亭主関白とは
亭主関白は、夫の状態に対して使われる言葉です。夫がどのような状態だと「亭主関白」と言えるのか、言葉の意味や「モラハラ夫」との違いも確認しましょう。
亭主関白の意味
亭主関白は「夫が家庭で絶対的な権力を持ち君臨しているような状態」を指します。つまり、家庭内では夫の意見が絶対で、妻を従わせる夫が「亭主関白」です。
亭主関白の「関白」は、昔の日本で天皇の補佐役として働いた役職名を指します。関白が絶大な権力を持っていたため、権力を周りに見せつけるような人に対しても使われるようになりました。
また、亭主関白には対義語があります。対義語は「かかあ天下」と呼ばれ、妻が家庭で絶対的な権力を持っている状態です。
亭主関白と「モラハラ夫」の違いとは
現代では、亭主関白と「モラハラ夫」との違いを明確に判断するのは、難しいかもしれません。モラハラには「精神的な嫌がらせ」の意味が含まれますが、どちらも「家庭で絶対的な権力を持ち君臨している」という意味では、同じ部分もあるためです。
亭主関白な夫には、精神的な嫌がらせをする意図はありません。しかし、モラハラ夫は、妻に対して精神的な嫌がらせをしている状態です。
亭主関白は、夫本人の自己申告だけでも成り立ちます。しかし、妻が精神的な嫌がらせを受けているかどうか判断するのは、妻や第三者です。夫に悪気がなく、「自分は亭主関白な夫だ」と思っていても、妻が「モラルハラスメントを受けた」と感じれば「モラハラ夫」といえるでしょう。
亭主関白な人になる理由や原因

亭主関白な人は、なぜ家庭で権力を持ち支配的な態度を取るのでしょうか? 夫が亭主関白になる理由や、その原因について解説します。
育った家庭環境の影響
育った環境に影響を受けて、夫が家庭で権力を握ることが当然であるという考え方が定着する可能性があります。例えば、父親が亭主関白で、母親が夫に従うことに疑問を感じていない場合です。
普段から亭主関白な夫とそれに従う妻を見続けて育つと、妻は夫に従うのが当たり前であると感じるかもしれません。この場合は、亭主関白な態度であっても、悪気がないパターンが多いでしょう。
夫本人の性格によっては、妻の気持ちを伝えることで接し方が変わることも考えられます。しかし、育った環境による影響は根強いため、妻の気持ちが理解できないという問題が生じることもあるでしょう。
仕事に打ち込んでいる
仕事に打ち込んでいる夫が、亭主関白になることもあります。仕事ができて、自分に自信がある男性は、「自分の経済力で女性を養っている」「結婚後は家庭に入って家事をしてほしい」という考え方になりがちです。
実際に家族を養える十分な経済力があり、仕事が多忙なために家庭内のことがおろそかになってしまいそうな男性は、家庭生活をサポートをしてくれる女性とパートナーになりたいと考えがちです。また、結婚後も仕事に打ち込んでいれば、家事や育児に関わる時間が全く取れないケースも考えられます。
結果として、「男性は外で仕事をして、女性は家庭に入るべきである」という亭主関白な考えが定着するケースもあるでしょう。
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亭主関白になりやすい人の性格的特徴

亭主関白な態度を取る人には、共通する性格的な特徴があります。当てはまっている場合は、亭主関白になりやすいといえるでしょう。よくある性格的な側面を紹介します。
男尊女卑でプライドが高い
旧来の日本社会の風潮や育った家の影響から、無意識のうちに男尊女卑の意識を持っている男性がいることは少なくありません。そして、その意識が生んだ「男性としてのプライド」が強い人は、自分の考えを押し付けることも多いでしょう。
「男性は女性をリードし、つき従わせるもの」という思い込みと、そんな男性としてのプライドが、相手の意見や気持ちを聞かない強い態度となって、結果、亭主関白になりやすいと言えるでしょう。
また、そのプライドゆえに、相手から否定されることも嫌います。妻から自分の意見や提案を否定されると、不機嫌になってしまうかもしれません。
自己中心的でわがまま
自己中心的なところがあり、わがままな性格の人は、亭主関白になりがちです。
亭主関白な人には、「家事や育児は妻がやること」「面倒を見てもらうのは当然」という考えがあります。自己中心的な人も妻に全てやってもらって当然だと考えているため、同じような行動になるのです。
性格が自己中心的なために亭主関白な言動が多い場合は、妻の意見を伝えても自分のメリットを優先する可能性もあります。本来、亭主関白な人には家庭を守ろうとする意識が強い側面もありますが、自己中心的な面が強い人は悪い部分が強調されて見えるかもしれません。
思い込みが激しく頑固
思い込みが激しい人に「女性は家庭に入って家事をしっかりやるべきである」「夫の言うことは絶対である」という固定観念がある場合、亭主関白になりやすいといえるでしょう。
さらに、性格が頑固だと、一度正しいと思ったことを変えるのが難しくなります。自分の思い込みや固定観念にとらわれ、妻が意見を言っても耳に入らず、世間の風潮が変わっても目に入らない可能性があるでしょう。
このように、さまざまな要因が考えられますが、本人の思い込みが良い方向に作用している分には、亭主関白であっても大きな問題は起こらないかもしれません。
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亭主関白な夫の良いところ

