【陰山英男先生が教える休校中の家庭学習】新1年生も安心!短時間で集中力を育む「予習型」の学びとは?

新学期が始まったのに学校は休校を余儀なくされ、家で子どもに勉強をさせるのもままならない。休校措置が長引く中、親の最大の気がかりは「子供の学習の遅れとそれに伴う学力低下」でしょう。「読み書き計算」の徹底した反復学習と生活習慣の改善の取り組みで、子どもたちの学力を飛躍的に伸ばしてきた陰山英男先生に、今、家庭で何をすべきか、を教えていただきました。

今こそ「自学自習」できる子に育てるチャンス!

休校措置が始まって2か月が経ちました。緊急事態宣言が出されてからのこの1か月の様子を考えると、夏休み明けまでは休校が続くのではないか、というのが私の予想です。

急な休校措置で学校から配布された課題はプリント数枚きり、新しい教科書はもらったけど、何をどうすれば…と、すでに、みなさん、お子さんの学習の遅れを相当懸念されてますよね。そこに、「特例として、一定の要件のもとで行われた家庭学習の内容を改めて学校で教える必要はなし」という驚くべき通知(4月10日)を文部科学大臣が出し、親は一層の不安を掻き立てられました。

教科書に沿った家庭学習は必要ありません

通常の時間数を確保することができないことを受けてということですが、これはもう、学校を当てにしてはいられないということ。では、どうしたらよいか?まず、家庭では教科書に沿った学習はしないでください。そもそも教科書は授業を前提として作られているものです。すでに授業時間は大幅に足りない現実があるのですから、学校での勉強を前提とした家庭学習は意味がありません。

予習型学習で「自学自習」できる子を育てる

今、家庭に求められているのは「自学自習」ができる子供たちにしていくということ。

今までの小学校の学習は、授業で習ったことを家でさらう「受け身の復習型」です。それを自ら進んで学習する「自学自習の予習型」にスイッチしていくことが必要なのです。みなさん、今回の休校の時期は、家庭でそういう子供を育てられるいい機会だとポジティブに考えましょう!

 

勉強は集中力をつけるトレーニング。短時間&繰り返し学習を続けることで大きな成果が

そもそも、子どもたちの「できない」「わからない」の原因の多くは「習ったことを忘れてしまう」ことにあります。努力と根性で勉強させたってうまくいくはずはありません。

私は勉強とは集中するトレーニングだと考えています。短時間でクリアできる課題を積み上げていくことが重要。長い時間をかけて沢山の量をやらせることはマイナスでしかありません。集中して繰り返しやることで、少ない努力で最大の成果を達成させることができ、その結果、勉強が好きになり「自学自習」につながっていくのです。

学校で覚えなくてはならないことは、そう多くない

みなさんは、お子さんの教科書の分厚さを見て「学校で習うこと、覚えなくてはいけないことは膨大にある」と思われていませんか?実際にはそんなに多くはないのです。

これまで私が生み出してきた教材をベースに、1年生から6年生までの各学年で1年間に習う重要なポイントを精選した教材「たったこれだけプリント」を開発しました。

1年間の重要ポイントを絞った「たったこれだけプリント」。休校中に先取り学習を!

『たったこれだけプリント』シリーズ(小学館)1年生2年生は定価500円+税、3年生は定価600円+税、4年生(改訂版)は定価700円+税、5年生(改訂版)は定価600円+税、6年生(改訂版)は、定価700円+税。*5年生は「新版」が5月21日に発売予定。

『たったこれだけプリント』は、各学年の重要ポイントを絞って編集し、それぞれの学年の内容は、1,2年生は、漢字・算数で64ページ、3,4年生は、漢字・算数・社会・理科で80ページ、5,6年生は、漢字・算数・社会・理科で96ページにおさめました。

「たったこれだけプリント」で繰り返し予習学習を。新2年生は九九の準備に「百ます計算」をプラスして

「たったこれだけプリント」には、以下の3つの特徴があります。

①一年分の予習・復習ができる

②わからなくなった時に「振り返り学習」ができる

③年度末に1年分のおさらいができる

新学期の開始が遅れている今、進級した新学年の『たったこれだけプリント』を、1冊丸々この休校中に仕上げておくことをお勧めします。

新2年生は、九九をスムーズに習得するために、これに『百ます計算』(たし算・ひき算)をプラスして毎日やっておくといいでしょう。目標タイムは2分以内です。

高学年でも100ページ未満のプリントです。集中して取り組めばひと月前後で「新学年で習うこと」を一通り学習することができます。家庭で「たったこれだけプリント」でこれから習うことを先行体験し、学校の授業は復習という位置づけにしてしまうのです。

YouTubeでプリントに沿った授業を展開中!

