梅雨も明けると、本格的に夏になり、日差しも強く、気温も高くなってきます。外遊びや、レジャーでアウトドアなど、これからの季節大人も注意が必要な「熱中症」や「紫外線」について小児科医の金井正樹先生にお話を伺いました。
熱中症の原因や症状は?
Q. これからの季節は、熱中症や日焼けが気になります。子どもを外で遊ばせるとき、気をつけたほうがよいことって?
A . 外遊びをする時間を選びこまめに水分補給を
初夏から夏にかけて増えてくる熱中症。子どもは体温調節機能が未熟なため、とくに注意が必要です。また、この時期には紫外線も強まります。外で長時間遊ぶようなときには、肌を守る対策も心がけましょう。
Q. 熱中症はなぜ起こる?
A . 熱中症は、体温調節機能がうまく働かなくなり、体に熱がこもってしまうために起こります。
原因は、暑さや強い日射し、湿度の高さなど。真夏はもちろん、梅雨の晴れ間や梅雨明けの直後など、体が暑さに慣れていないのに突然暑くなったときにも要注意です。
Q. 熱中症の症状は?
A. 体温が上がってぐったりする、顔色が悪い、吐き気やおう吐など。
体調を言葉で上手に伝えられるようになっている場合、頭痛やだるさ、めまいなどを訴えることもあります。
Q. 熱中症かな? と思ったら?
A. 熱中症が疑われるときは、すぐに涼しいところに移動し、衣服をゆるめて寝かせます。
体温を下げることが重要なので、ぬれタオルを首、脇、足の付け根などに当てて体を冷やしましょう。同時に、水分を十分にとらせます。理想は経口補水液ですが、ない場合はスポーツドリンクや水、麦茶などでも構いません。意識がはっきりしないときやけいれんを起こしたときは、救急車を呼びましょう。
Q. 熱中症の予防法は?
A.暑いときに屋外で長時間遊ばせるのは避けましょう。
室内も、エアコンを利用して温度・湿度をほどよく調節することが大切です。体を動かして遊ぶときは適度に休憩をとらせ、こまめに水分補給をしましょう。
紫外線の人体への影響とは?
Q . 紫外線って、肌に悪いの?
A. 地表に届く紫外線には、UV-AとUV-Bの2種類があります。
いわゆる「日焼け」はUV-B、シワなどの「肌老化」はUV-Aによって起こります。ただし紫外線には、ビタミンDの合成など体に役立つ働きも。大切なのは「浴びない」ことではなく、「浴び過ぎないように注意する」ことです。
Q. 紫外線対策、どうすればいい?
A. 初夏から夏は、紫外線がとくに強くなる10~14時ごろは外遊びを避けるようにします。
外に出るときは必ず帽子(麦わら帽子のようにつばがぐるりとついているものがよい)を被らせ、遊ぶときは日陰があるところを選びます。ノースリーブより半袖を着るなど、無理のない範囲で衣服で肌を覆うことも心がけましょう。
Q. 日焼け止めの使い方を教えて!
A. 屋外で長時間過ごすときは、日焼け止めを使うのもよい方法です。
日焼け止めの効果が続く時間は成分や塗る量によって異なり、汗でも流れてしまうので、2~3時間おきに塗りなおすとよいでしょう。また、紫外線をカットする効果が極端に高いものや、「紫外線吸収剤」という成分を使ったものは刺激が強いことがあります。めばえっ子には「ベビー用」「子ども用」などと表示されているものがおすすめです。
記事監修
東京都八王子市・金井内科医院院長。「国立小児病院」、米国の小児病院などで小児外科の臨床・研究を行い、2008 年より現職。診療科目は内科、小児科、小児外科、外科。保育園の園医、小・中学校の校医も務める。
『めばえ』2019年8月号 イラスト/小泉直子 構成/野口久美子
親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。