亭主関白という言葉は、悪い意味ではありません。妻との相性が良ければ、問題なく家庭を築いていけます。亭主関白な男性が持つ、良いところについても確認しましょう。
責任感が強く頼れる
亭主関白な男性は、男らしい行動をしようという意識があり、頼りがいがあるとも言えるでしょう。妻や子どもを養い家庭を守っていきたいと考えているため、家族に対する責任感を持っていることも特徴です。
家庭内のことは妻に任せる傾向がありますが、仕事や家庭の金銭的な問題については責任感が強く、安心感があります。頼れる夫でいてほしいと考える女性にとっては、亭主関白な男性は魅力的という側面もあるかもしれません。
経済的に安定しやすい
亭主関白な人は、男女の役割分担がはっきりしています。男性は女性を養うもので、女性は働かずに家庭に入るものと考えているため、仕事に打ち込む人が多いでしょう。
女性が働かずに家事や育児に専念しようと思うと、ある程度の経済力が必要です。亭主関白な男性は男らしさや男としてのプライドにもこだわる人が多いため、家族のために懸命に稼ごうという気持ちも強くなるかもしれません。
結果として経済的に安定しやすく、専業主婦になりたい女性にとっては魅力的に映る可能性はあります。ただし、家庭を維持するためにどのくらいの生活費が必要だと感じるかは多少の個人差があるため、余裕のある生活が送れるかは別問題です。
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亭主関白な夫とうまくつきあうポイント

亭主関白な夫とうまくつきあい、お互いにストレスをためないようにするには、どうすればよいのでしょうか? 妻側が心掛けたいポイントを紹介します。
夫の発言を肯定し褒める
亭主関白な夫は、自分の発言を否定せず受け入れてもらいたいと考えています。うまくつきあうには、夫の提案や発言を肯定し、褒めることも大切です。
性格や亭主関白な態度を取る理由を問わず、相手の意見をまずは肯定すると、衝突しにくくなることは避けられるでしょう。衝突を避けられれば、夫が妻を従わせようと強硬な態度に出るようなことは減るかもしれません。
明らかに間違っている意見を全て受け入れる必要はありませんが、問題のない提案であれば受け入れて感謝しておくほうが、機嫌が良くなり妻の意見を聞いてくれる可能性も高くなりそうです。
ストレスがたまらない範囲で受け流す
夫が明らかに間違った意見を押し通そうとしているときには、受け入れて褒めることは難しくなります。そのようなときは、ストレスがたまらない範囲で受け流すことも検討しましょう。
その場では肯定しておき、夫がいないときの行動までは変えないなど、臨機応変な対応も必要です。聞き流しているうちに、夫が諦めることもあり得ます。
基本的に夫が「男性は外で仕事をする」「女性は家で家事や育児をする」という考えを持っていることを受け入れ、夫の考えに基づく小言は気にしないほうがよいでしょう。
仕事と家事を分業していると割り切って、さらに「家族といえども主義信条までは変えられない」「相手が変わらないように、自分も変わらない」と考えて、どちらかが変わるのではなく、お互いが気にならないですむあり方・方策を考えてみるとよいかもしれません。
亭主関白な夫とのつきあい方を把握しよう
亭主関白な夫は、家庭の中で絶大な権力を持っています。基本的には夫の意見が優先され、妻は夫に従う形になりがちです。今の時代を考えると、亭主関白は非難されるべきことのように感じられますが、夫婦の性格的な相性が良ければうまくいく場合もあります。
仕事や対外的な場面では頼りになる一面もあるため、夫が亭主関白な場合はつきあい方・受け流し方を模索して、ストレスをためないように対応しましょう。
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構成・文/HugKum編集部




