二十四節気とは、太陽の公転周期を分割して一年を二十四の季節に分けたもの。春分、夏至、秋分、冬至など、季節を表す言葉として、暮らしの中のさまざまな場面に登場します。そんな二十四節気は、忙しい毎日の中で忘れてしまいそうになる豊かな季節の恩恵を思い出させてくれるとてもいい機会。ぜひ、子供と一緒に季節の巡りを感じるひとときをもってみてください。ささやかだけれどゆるぎない幸せの経験は、子供たちの“いのちの根本”を長きに渡り支えてくれることでしょう。
今日7月23日は二十四節気「大暑」です
大暑(たいしょ)
梅雨も明け、一年で最も暑さが厳しくなる頃です。じりじりとしたお日様の日差しは強くて、肌を焼きます。あるいは、もくもくとした入道雲が青空に浮かんで、時々激しい雷を鳴らして人を怖がらせます。セミの声があちらこちらで響きわたり、夜は寝苦しい熱帯夜になる日もあります。夏がやって来ました。子供たちにとっては、待ちに待った夏休みが始まります。海や川の水辺での遊びは楽しく、冷たいものがおいしいですが、夏バテをしないよう気をつけてお過ごしください。
江戸時代の栄養ドリンク!? 冷たい「夏の甘酒」で夏バテ防止
梅雨が明けて猛暑が続く時期におすすめの飲み物は、甘酒です。
「冬の寒い時期の飲み物」というイメージが強く、意外に思う方も多いかもしれませんが、甘酒はれっきとした夏の季語。江戸時代には、夏バテ防止、癖労回復などのために飲まれた人気の栄養ドリンクだったとか。
米のかゆに糀(こうじ)を混ぜ、ひと晩ほど発酵させれば甘酒になります。今注目の発酵食品のひとつです。「一夜酒」と呼ばれることもあります。市販品もありますが、家庭でもかんたんに作れます。
温かい甘酒も体が温まっていいですが、暑い夏は、冷やしたものをいただいて乗りきりたいと思います。
広田千悦子さんの『口福だより』には、季節を楽しむヒントが満載!
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388359
広田千悦子(ひろたちえこ)
日本の文化・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)など25冊。
撮影/広田行正 イラスト/広田千悦子 構成/神﨑典子