ゴーヤの保存|乾燥させれば保存食にも◎美味しく保存するコツや下処理方法をおさらい!

夏の定番野菜といえば、ゴーヤ。独特の苦みが、暑い夏食欲を刺激してくれます。ゴーヤは沖縄の呼称で、和名はニガウリ、ツルレイシなどといいます。沖縄や南九州のほうでは古くから食べられていましたが、1990年代から広く全国的普及、夏野菜として定着しました。今回は、ゴーヤの鮮度を少しでもキープすることができる保存方法をご紹介します。

夏の定番!ゴーヤを美味しく保存するには?

おいしいゴーヤを選ぶポイントは、濃い緑色をしていて、ハリのあるものを。欠けたりつぶれたりしていると、鮮度が落ちている可能性が。イボがしっかりしているものを選ぶとよいでしょう。また、ゴーヤの栄養や旬などの基本情報もおさらいします。

ゴーヤの旬

今では通年で出回っていますが、ゴーヤの旬は夏。出荷のピークは7月から11月です。グリーンカーテンとして、庭やベランダで育てている方も多いかもしれませんね。

ゴーヤの栄養成分

ゴーヤに代表される栄養は、ビタミンC。100gあたり、76mg とキュウリやトマトなどほかの夏野菜に比べ、5倍以上。ビタミンCは、風邪の予防や疲労回復、また夏の疲れたお肌の再生にも役立ちます。
そのほか、鉄分や食物繊維、カリウムなども豊富に含まれていて、夏場には積極的に摂りたい野菜です。

ゴーヤの苦味成分は?

あの独特な苦み成分は「モモルデシン」。食欲の増進や、弱った胃腸の修復にも役立つといわれています。

ゴーヤ保存の基本知識と下処理方法

すぐに食べるのであれば、常温でも保存できます。冷蔵庫で保存する場合は、わたと種を取って保存すると少し長持ちします。冷凍する場合は、そのまま冷凍する場合と、茹でてから冷凍する場合の2つ方法があります。

では、保存の基本とポイント、苦味の下処理の仕方について説明します。

ゴーヤ保存の基本とポイント

ゴーヤは、鮮度が落ちやすい野菜です。保存の時に気を付けるポイントは水分と乾燥が大敵であることを意識しましょう。

ちなみに、捨ててしまうことも多いゴーヤのわたや種も、新鮮なうちなら食べることができます。わたや種がついたまま、実と一緒に天ぷらにするのがおすすめ。沖縄ではわたや種はおみそ汁の具にして食べられているそうですよ。

ゴーヤの苦味の取り方

独特なゴーヤの苦みは水溶性なので、水に溶けやすい特徴があります。それを利用して下処理することで、苦味を減らすことができます。2つの下処理方法をご紹介します。

下処理1

1 スライスしたゴーヤを塩もみをします。

2 水ですすぐと苦味が減ります。

下処理2

上記1の塩もみした後、軽く茹でても苦みが減ります。この時、シャキシャキとした食感を残すためにも、茹でるときは短時間、さっと茹でましょう。

10秒くらい熱湯にくぐらせるとよいでしょう

ゴーヤの常温保存方法

常温の場合、丸のまま1本ずつラップや新聞紙に包んで涼しいところにおきましょう。

常温ゴーヤの保存期間

どんどん熟していくので、1,2日で食べ切ってください。

ゴーヤの冷蔵保存方法

ゴーヤは、中のわたや種の部分から傷んでいきますので、取り除いてから冷蔵保存しましょう。

冷蔵保存前の下処理

1 スプーンなどで、丁寧にわたと種を取り除きます。

2 ラップにぴっちりとくるみ冷蔵保存しましょう。

冷蔵保存する場合

水分にも弱いので、できるだけ洗わず、汚れが気になる場合はキッチンペーパーなどで拭き取ってからラップします。そして冷蔵庫の野菜室へ。

冷蔵ゴーヤの保存期間

わたと種を取り除けば、冷蔵庫で1週間ほど日持ちします。

ゴーヤの冷凍保存方法

そのまま冷凍する場合と、茹でてから冷凍する場合の2つ方法、さらに解凍方法をご紹介します。

そのまま冷凍する場合

ゴーヤは、丸ごとではなく、中の種とわたを取り除きあらかじめ使いやすい大きさに切ります。

切ったゴーヤは水洗いをし、そのあとしっかり水分を拭き取り密封できる保存袋などに重ならないように平らに並べて入れ、空気をできるだけ抜いて封をします。その後冷凍庫へ。

