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みんなの「保活」事情を徹底アンケート調査!
今回は、保活の実態を3歳以下のお子さん育児中のママパパ243人にアンケートで聞いてみました。(回答総数:243/アンケート期間:2024年9月10日~9月23日まで)
アンケートに答えてくださった方々の男女比は、女性202名:男性41名でした。
回答者と、そのパートナーの方の働き方についてお聞きしたところ、下のグラフのとおりとなりました。
以下では、みなさんから寄せられた回答を一挙にお伝えしていきます。
「保活」前に考えていたことや事前にした準備は?
まず訊ねてみたのは、みなさんが“保活”前から希望していた(希望している)ことや事前の準備について。入園したい保育園の種類や特徴、目指した入園シーズン、見学についてを中心に聞いてみました。
希望する保育園は?「家の近くの認可保育園」がやっぱり人気
“保活”の際にまず前提として考えるのが、入園したい保育園の種類(認可/認可外)ではないでしょうか。
アンケートで訊ねてみると、「認可外保育園」は全体の7票、「認可保育園(認定こども園含む)」は91票を集める結果に。
オリジナリティーのある保育サービスが受けられる「認可外保育園」も魅力的ではありますが、3~5歳児の保育料が無償化の対象であったり、必ず資格を保有している保育士さんに子どもを預けられたりと「認可保育園」ならではのメリットは他に変え難いものではないでしょうか。
その他、みなさんから寄せられた回答では、「市が認可しているから安心なイメージがあるから(認可)」「認可での入園が難しかったから(認可外)」等といった理由も挙げられました。
以下では、それぞれの理由の一部を引用しました。
【認可保育園を希望した理由】
・家から近い。上の子たちが2人とも遠方の認可外に通園しており、遠いことのデメリットを痛感。また認可より割高な割に保育内容も充実しておらず、近い認可を切望 [ 女性 ]
・認可が降りている方が安心なイメージ。 [ 女性 ]
【認可外保育園を希望した理由】
・企業型でできるだけ荷物を少なくてもいいようにオムツ持ち込み不要など、親に寄り添ってくれて、病児保育も可能で保育料も安いから。 [ 女性 ]
・認可保育園は年度内入園が難しいから [ 女性 ]
魅力に感じる保育園の特徴とは?
保育園を選ぶ際に魅力的に感じる特徴を聞いてみると、もっとも多かったのが「家の近所(81票)」、次いで「家と通勤との間にある(40票)」が並び、立地が重視されやすい傾向が見えてきました。
また、「園庭が広い(36票)」といった園内の環境や「他の園より早朝・延長の時間に対応してくれる(28票)」といったサービス面、「保育方針に共感できる(28票)」なども挙げられています。重視するポイントはご家庭によっても異なることが伝わってきますね。
他、「オムツを園が支給してくれる」「親がする準備が少ない」など、手厚いサービスを求める声も見受けられました。
1歳での入園希望が最多。役所への相談・見学は?
そんなみなさんは、お子さんが何歳の時期を目指して保活をしていたのでしょうか。役所への相談や保育園の見学をどの程度するものなのか…。事前準備についても聞いてみました。
入園は何歳からを目指した?
入園を目指したお子さんの年齢としては、「1歳(72票)」「0歳(38票)」「3歳(23票)」「2歳(19票)」「4歳以上(8票)」の順で票が寄せられました。
保育園へのお子さんの入園を考えるご家庭は、共働きである場合が大半ではないでしょうか。そう考えると、「0歳」〜「1歳」との回答が多かったこのアンケート結果にも納得です。
役所に相談に行きましたか?
役所に行ったかどうかを訊ねてみると、「行った(83票)」「行かなかった(79票)」とほぼ同率でそれぞれに票が寄せられました。
市役所や区役所では、保活を行う手順や、各自治体の入園状況や待機児童の数等、保活に欠かせないさまざまな情報を得ることができます。保活を始める際には、ぜひ最大限に活用してみましょう。
見学はいくつぐらいするべき?
保育園見学に行った数としては、「1園(31票)」「2園(19票)」「3園(13票)」「5園(9票)」「4園(4票)」……の順で票が寄せられました。多くのご家庭が希望の園を1〜3園程度に絞った上で見学に臨んでいるいるようですね。
立地条件のほか、クラスの人数や園の雰囲気、衛生状態、広さ等々……確認したいことは山積みです。申し込み時には複数の希望園の記入が可能な場合も多いので、希望する可能性のある園はぜひ見学に行きたいところ。
驚いた・大変だったことは?「きょうだいで同じ保育園に入れない」「早生まれの入園タイミングの難しさ」…etc.
保活をして驚いた・大変だったことや、具体的なエピソードも聞いてみました。
保活で驚いたことは?「園によってルールが違う」「待機児童の多さ」
保活を経験して驚いたことは「ある(85票)」派と「ない(87票)」派、ほぼ同率の結果に。保育園の実情を意外に感じるご家庭もあれば、イメージ通りだったというご家庭もあるようですね。
驚いたエピソードとしては「園によって雰囲気やルールが違う」「待機児童が多く、希望の保育園に入れない」「きょうだいで同じ保育園に入れない場合があった」など、さまざまな声が寄せられました
中には、保育園ごとの雰囲気の違いを目の当たりにし、「見学に行く大切さを実感した」という方も。以下には、みなさんから寄せられたエピソードを引用の上、ご紹介します。
【具体的な「驚いた」エピソード】
・布団の持参など園によっての違い [ 男性 ]
・兄弟ポイントはあるにせよ、同じ条件の人が多いと兄弟でも別園になってしまうことがあること。2人を別の園にそれぞれ送迎するのはあまりにも大変だと思います。 [ 女性 ]
・東京は待機児童が多く、認可には入れなかった。そのあと引っ越しで埼玉に住むと保育園に余裕で入れた。 [ 女性 ]
・とにかく行けるだけ見学をして、違いをまとめて、子供に合うところを探した。 [ 女性 ]
・仕事の都合で4月の繁忙期に慣らし保育ができないため3月入園を希望したが、年度途中の入園が難しいことに驚いた。3月だけ希望とは異なる保育園に通い、4月に転園することになった。 [ 女性 ]
・認可園ばかり見ていたけれど、認可外保育園も園庭が狭いだけでケアは手厚かったこと。 [ 女性 ]
・保育園によって雰囲気が全く違ったので、見学に行く大切さを実感しました。 [ 女性 ]
「大変だった」派と「大変じゃなかった」派はなんと同率!
