだんだん進んで食べられる食材が増えてくると「これは食べられるのかな?」「もしかして少し早い?」「友達の子は食べていたけど食べさせるのはまだ不安」という食材があると思います。今回は代表的なNG食材やN G食品を挙げながらどうして赤ちゃんが食べるのを控えた方がいいのかを考えていきましょう。
食べさせるか食べさせないかを判断する5つのポイント
判断ポイント1 生の食品ではないか?
その食材が生かどうか。ということは大きな判断材料です。離乳食に使う食材は、茹でる、煮る、焼く、蒸すなど「加熱する」ということが基本になります。その理由は、食材をやわらかくすることと、殺菌するためです。食材例を挙げますね。
NG食材 生野菜(レタス、キャベツ、きゅうりなど)
生の野菜は、噛まないと食べられませんね。大人が普段食べている生野菜も、必ず加熱します。
NG食材 生卵、魚、肉の刺身(鯛、マグロ、鶏など)
刺身を加熱すれば食べられますが、生の刺身は離乳食期には与えません。魚の刺身は食べ始めるなら3歳以降。心配ならもっと後でもOK。肉の刺身は大人になってからです。魚の刺身を初めて食べるときは、新鮮なものを少量からスタートします。
判断ポイント2 喉につっかえる心配はないか?
弾力があったり伸びたりするため、咀嚼力の弱い赤ちゃんが食べるのは不向きな食材があります。これから紹介する食材は食べ始めるとしても、しっかりとカミカミできるようになった3歳過ぎてから。食べるときは大人がそばで見守ることがお約束です。
NG食品 団子、餅
餅は伸びるのでNGなのはご存知なママも多いと思いますが、団子も注意です。団子は餅よりも伸びず、子どもが好きなおやつのひとつですが、離乳食期はNG。幼児期になっても、まるまる1個与えるのではなく、小さく刻んでから与えることからスタートします。
N G食材 たこ、いか、こんにゃく
弾力があり、赤ちゃんは噛みちぎることができませんし飲み込むと喉につっかえてしまうかもしれません。
判断ポイント3 赤ちゃんにとって固くないか?
固くて、奥歯で噛み砕くことができない食材も赤ちゃんにとってはNGです。大豆は、やわらかく茹でたものを刻んで与えましょう。
NG食材 ナッツ類、大豆(茹でで刻めばOK)
判断ポイント4 食中毒の恐れはないか?
食中毒は、その調理方法、保存方法により、どんな食材でも起こりうる可能性がありますが、その中でも食材として特に気を付けてほしいものを挙げます。
N G食材 はちみつ、黒糖
1歳未満の赤ちゃんが食べると乳児ボツリヌス菌を起こすことがあります。加熱してもボツリヌス菌は死滅しないため、市販の加工品にも注意が必要です。
N G食材 貝類
弾力があり赤ちゃんが食べにくい貝類は判断ポイント2にも当てはまる上、食中毒のリスクがあります。幼児期になっても貝が原因の食中毒が流行っている場合などは、あえて与えないようにしましょう。
判断ポイント5 塩分・油分は多くないか?
大人用に作られた加工食品は、油分、塩分が多いのが特徴で、やはり「大人用」です。ですので、赤ちゃんに食べさせるのは控えましょう。
N G食品 豆腐加工品(薄あげ、厚揚げ、卵豆腐、卵燻製など)
揚げ類は油分が多いこと、噛みちぎりにくいことでNG。卵豆腐は滑らかで赤ちゃんが食べやすいですが味付けが濃いです。
NG食品 魚介加工品、肉加工品(干物、ハム、ベーコンなど)
魚や肉加工品は塩分が強いため赤ちゃんには不向きです。茹でて塩抜きしてもやめておきましょう。
N G食品 揚げ物
離乳食が進むにつれ、少しずつ油もOKになってはきますが、揚げ物はまだ控えましょう。
大人用のお菓子はNG!
調味料をまだあまり使わない離乳食期なので、甘みの強い大人用のお菓子はNGです。例えば、チョコレート、クッキー、スナック菓子、ケーキなどなど。大人にとっても甘くて塩分があって美味しい食べ物は、赤ちゃんにとっては刺激的すぎます。
アレルギー表示品目の食材は要注意
また必ずしも、食べてはいけないものに分類する食材ばかりではありませんが、農林水産省が表示を勧めているアレルギー品目に分類されるもの(特定原材料に准ずるもの20品目)も注意が必要です。
[ アレルギー表示が推奨されている、特定原材料に準ずる20品目]
あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
これらを、食べられる月齢(年齢)に達したときは、まずはひとさじずつ身体の様子を見ながら与えましょう。
迷ったときは「食べさせない」と判断して
今回挙げた食材はあくまで一部です。ここにない食材は、上記の5つのポイントを参考にしながら「食べさせるか食べさせないか」判断してもらえたらなと思います。迷った時は「食べさせない」と判断してもOKです。だって、いずれ食べられるようになるのですから!
中田 馨(なかた かおり)
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで3000人が受講。