茹でてから冷凍する場合

「おひたし」などでゴーヤをいただく場合は、あらかじめ茹でてから冷凍するのもよいでしょう。

少し薄めにスライスし、沸騰したお湯に、10秒ほどくぐらせます。茹でたら、ザルに揚げてすぐに冷水にさらして熱を取ります。そのあとは、同じように、水分をよく拭き取ってから保存袋へ。平らにして冷凍します。

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緑色が目にも鮮やかなゴーヤ。独特な苦みが特徴で、夏の定番野菜のひとつですね。もともとは沖縄の野菜でしたが、今や全国区。初夏から各地の...

乾燥させて、保存食にも

お天気がいい夏にゴーヤを乾燥させて保存するのもよいでしょう。

わたと種を取り除いて、薄くスライスしたら、ザルなどに重ならないように並べます。


ゴーヤが重なっていたりして、しっかり乾燥できないと、保存しているときに傷む原因にもなります。2~3日かけて、お日様に当ててじっくり、カラカラに乾燥させてください。

保存する際は、湿気を帯びないように密封できる袋やビンなどに入れましょう。お菓子などを保存するときに使う、乾燥剤などを一緒に入れておくのも良いでしょう。

電子レンジで乾燥させてもOK

キッチンペーパーを敷いたお皿に、スライスしたゴーヤを重ならないように並べ、電子レンジで加熱します。(ゴーヤの量で加熱時間は調整してください)

ゴーヤの水分が抜けて、カラカラになったら瓶などに入れて保存可能です。

使うときは、水で戻してから調理します。戻ったら、しっかり水をしぼってからお料理につかいます。

また、そのままお湯を注いで「ゴーヤ茶」として味わうのもおすすめ!苦みがくせになるかもしれませんよ。

 

文/斉藤和美(フードコーディネーター)

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ゴーヤを使ったおすすめレシピ

【1】パプリカとゴーヤの肉詰め

お肉も野菜もジュ~シ~!肉のうま味が野菜に染みて、パプリカ、ゴーヤも食べやすく。

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
パプリカ 1と1/2個
ゴーヤ 1本(ピーマン、ナス、玉ねぎ、トマトでも可)
食パン 耳なし1枚
豆乳または牛乳 20ml(食パンがひたるくらい)
小麦粉 適量

【A】
合いびき肉 300g
玉ねぎ(みじん切り) 小1/2個
おろしにんにく 1片分
卵 1個
塩 小さじ1
こしょう 小さじ1/2
あればナツメグ・クローブ 各少々

サラダ油またはオリーブオイル 小さじ2

◆作り方

【1】食パンは手で細かくちぎって、豆乳に浸しておく。
【2】【1】と【A】をボウルに入れ、粘りが出るまで練るように混ぜる。
【3】パプリカは輪切り、または縦半分に切り、種を取り除いておく。ゴーヤは両端を切り落として幅2cmの輪切りに。スプーンなどで種をくり抜き、水に放ってアクを抜く。
【4】パプリカとゴーヤの内側に小麦粉を薄くふり、【2】を詰める。
【5】両面に焼き色がついて、中に火が通るまで焼く。
フライパン:オイルを熱して【4】を並べ、フタをして弱中火で5分焼き、上下を返してフタをしてさらに5分。
オーブン:予熱後、200度で20~30分。
オーブントースター:900Wの場合、ホイルにのせ予熱後、8~13分。
※時間は目安。材料の大きさや調理器具によって、様子を見ながら加減してください。

教えてくれたのは


小山有希さん

料理研究家。元日本料理屋の両親、蕎麦屋の祖父母、元和菓子屋経営の義祖父母を持つ、食業界のサラブレッド。おいしく食べて健康に近づける「医食同源」をモットーとしたレシピに定評がある。1男1女の母。

『めばえ』2016年7月号

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