6~7歳は、乳歯から永久歯へと生えかわり始める大切な時期です。子どもの歯のケアについて、保護者も正しい知識を身に着けておきたいものです。
公益財団法人ライオン歯科衛生研究所の阿部有美子さんに、子どもの歯のケアについてアドバイスをいただきました。阿部さんは日本歯周病学会認定の歯科衛生士で、歯と口の健康の大切さやケアに関する情報を発信しています。
小学校低学年の「生えかわり」時期の歯の特徴を知って、正しいケアを心がけましょう。
■生えかわり期は、むし歯になりやすい!
6歳ごろを目安に、下の前歯から順番に歯が抜けて、代わりに永久歯が生えてきます。永久歯は12歳ごろまでにほぼ生えかわっていきます。
生えたばかりの永久歯は、歯の表面がでこぼこしていて汚れがつきやすいうえ、酸にも弱いため、歯垢などが付着しているとむし歯になりやすくなってしまいます。しかも、成熟し安定した歯になるまでに約5年かかるので、その間は特に念入りなむし歯のケアが必要です。
■むし歯予防3つのポイント
歯はきちんとケアをしていれば、一生使えます。むし歯になる前にしっかりケアをして、子どもの歯を守りましょう。むし歯を予防するポイントは以下の3つです。
1.食べた後の歯みがき習慣
2.親が行う仕上げみがき
3.定期的にフッ素塗布をする。
子ども任せだとまだ難しい時期ですので、積極的におうちの方が関わるようにしたいですね。お子さんとのコミュニケーションの機会にもなりますよ。
■1年生は「第一大臼歯」を要チェック!
乳歯の奥歯のさらに奥に生える第一大臼歯は「6歳臼歯(きゅうし)」とも呼ばれ、6歳ごろに生えてくる永久歯です。歯並びやかみ合わせの基本となる大切な歯ですが、乳歯のない奥の歯ぐきに少しずつ生えてくるため、生えてきたことに気づかない場合も多いようです。
生えたばかりの第一大臼歯は、エナメル質が未熟で酸に弱いだけでなく、かみ合わせの溝が深く、とくにむし歯になりやすい歯です。おうちの方が必ずチェックして、仕上げみがきも念入りに行いましょう。
第一大臼歯の生えはじめは、手前の乳歯より低いので汚れがたまりやすい。
小学1年生は、とくに念入りな歯のケアが必要な時期ですね。まずは親がしっかりと知識を得ていくことが肝心です。次の記事では、「正しい歯のみがき方」をご紹介します。
写真提供/ライオン株式会社 イラスト/畠山きょうこ