網戸汚れについて知ろう
網戸は、家のそのほかの場所に比べると、汚れが目立ちにくい場所かもしれません。ところが、網戸にはさまざまな汚れが付着しているのです。
汚れを放置したことで、思いもよらぬ健康被害を受けることもあります。まずは、網戸に付着する汚れの種類と、考えられるデメリットについて知っておきましょう。
汚れの原因は内側と外側で異なる
網戸の汚れは、家の内外からやってきたあらゆるものが原因となります。
まず、網戸内側の主な汚れは「ホコリ」です。キッチン近くであれば「油」が、タバコを吸う人がいれば「ヤニ」も付着します。
一方、外側の汚れは「土ぼこり」「排気ガス」「小さな虫」などが原因です。季節によっては「花粉」「黄砂」「PM2.5」が大量に付着することもあります。
網戸汚れが引き起こすデメリット
網戸の汚れは「家の中の空気」と「家具」を汚す原因です。家の外側にある網戸は、たびたび雨や結露にさらされます。そして、汚れと湿気という条件がそろった結果、カビや雑菌が繁殖してしまうのです。
カビや雑菌はとても軽いため、風に乗って辺り一面に散らばっていきます。そのため、新鮮な空気を取り込むために窓を開けたはずが、かえって家の中の空気を汚してしまうことになりかねません。
空気中に舞ったカビの胞子やホコリを吸いこんでしまうと、気管支ぜんそくや鼻炎といった症状を引き起こすことも考えられます。
また、網戸に触れたカーテンに汚れが移り、カビが生えてしまうケースもあります。ガラスの劣化を早め、光沢が失われる原因にもなるでしょう。
このようなことになる前に、きちんと掃除をしておくことが大切です。
網戸掃除の頻度とタイミング
網戸の汚れを放置した場合のデメリットは分かったものの、「しょっちゅう掃除するのはハードルが高い」と感じる人も少なくないですよね。しかし、網戸の汚れは家の中ほど小まめに気にかける必要はありません。
網戸掃除の理想的な「頻度」と「タイミング」について解説します。
半年に1回のペースが理想的
網戸は「半年に1回」のペースで掃除するのが理想的です。半年程度であれば汚れのこびり付きも少なく、比較的簡単に汚れを落とせます。
年末の大掃除できれいにするお宅もありますが、1年間汚れを放置していると、網目に汚れが入り込んでしまい落とすのに一苦労です。労力を考えると、半年に1回の掃除がおすすめといえます。
また、場所によって掃除の頻度を変えるというのも一つの方法です。例えば、汚れやすいキッチンや駐車場に面した網戸は週に1回拭き上げておけば、半年ごとの掃除をさらに簡単にできます。
5月・9月から10月の曇りの日がおすすめ
網戸を掃除するのは「5・9・10月」がおすすめです。
網戸を汚す原因の一つである花粉は、2月ごろから飛散し始めます。しかし、まだ寒い日が多いため、窓を開けて過ごす時は少ないです。
花粉が落ち着きはじめ、春の陽気に誘われて窓を開けるのが5月ごろです。網戸に付着した花粉を家の中に入れてしまわないよう、ここで1度掃除しておくとよいでしょう。
また、網戸は濡れているときの方が汚れが落ちやすいため、台風シーズンである9~10月も網戸掃除に適した時期といえます。同じ理由から、網戸が乾きにくい「曇りの日」を選ぶこともポイントです。
簡単にできる!網戸の掃除方法4選
具体的な網戸の掃除方法を紹介します。身の回りにある道具で簡単に掃除できるので、タイミングを見て実践してみましょう。
フロアワイパーを使った掃除方法
フローリング掃除でおなじみの「フロアワイパー」を使った掃除方法です。持ち手の長さを調節できるタイプであれば、1番短くしておくとよいでしょう。その方が安定して力を加えられます。
フロアワイパーにドライシートを取り付けたら、網戸の内側と外側を拭き上げます。次にドライシートを外してウェットシートを取り付けましょう。同じく網戸の内側と外側を拭き上げます。こうすることで、タイプの違う汚れを拭き取れるのです。
サッシ部分は凹凸があるため、フロアワイパーから取り外したシートを使って手で拭き取ります。仕上げに掃除機で周辺のホコリなどを吸い取れば掃除完了です。
新聞紙と掃除機を使った掃除方法
「新聞紙」と「掃除機」の合わせ技でホコリを吸い取る方法もあります。まずはテープを使って、新聞紙を網戸の外側に貼り付けた後、内側から掃除機をかけましょう。
網戸には穴が開いているため、ただ掃除機をかけるだけでは掃除の効果をあまり期待できません。新聞紙を貼って穴をふさぐことで吸引力が上がり、効果的にホコリを吸い取ることができるのです。
サッシの掃除には床掃除に使ったフロアワイパーのシートを利用するとよいでしょう。また、ホコリを吸った後に拭き上げ掃除を行うとさらにきれいに仕上がります。
靴下とストッキングを使った掃除方法
「ストッキング」は、静電気で細かい汚れを絡め取る優秀な掃除道具に早変わりします。不要になったストッキングと靴下があったら、捨てる前に網戸掃除に有効活用しましょう。
まずは、使わなくなったストッキングを太もも部分でカットします。足先部分に使わなくなった靴下を丸めて詰め込み、余った部分をクルクルと巻き付けていけば、掃除道具の完成です。