「保活は大変でしたか?」との質問には、「はい(78票)」「いいえ(78票)」とそれぞれに同率で票が集まりました。
大変だったと回答された方の理由に目を向けてみると、「早生まれで入園のタイミングが難しかった」「保育園に空きがなかった」「市役所まで何度も足を運ばないといけなかった」等々、現在の理不尽なシステムに苦労した声の数々。みなさんから寄せられた具体的な「大変だった」エピソードを以下に引用します。
【具体的な「大変だった」エピソード】
・引越し先の保育園に子どもを連れて電車で見学に行っていたこと。 [ 女性 ]
・長女は0歳から毎年申請出し続けましたが全然入れず、2歳まで非定型保育に通い、年少から幼稚園に通いました。早生まれで0才児の4月に入れなかったのが痛かったです。 [ 女性 ]
・仕事は決まっていたのに、保育園に空きがない時は本当に困りました。情報収集をしていると、認可外保育所が新しくできたのを知って、そこに入れました。 [ 女性 ]
・産後寝不足の中、赤ちゃんを連れて出かけること。時間通りに到着しなければならない、というプレッシャーがあった。 [ 女性 ]
・なかなか空いてないと焦りがでること。最初は保育園探しの窓口が分からなかった。役所に子連れで行ったり、話が長くなると子どもがぐずったりした。 [ 女性 ]
・市役所まで何度も足を運ばないといけないこと。(うちの自治体は、落選書類も取りに行かないといけなかった) [ 女性 ]
役所や保育園にこうしてほしいこと・この場を借りて言いたいこと
保活を通して役所や保育園に対してこうしてほしいと思ったものとしては、「保育園の応募倍率のリアルタイム公開(66票)」や、「提出書類の完全デジタル化(47票)」、「保育園入園を希望する家庭への点数制の撤廃または改正(40票)」、「申請書類の全国同一書式(28票)」、「仕事を持たない、または不定期やパートタイム勤務の家庭の継続的な保育園入園(27票)」などが寄せられました。
現状の“保活”では、既存の制度のあり方が原因でスムーズにいかないことも多いことがうかがえます。
「応募倍率のリアルタイム公開」がされていると希望する園の幅をあらかじめ広げられますよね。また、「提出書類の完全デジタル化」も、幼い子どもを連れながら役所を行き来しなければいけないご家庭にとっては切実な願いです。
ほか、「保活をしている中で、この場を借りて言いたいこと」として、以下のような声が寄せられました。みなさんからのリアルなコメントを引用します。
【この場を借りて言いたいこと】
・発達グレーに対して優しくない世界がいや。今の園でみてもらえていれば、この時期からまたしなくてもよかったのに。書類についても、1度目の保活の時にだした書類を再提出しなきゃいけない仕組みがワケわからない。応募状況等、しっかり今教えてほしい。定員についてどうなるか分からない、って継続かどうかの子達分かってるだろ!て思う。 [ 女性 ]
・市役所がもっと情報開示をして欲しいのと、在住市は幼稚園ガイドという幼稚園の特色をまとめた冊子があるのでそれの保育園版があれば良いのにと思いました。 [ 女性 ]
・早生まれの子どもは育休明けの時期には保育園が満員状態なので入園できない。上の子も下の子も早生まれのため入園は翌年度4月だった。生まれた月で差がないようにしてほしい。 [ 女性 ]
・入園面接などして、保育を必要とする点数以外の部分も見て欲しい。(入園基準を見直して欲しい) [ 女性 ]
・わかりやすくしてほしい。 [ 女性 ]
子ども2人以上の家庭ならではの大変なことは?
お子さんが二人以上いる場合特有の大変なことも少なくありません。みなさんからの回答の中で、特に目立ったのが、「きょうだいで同じ保育園に入れなかった」というもの。
毎日2つの園への送り迎えが発生し、大変さも2倍になってしまいます。下の子が生まれた際の産休中は上の子を保育園に預けられない場合もあったりと、みなさんが頭を抱えるポイントも多数寄せられました。
【具体的なエピソード】
・普段の生活の全般が大変です。 [ 男性 ]
・長女は結局入れず幼稚園に通いました。でも下の双子の時にもまだ保育園の申請を出していました。ただ、きょうだいで同じ園を希望する場合希望できる園が限られるし、競争率の高い長女のせいで下の双子も落ちるという最悪の事態を避けたかったので、対応が難しかったです。 [ 女性 ]
・逆に兄の情報ですぐに入園できた。 [ 女性 ]
・同じ保育園に入れなかったので、毎日2箇所通っていたので通勤と家事とで大変だった [ 女性 ]
・下の子が産まれたら、産休中家で保育できるから休んでと言われたこと [ 女性 ]
保活は入園までのことを言うのではなく、入園、復職後の生活も想定して保育園を希望するのが良いでしょう。そこで「保活」時から知っておきたい、入園後の生活での大変なことやその後への不安に関する先輩パパママのリアルとは…?
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文・構成/羽吹理美