そして、『たったこれだけプリント』の算数について、「陰山英男公式チャンネル」2年生から6年生までの1学期に学ぶ内容の授業がすべてアップされていますので、見てからプリントに取り組んでいただければ、さらに理解度が上がります。


↑これは2年生の長さの授業。学年別に丁寧な解説を展開。

漢字の速習についての授業も公開していますので、こちらもぜひご覧ください。

そして、プリントは2度、3度、繰り返し反復学習をすることをお勧めします。そうして「予習型」学習が身につけば、学校が始まっても、自然に「自学自習」できるお子さんに育っていきます。

新1年生は、運筆練習・百ます計算・音読を重点的に

今の状況で、一番不安を抱えていらっしゃるのは、新入学の1年生の親御さんでしょう。新1年生の場合は、まず、「早寝・早起き・朝ごはん」の生活習慣を整えておくことが特に大事ですが、学習の面では、まず、運筆練習をしっかりやっておきましょう。

・運筆

意外に思われるかもしれませんが、子どもにとっては、漢字よりひらがな、カタカナが難しいのです。そして、運筆練習をしっかりしておくことが、算数の計算力にもつながっていきます。

・漢字

1年生の『たったこれだけプリント』には、1年生で覚える漢字80字を17の短文に盛り込んで、音読と書き取りをくり返す学習になっています。1年生のカリュラムで漢字が出てくるのは9月ですから、今、先取り学習しておけば、休校明けも心配ありません。

『たったこれだけプリント』に、運筆練習も入っている『徹底反復 一年生の漢字』を併用されることをおすすめします。

『徹底反復 一年生の漢字』小学館 定価900円+税

・音読

脳科学者の川島隆太先生により、音読は脳をもっとも活性化させることが実証されています。大きな声でテンポ良く読むと効果的です。『たったこれだけプリント』の国語では、一年生で習う漢字を織り込んだ文章を声を出して読むことから始まっています。『徹底反復 音読プリント』から短い詩を2,3暗唱できるようにしておくといいでしょう。

『徹底反復 音読プリント』(小学館)定価500円+税

たし算・ひき算の「百ます計算」を毎日時間を決めて2回やる。

・算数

1年生の算数の大きな目標は「くり上がり・くり下がり」のマスターですが、まず、基礎計算力をつけるために「百ます計算」を繰り返しやってください。「百ます計算」は1年生の『たったこれだけプリント』に入っていますが、別売りの『徹底反復 百ます計算』も併用されることをおすすめします。

時間を決めて、朝晩取り組んでください。目標タイムは2分です。

『徹底反復 百ます計算』(小学館)定価500円+税

子どもの学習を監視しない。間違いを責めない。これが、子どもを伸ばすコツです。

リビングで勉強されるお子さんが多いと思いますが、この時、親御さんはお子さんと向かい合わせには座らないことです。お子さんの視野に入ることで監視することになってしまいますからね。それとなく見守る位置にいることを心がけてください。

そして、答えをまちがっても決して責めない。タイムスピードが上がってきたり、答えの間違いが少なくなったら大げさなくらいにほめる!これが、子どもを伸ばすコツです。

集中が身につくと、突然伸びる「つきぬけ」が訪れる子も

最初にも言いましたが、「勉強とは集中を育てるもの」です。だらだらと時間をかけるのは一番悪い。うまく集中できる状態を作ってあげて、それを自分でコントロールできる子にする。集中を体得した後に、「百ます計算」のタイムがバーッとあがる「つきぬけ」の状態になることがあります。長時間大量学習をさせて、それに慣れてしまった子は「つきぬけ」状態にはなりません。

漢字学習も同じです。大量の書き取りをやらされることに慣れている子は、漢字をなかなか覚えられないのです。

自学自習型の学びが、自立する子につながっていく

今、公立小学校で『たったこれだけプリント』の基になった「陰山メソッド」が取り入れられ始めています。

その先陣を切った福岡県の田川市では、2018年から「陰山メソッド」の徹底反復学習に取り組んで、着実に「自学自習型」学習に成果を上げています。今回の休校中も、先生方は焦ることもなく、家庭学習にも不安はありません。

予習型の学習が習慣になることで「自学自習型」が成り立っていく。それが学校の勉強だけではなく、子どもの自立した生き方にもつながっていきます。必要なのは、計算力・漢字習熟に代表される基礎学力と基礎学力を獲得する学習方法。それにこの学習方法にマッチした教材です。

休校中の今、『たったこれだけプリント』を正しい活用方法で繰り返し学習して、ご家庭で是非、「自学自習型」の土台となる「予習型の学びの習慣」をつけてください。長引く休校にも不安なくお子さんと過ごすためにご家庭でできる最良の方法です。

教えてくれたのは

陰山英男(かげやま・ひでお)先生

1958年兵庫県生まれ。1980年、岡山大学法学部卒業後、教職の道へ。百ます計算をはじめ、「読み書き計算」の徹底した反復学習と生活習慣の改善に取り組み、子ども達の学力を驚異的に向上させた。その指導法である「陰山メソッド」は、教育者、保護者から注目を集め、「陰山メソッド」を教材かした『徹底反復シリーズ』は、総計770万部の大ベストセラーとなっている。現在、YouTube『陰山英男公式チャンネル』で授業や講演を公開して注目を集めている。

取材・構成/HugKum編集部

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