掃除するときは、上から下へ順番にこすります。内側が終わったら外側も同じようにこすりましょう。汚れがポロポロと落ちるので、外側を掃除するときは、内側に新聞紙を貼り付けておくとよいでしょう。
メラミンスポンジを使った掃除方法
汚れ落としに便利な「メラミンスポンジ」は、網戸掃除でも活躍します。用意するのは握りやすいサイズのメラミンスポンジとバケツに入れた水のみです。
水に浸けてから固く絞ったメラミンスポンジを網戸に当ててこすっていきましょう。力を入れる必要はありません。軽くこすっただけでもスポンジが真っ黒になるほど汚れが取れます。
なるべくスポンジのきれいな面を利用し、全体が汚れたら小まめにもみ洗いしましょう。絞り具合によっては水が垂れてくることもあるため、乾拭き用の雑巾を用意しておくと便利かもしれません。
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頑固な汚れを落とすコツと注意点
汚れを長い間放置してしまった場合や、汚れの付きやすい場所の網戸を掃除する場合、掃除機や水拭きだけでは汚れを落としきれないことがあります。
そんなときに使えるアイテムや、掃除のコツについてチェックしましょう。
重曹をプラスする
アルカリ性の「重曹水」は、酸性である油や皮脂による汚れを落としやすくします。そのため、油を含んだこびり付き汚れを掃除するのにもってこいのアイテムなのです。
まずは「重曹水」を作りましょう。分量は水100mlに対して重曹小さじ1杯が目安となります。重曹水をバケツに入れてスポンジに含ませてもよいですが、スプレーボトルを使用すると便利です。
網戸全体に重曹水を吹き付け、そのまま10分程度放置しておきます。汚れがジワジワと浮き出てきたころにスポンジで軽くこするか、雑巾などで拭き掃除しましょう。内側・外側の両方から同じように掃除すれば完了です。
重曹水を外側からスプレーするときは、内側に新聞紙を貼っておくと床が濡れずに済みます。
便利グッズや専用洗剤を活用する
これまで家にあるものを利用する掃除方法を紹介してきましたが、網戸掃除専用の便利グッズや専用洗剤もたくさん販売されています。
「ワイパー」「ブラシ」「スポンジ」「ミトン」「クロス」などさまざまなタイプがあり、細かい網目掃除に特化しているため、より効率的に汚れを取り除けるでしょう。
洗剤も専用のものがあります。網戸用洗剤は泡で出てくるタイプも多く、洗剤の飛び散りをそれほど気にせずに済むのがメリットです。
また、防虫効果などがプラスされている洗剤もあるので、自分の求めるタイプに合わせて使い分けましょう。
ゴシゴシこすって落とすのはNG
網戸掃除のコツは「力を入れ過ぎないこと」です。ご存じのとおり網が貼ってあるだけなので、網戸にはそれほど強度がありません。力を入れ過ぎると網がたるんだり破れたりすることもあります。
力を入れずにきれいにするには、前もって汚れを浮かせておくことが大切です。汚れと洗剤が十分になじんでからであれば、軽くこするだけでもしっかり掃除できます。
また、汚れがひどい場合は、想像以上の汚れが床に落ちることがあるでしょう。特に、水分を使うときは、内側に新聞紙を貼るなどの対策を取っておくと安心です。
汚れを付きにくくする方法は?
掃除を楽にするには汚れないように使うことが1番ですが、網戸を汚さないように使うのは難しいですよね。しかし、「汚れにくく」しておくことは可能です。網戸の汚れ防止に役立つ方法について紹介します。
結露防止スプレーを吹きかける
窓の結露を防ぐ「結露防止スプレー」には、網戸を汚れにくくする効果もあります。網戸の汚れの原因の一つに結露がありますが、この結露は花粉やホコリが付いているほど発生しやすいのです。
結露防止スプレーの中には、花粉やホコリの付着を防ぐ成分が含まれているものがあります。網戸に吹きかけることで、外からの汚れが付きにくくなるでしょう。
掃除の後の仕上げとして、窓と一緒に網戸にも結露防止スプレーを吹きかける習慣を付けておくとよいですね。
雑巾などで裏側を押さえながらスプレーし、拭き伸ばしておくとムラなく全面に成分が行き渡ります。なお、ワックス入りのものは網目を詰まらせることがあるため使用は避けましょう。
柔軟剤を染み込ませた雑巾で拭く
もう一つ、網戸の汚れ防止に使えるのが「柔軟剤」です。柔軟剤には、静電気を抑えることで衣服に汚れが付くのを防ぐ働きがあります。この働きを網戸の汚れ防止にも利用しましょう。
適量の柔軟剤を入れた水に雑巾を浸して固く絞り、網戸全体を拭くだけでOKです。静電気の発生を抑えることで細かいホコリの付着を防いでくれます。
網戸を掃除して、きれいな空気を取り込もう
網戸掃除というと大がかりになるイメージもありますが、実は家にあるものを使って簡単に掃除ができます。1度頑固な汚れを落としてしまえば、その後は簡単な掃除だけできれいな状態をキープしやすくなるでしょう。
掃除に適しているのは、それなりの気温と湿度がある5・9・10月です。だいたい半年に1回を目安に、やりやすい方法を選んで定期的に掃除することをおすすめします。
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文・構成/HugKum編集部