付き添い登校はあり? なし?
結論から言いますと、付き添い登校は「最終手段」だと考えています。
私は3人の子の不登校の経験から、付き添いをすることが親子の負担を大きくしてしまうと考えます。私自身は、短時間の登校だけ付き添ったことはありますが、親子にとってあまりよくないと感じ、あえて一日中、付き添うことは控えました。このまま付き添わなければならない状態が長く続くと、復学は無理ではないかと感じたからです。

付き添い登校の一番の問題は「どこまで付き添うか」の線引きがむずかしいことと、長期化しがちな点だと思います。
親御さんが付いていることで段階的にステップを踏んでいればよいですが、かえって子どもは自立しにくいのではと感じるところがあります。
また、学校側や担任の先生は、親御さんがいるならと親御さんに任せることが増えるので、それだとこちらも判断に迷うことも出てきます。さらに、付き添い登校の間は家事もおろそかになって生活が回らないパターンも多く耳にしています。
私が実際にいただく不登校の親御さんからのご相談の中で、付き添い登校をして、状況が良くなっている方はほとんどいないのが現実です。うまくいっているように見えても、付き添い登校を始めた翌年、翌々年になって、とうとう学校に行けなくなったというご相談を受けることもあります。
付き添い登校をすると、子どもは「お母さんがついていってでも、学校に行かなきゃいけないんだ」と思い込んでしまうことも多く、すると「休みたいときに休む」という選択ができなくなってきますし、子どもの中で「ギブアップ」状態になってしまっても、言い出せなくなってしまうんです。

このように「泥沼化」してしまっているパターンが多いので、おすすめはしていません。
付き添い登校を成功させるポイント5つ
現在付き添い登校をされている、またはこれから必要になった場合は、次の3つのポイントを押さえることをおすすめします。
1.期間と目的を決めておく
付き添い登校は、ただなんとなく開始するのではなく、期限やゴールを決めて進めるのがポイントだと考えます。
レアなケースではありますが、私が実際にサポートした方で、学校側と上手く連携をして半年~1年かけて付き添い登校からの復学に成功した例があります。
ご両親ができる範囲を学校側に伝えたり、まず一学期だけ付き添ってみるなど、学校側との合意の上で期間を決めて取り組んだので、このような形となりました。ポイントは「親が主体的に意見を伝える」ことにあります。
2.子どもの不安を言語化する
学校生活のうち、「これはいいけど、これは嫌だ」というお子さんの考えや不安を言語化できるように、日頃からコミュニケーションを取ることが大切です。
そもそも子ども自身が自分の嫌なことや困ったことを言葉にできるのであれば、不登校にはなりにくいんです。一方、言語化が苦手な子どもは、不登校になりやすい印象があります。
もしお子さんが自分の気持ちを言語化できるようになれば、「それはやらなくていいよ」などと伝えられますし、お子さんが本当に困っているところはどこなのかもわかるようになってきます。親御さんはお子さんが素直に言葉にできるように関わり、お子さんが心も体も元気になれる方向を見つけていきましょう。

3.“慣らし登校”の考え方を持つ
学校への付き添い登校も、保育園の“慣らし保育”のように実施してみるのも良いのではと思っています。慣らし保育とは、保育園の生活に慣れるために、一日1時間ずつなど、保育園への滞在時間を徐々に延ばしていき、保育園での生活に慣れさせていく方法です。
付き添い登校でも同様に、子どもを観察して「この授業は楽しそう」と見受けられるものがあれば、「お母さんは帰るね」と徐々に離れていくのもよいのではないでしょうか。
4.学校側との密なコミュニケーションを意識する
付き添い登校が長引いているケースでは、担任の先生とうまくコミュニケーションを図れていないパターンが多く見られます。大切なのは、学校と密にコミュニケーションを取ること。子どもの様子をヒアリングしたり、今後の方針をすり合わせたりして、情報共有と連携を心がけることが重要です。
5.親自身のメンタルケアも意識する
これまで学校側やお子さんのことばかりお話してきましたが、親御さんの自身のメンタルケアもとても大切です。スクールカウンセラーさんの存在もありますが、補いきれるのかという懸念もあります。
学校側に、ご両親が抱える不安や不都合を率直に伝え、共有できるのが理想です。もし担任の先生に言いづらいのであれば、第三者のスクールカウンセラーや民間の不登校カウンセラーなどに相談することをおすすめします。お父さん、お母さんのメンタルが整うことで、子どもの不登校の問題も解決に向かいやすくなりますよ。
付き添い登校をすれば、必ずしも不登校を克服できるとは限りません。正しい認識を持った上で、お子さんが心身共に元気を取り戻すための一手段として、取り組んでみてはいかがでしょうか。
