名古屋名物「ひつまぶし」とは? 誕生秘話やおすすめの「まずは四等分」の食べ方、自宅レシピもご紹介

名古屋グルメとして広く知られている「ひつまぶし」。1つで3通りの食べ方が楽しめることで有名ですが、その美味しい食べ方を知っていますか? また、ひつまぶし誕生秘話などもとても興味深いです。本記事では、ひつまぶしとはどんな料理か、美味しい食べ方、自宅で作るレシピなどを紹介していきます。

ひつまぶしとは?

「ひつまぶし」とは、おひつに入れたご飯の上に、短冊状に切ったうなぎの蒲焼をのせたものです。人気の名古屋グルメの1つとして知られています。

名古屋には、ひつまぶし専門店もあり、店で提供されるひつまぶしは、おひつに入ったご飯とうなぎに加え、お漬物や薬味、お吸い物やお茶漬け用の出汁が一緒にでてくるのが一般的です。

ひつまぶしの名前の由来は?

ご飯とうなぎの蒲焼を、「おひつ」と呼ばれる木製の器に入れ、混ぜて食べることから「ひつまぶし」と呼ばれるようになったといわれています。

1つで3通りの食べ方を楽しむ

ひつまぶしの特徴といえば、薬味や出汁を使い、味を変えられるということでしょう。まずは、そのままの味を楽しみ、次に薬味などで味を変えます。そして最後はお茶漬けにして食べるというように、3通りの味を楽しむことができます。

うな丼やうな重との違いは?

ご飯の上にうなぎをのせて食べる料理といえば、うな丼やうな重もありますよね。これらの違いは、器とうなぎのサイズにあります。

まず、うな丼は、丼にご飯とうなぎの蒲焼が盛りつけられているものです。一方で、うな重は、重箱に入れられたものをいいます。また、うな重には、基本的に肝吸いがつくことがほとんど(※うな丼にもつく店もあります)。

そして、ひつまぶしは、おひつに入れられるものですが、うなぎの蒲焼は切って短冊状にしてあり、うな丼やうな重より細かく、ご飯と混ざりやすくしてあるという違いがあります。

名古屋のうなぎは関東風? 関西風?

うなぎの焼き方といえば、関東と関西、地域によって違うのは有名な話ですよね。関東風のうなぎは、背開きにしたものを白焼にしてから蒸し、タレを付けて焼きあげます。一方で、関西風のうなぎには、蒸す工程はありません。そして、うなぎの開き方も、腹側から開く、腹開きにするという特徴があります。

名古屋はちょうど、関東と関西の真ん中あたりに位置するので、うなぎの焼き方はどちらなのか気になるところですよね。

うなぎの焼き方の関東風・関西風の境目は、静岡県にある浜名湖、またその周辺を流れる天竜川だといわれています。静岡の浜名湖および天竜川から長野県にある諏訪湖を結んだラインより、東側が関東風、西側が関西風だとされているようです。

よって、名古屋のうなぎの焼き方は、関西風が多いとされています。

関西風に近いが、名古屋独自の焼き方がある

ひつまぶしは、最後に出汁をかけて、お茶漬けにして食べられます。それを見越して、みりんや酒などアルコールの入った調味料でうなぎの表面の脂を落として焼き、パリッと仕上げるという、名古屋ならではの焼き方もあるそうです。

ひつまぶしは出前から誕生した?

ひつまぶしは、熱田神宮近くの料亭から生まれたとされています。その料亭では、出前の注文が非常に多かったそう。当時は、うなぎの蒲焼とご飯を瀬戸物の器に入れて、出前がされていました。しかし、器が割れて返ってくることが多く、それに困った店の人は、木の器で提供するようになったそうです。

そうすると、器は割れなくなりましたが、今度はうなぎばかりを食べて、下にあるご飯が残って返ってきたそうです。そこで、うなぎの蒲焼を細かく切って、ご飯に混ぜて出したのが、ひつまぶしの始まりだといわれています。

また、大きなおひつで混ぜて食べるというのが、「ひつまぶし」という名前の由来にもなっています。しかし今では、一人用の小さなおひつに盛り付けられて出されることがほとんどなのだそうです。

ひつまぶしの美味しい食べ方をチェック

3パターンの食べ方ができるひつまぶしですが、存分に楽しむためにおすすめの食べ方があるようです。ひつまぶしを美味しく食べる方法を見ていきましょう。

まずは4等分にする

おひつの中のうなぎとご飯を、しゃもじなどで4等分にします。

まずはそのまま食べる

まず分けた1/4の量をお茶碗によそい、そのまま食べます。お好みでご飯とうなぎを混ぜ合わせてみてください。1杯目は、うなぎとタレの味を、そのままご飯と一緒に楽しみます。

次は薬味をのせて

1杯目食べ終わったら、2杯目をよそい、ねぎやわさび、海苔などの薬味をのせて食べます。

出汁をかけてお茶漬けにする

3杯目は、お好みの薬味と出汁をかけて、さっぱりお茶漬けにして食べます。

最後はお好みの食べ方で

最後の1杯は、「この食べ方が一番好きだった!」という食べ方で締めくくりましょう。

スーパーのうなぎの蒲焼で作るひつまぶしのレシピ

スーパーなどで売られているうなぎの蒲焼を使って、ひつまぶしを作ってみませんか? 出汁は、丁寧に昆布とかつおでとってもよし、手軽に顆粒だしを使ってもOK。うなぎの蒲焼はそのまま使ってもいいですが、さらに美味しく仕上げるために、水で洗って温め直すのがポイントです。

薬味などはお好みのものを用意してください。では、作り方を見ていきましょう。

材料(1人分)

・うなぎの蒲焼… 1/2本
・うなぎのタレ… 適量
・ご飯… お茶碗大盛り1杯
・酒… 少々

<出汁>

・水… 300ml
・顆粒和風だしの素… 小さじ1
・薄口醤油… 小さじ1
・塩… ひとつまみ

<薬味>

・刻みのり… 適量
・わさび… 適量
・小口ねぎ… 適量

作り方

1.うなぎの蒲焼を加熱する

うなぎの蒲焼はさっと水で洗い、水気をキッチンペーパーなどで拭き取ります。アルミホイルにのせて、上から酒をふりかけ、オーブントースターで表面がカリッとするまで温めましょう。温めたうなぎの蒲焼は短冊状にカットしておきます。

2.出汁を作る

鍋に水を入れ沸騰させます。沸騰したら火を止め、顆粒和風だしの素、醤油、塩を入れ混ぜます。

3.薬味を用意

お好みの薬味を用意して、器に盛り付けておきます。

4.ご飯にうなぎの蒲焼を盛り付ける

器にご飯、うなぎの蒲焼、タレを入れ、出汁、薬味、それぞれを並べたら、ひつまぶしの完成です。

名古屋名物「ひつまぶし」どの食べ方がお好み?

1つで3通りの味が楽しめる「ひつまぶし」。シンプルにご飯とうなぎの蒲焼だけで楽しむ、薬味をのせてアクセントをプラスする、出汁をかけてお茶漬けにする、みなさんはどの食べ方が好きですか?

名古屋グルメとして有名ですが、家庭でもスーパーなどで売られているうなぎの蒲焼で作ることができます。ぜひ試してみてください。

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

 

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