各地域には、子育てをサポートするさまざまな施設があります。そんな中でも全国の市区町村で行われているのが「子育て援助活動支援事業」、「ファミリー・サポート・センター事業」(通称「ファミサポ」)と呼ばれるもので、民間のベビーシッターや家事代行よりも安く利用できます。この記事では、この子育て援助活動支援事業のサポートを受けるための方法や利用方法、子育て援助活動支援事業でできること、子育て援助活動支援事業でのトラブルや口コミ情報をまとめてご紹介します。
目次
市区町村から子育てのサポートを受けるには?
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)とは?
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)とは、子育ての手助けをして欲しい人と、子育ての手助けをしたい人が会員になり、その双方を結ぶ相互援助活動です。子育ての援助を行い人には、たとえば子育て経験があり時間に余裕のある主婦の方や、リタイアして空いた時間を有効に活用したいと考える高齢者の方などがいます。援助したい方に特別な資格は必要とされていませんが、活動に必要な講習を受けており、さらにファミリー・サポート・センターのアドバイザーが依頼会員と提供会員の仲介や紹介を行います。また、育児の援助を受けたい方が、時間があるときには自分も子どもを預かることができるという場合は、「両方会員」になることもできます。
ファミリー・サポート・センター事業の実施状況
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)は平成29年度の実績で、全国863の市区町村と、病児・緊急対応強化事業では151市区町村で実施されています。また平成29年度末の会員数は、援助を受けたい「依頼会員」が57万人、援助を行いたい「提供会員」が13万人で、依頼会員は28年度末より約2万人増えています。
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)でできること
では子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)を利用すると、たとえばどんなことをお願いできるでしょうか。具体的な活動事例をご紹介します。
子供の送迎
保育園や幼稚園など保育施設や学童、習い事への子どもの送り迎えを子育て援助活動支援事業でお願いできます。送迎だけでもサポートしてもらえたら、その時間を家事や仕事などにあてることができますよね。
子供の預かり
保育園や幼稚園が終わった後や学校の放課後、保護者が買い物に出かけているときなどに、子どもを預かってもらうことができます。また保護者に緊急の用事があった場合や保護者が病気になったときなど、子どもの預かりをお願いできます。さらに病気になった子どもや病後の子ども、早朝や夜間などの緊急時の預かりについても対応してもらえます。
ファミリー・サポート・センターでできないこと
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)でできることは、短時間で補助的なものに限られ、それ以外については基本的にはできません。子育て援助活動支援事業でできることとできないことの詳細については各自治体によって異なる場合もありますので、自分が住んでいる市区町村の自治体に問い合わせてみましょう。
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)の利用方法
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)を利用したいと思ったとき、どうやって利用したらいいのでしょうか?
利用までの流れ
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)を利用する際は、まずファミリー・サポート・センターのアドバイザーが依頼会員と提供会員それぞれと事前に打ち合わせを行います。双方の事情を考慮して、サポートを依頼したい依頼会員とサポートしたい提供会員をマッチングし、アドバイザーが双方の引き合わせや連絡を行います。
利用料金や補償保険制度
子育て援助活動支援事業を利用した場合、依頼会員は提供会員へ料金の支払いを行います。料金は活動の時間と内容、時間帯によって異なり、各市区町村によっても異なります。ただ民間のベビーシッターや家事代行を利用するより、安く利用することができます。
また、子どもを預かってもらっている間に万が一事故などにあってしまった場合に備えて、保障保険に加入しています。詳細は各市区町村のファミリー・サポート・センターに問い合わせてみましょう。
利用会員になるには
依頼会員も提供会員もそれぞれ、自分が住んでいる市区町村のファミリー・サポート・センターで会員登録を行います。提供会員は登録後、講習会を受講します。
初めての利用でトラブルに遭わないために心がけたいこと
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)を未経験の方にとっては、何かトラブルが起きないか不安や心配があるかもしれません。
提供会員と時間が合わないこともある
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)は、サポートをお願いしたい依頼会員と、援助したい提供会員双方の都合があって初めて成り立つもの。依頼会員がサポートをお願いしたいと思っても、「時間が合わない」というケースが起きてしまうこともあるようです。
知らない人に子どもを預ける抵抗も
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)を利用したいと思っても、家族の中には知らない人に子どもを預けることに不安を感じ、躊躇してしまうという声もあるようです。
提供会員と子どもの相性が合わないことも
せっかく子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)で子育てサポートをお願いしても、提供会員と子どもの相性が悪く子どもが泣いたりぐずってしまったり……というケースもあります。
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)の活動
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)に関する口コミ情報をご紹介します。
電話相談を行っている自治体も
自治体のSNSで、ファミリー・サポート・センター事業について案内しているところも。電話相談や面接相談なども実施されているので、気になることや聞きたいことがあったときは連絡してみましょう。
【子育て相談】電話相談・面接相談・専門相談を実施しています。 平日は10時~21時、土日祝は10時~17時です。 ちょっと聞きたいことや、こんなときどうしたらいいのかな?ということなど、ご相談ください。 面接、専門相談は要予約です。相談TEL:06-6354-4152
— クレオ大阪子育て館 (@kosodate_creo) June 25, 2019
フォローアップ研修会での勉強
兵庫県明石市ではファミリー・サポート・センター事業の会員へのフォローアップ研修会を開催。万が一の場合に備えて、乳幼児の救急救命に関する知識や技術を学ぶ場が設けられました。
2月22日(金)にフォローアップ研修を開催しました。
会員27名が参加し、明石市消防局の職員から、いざという時に備えて、乳幼児の救急・救命の正しい知識と技術を教わりました。
またこのような内容の研修を計画しますので、ぜひご参加ください。#明石市ファミリーサポートセンター#明石ファミサポ pic.twitter.com/x0r7jvJsMG— 明石市ファミリーサポートセンター (@akashi_famisapo) February 24, 2019
ファミリーサポートしてます
ファミリー・サポート・センター事業の援助会員をしている方の声。「私達も可愛いお子様と、ほんの一時ですが、癒され楽しい時間を過ごさせて頂いてます」という感想があります。
地域コミュニティの力を借りて子育てをしていきましょう
子育ては決して簡単なものではなく、まわりの手助けを借りながら行っていくことが大切です。子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)を知らない方もまだ多いかもしれませんが、気になる方は一度利用してみることを考えてみてはいかがでしょうか。
文・構成/HugKum編集部