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「できるのに困っている」子どもがいるという視点
ギフテッドに関して、明確な定義は決まっておらず、知的な理解力が高かったり、特定分野で高い能力を持つ子どもを指す表現として使われています。
一方で2E(トゥワイス・エクセプショナル※)は、その能力に加えて、発達特性や学びにくさも併せ持つ状態を指します。
こうした子どもたちは、「できる子」に見える一方で、実は困りごとを抱えていることも少なくありません。
※「トゥワイス・エクセプショナル」は直訳すると「二重に特別な」という意味で、得意と苦手の両方を持つ状態を表します。
「なんとなく合わない」と感じる理由
私自身、子どもの頃に周囲との違和感を抱いていました。「友達と同じ話題で盛り上がれない」「興味の向き方が少し違う」…そんな小さなズレを日常的に感じていたのです。
たとえば、同世代の子どもたちがアイドルやテレビの話で盛り上がる中で、「かっこいい」「かわいい」といった感想ではなく、「なぜ流行したのか」「どう広がったのか」といった背景に関心が向くことがありました。
ただ、その視点は周囲に伝わりにくく「話しても理解してもらえない」とも子ども心にわかっていました。そのため、自分の興味や考えを言葉にすることを控え、周りに合わせようとする中で、少しずつ学校への行きづらさを感じるように…。

本当は考えていることや感じていることがあるのに、それをそのまま出せない。そうした状態が続くことで、心の中に負担が積み重なっていきます。
このように、一つひとつは小さく見える「なんとなくのズレ」でも、積み重なることで子どもにとって大きなストレスになることがあります。
ギフテッド・2E特性で見られる「困りごと」
ギフテッド・2E特性のある子どもは、「理解が早い」「能力が高い」といったイメージで捉えられることがあります。しかし実際には、その特性ゆえに、学習や日常の中で困りごとを感じているケースも少なくありません。
ここでは、特に多く見られる2つのポイントについてご紹介します。
学習が合わない
知的能力にレベルの差があるため、理解が早い子どもにとって、繰り返しの学習は「退屈」に感じられることがあります。授業のペースが合わず、「待たされている」と感じることも。その結果、集中できなくなったり、別のことに意識が向いてしまったりすることがあります。
一方で、興味のあることには深く没頭できるため、取り組みの差が大きくなりやすい傾向もあります。
わかっているのに書けない
頭の中ではしっかり理解できているのに、それを言葉や文章として表現することが難しい子どももいます。インプットの力が高く、頭の中にある情報量が豊富である一方で、アウトプットの部分に差がある(アウトプット部分は年齢相応の能力など)ため、うまく表現につなげられないケースです。
特に「書く」ことに負担を感じる場合、「わかっているのにアウトプットできない」という状態になりやすく、それがストレスにつながることもあります。

本当は伝えたいことがあるのにうまく言葉にできない…そんなもどかしさを抱えているケースも少なくありません。
大切なのは「どう関わるか」を考えること
こうした困りごとに対して大切なのは、表面的な対応だけで判断しないことです。「苦手だからやめる」でもなく、「頑張らせる」だけでもない。その子の状態に合わせて、関わり方を考えていく必要があります。
まず大切なのは、「この子は今どんな状態なんだろう?」と考えること。特性の名前に当てはめるのではなく、目の前の子どもを見ることが大切です。

また、家庭だけで抱え込まず、学校や専門家の力を借りることも一つの方法です。
大事なのは、周りに合わせることではなく、その子に合う方法を見つけることです。学び方やペースは一人ひとり違います。その子に合った環境の中でこそ、本来の力が発揮されていきます。
それぞれのお子さんに合った「大切な関わり方」
ギフテッド・2Eという言葉は、特別な子どもを分けるためのものではありません。その子に合った関わり方を見つけるためのヒントです。そしてそれは、すべての子どもに共通して言えることでもあります。
「この子にはどんな関わり方が合うだろう?」
そう考えながら関わることが、子どもの力を伸ばす第一歩になります。
時には専門家の力も借りながら、その子に合った方法を一緒に探していくこと。その積み重ねが、子どもの可能性を広げていきます。
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お話をうかがったのは
1995年生まれ。カリフォルニア大学サンディエゴ校 ギフテッド教育者コース(Extension)修了。IQ142(WAIS-Ⅳ)、JAPAN MENSA会員。幼少期から周囲との違いを強く感じ、中学時代には不登校を経験。2021年、社会人3年目のとき知人の勧めで知能検査を受け、自身がギフテッド特性を持つことを知る。2022年8月に、ギフテッド教育専門家として独立。自身の経験を基に、ギフテッド・2Eとその保護者に向けた各種SNSでの情報発信や、教育支援活動を行っている。2024年9月には、ギフテッド特性ある子のためのフリースクール・個別指導塾Lagoonを東京都千代田区にオープン。2024年12月より、毎日新聞オンラインメディア「ハナソネ」にてコラム連載中。
SNSの総フォロワー数は2万人(2026年5月現在)。過去3年間で「子どもの育て方に不安がある」「周囲から特性を理解してもらえない」というお悩みを抱えた保護者500名以上の教育相談や、当事者200名以上の個別支援・サポートに携わる。個々の特性や困り感に寄り添った支援に定評がある。「生きづらさ・育てづらさは努力不足ではない」という信念を持ち、当事者の視点からギフテッド特性を持つ方が前向きに生きられる環境づくりを目指して、日々邁進している。
取材・文/RISU
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