妊娠、出産、そして子育て。幸せな女性のライフスタイルには、「オメガ3オイル」が重要な働きをもつことをご存知でしたか? サバ缶やえごま油、亜麻仁油などの油が有名ですが、2018年に健康番組で紹介されたことがきっかけでブームに。
今回は看護師歴20年・脳の健康を保つには油が重要!を説き続けている、オメガ油の伝道師・オメガさと子さんに、良質な油の効能を聞きました。
代表的なオメガ3オイルは、イラストの通り。
脳の栄養には、良質な油が不可欠だった!
オメガ3オイルは、血管や脳、細胞など、人間の体のもっとも重要な部分を健やかに保つ働きがあります。人間の脳は85%が水分でできていますが、それ以外の有形成分のうち、なんと65%が油(脂質)で構成されているのです!
脳は人間にとって、大切な「司令塔」。ですが、食事で良質な脂質をとらなければ、脳への栄養が不足し、その機能に影響が出てしまうのです(しかしオメガ3オイルは体内で作ることができないので、日々の食事から摂るしかありません)。
心の発達に影響する「脳のDHA不足」
そこで脳の活性化に役立つのが、サバなど青魚の油に代表されるDHA(オメガ3系脂肪酸)。DHAは、脳の神経細胞膜の構成に、重要な役割を果たしています(魚の油のほか、えごま油や亜麻仁油からの代謝物がDHAに変換されます)。
そのため脳内でオメガ3が不足すると、脳内の脂肪酸バランスが崩れて、学習知能(認知機能)の低下、うつ状態、集中力の低下など、脳機能によるさまざまな影響が出ることが指摘されています。脳の認知機能が低下すると、理解力や判断力に障害が生じて些細な変化でパニックを起こしてしまう、すぐカッとなる、怒りっぽく攻撃性が増す、ネガティブな思い込み、落ち込みが激しい……など、子どもの心の発達にも影響があると考えられています。
子どもの頃から、DHAを摂る食習慣を
「キレやすい子が増えている」と言われて久しい昨今。これはファストフードやコンビニ食、菓子パン、スナック菓子などの過剰摂取によりオメガ3が不足し、脳内の脂肪酸バランスが悪くなっていることが原因のひとつと考えられています。
子どもの心身の健康には欠かせないDHAは、社会適応能力や精神安定作用を促すと言われています。DHAを多く含む魚料理をたくさん食べる習慣を心がけることで、脳内の脂肪酸バランスが整い、行動も精神面も安定するようになります。とはいえ、ライフスタイルの変化から、魚を食べる機会が減っている現代社会。「子どもが魚嫌い」「魚料理のレパートリーがない」などのお悩みを抱えるママは、えごま油や亜麻仁オイルなどで代用しましょう。(ただし、えごまオイルや亜麻仁オイルに含まれるα–リノレン酸が体内でDHAやEPAに変換されるのは、摂取した総量の10~15%とごく少量。毎日コツコツと摂取することが大切です!)
文・構成/小学館 出版局 生活編集部
本書では、オメガ3オイルがもたらす妊活への効果、
正しい実践方法を、マンガとイラストでわかりやすく解説。妊活女子なら絶対に知っておきたい「最強の妊活」をお伝えします。
著者プロフィール
オメガさと子
長崎県出身。看護師歴20年の7年間を血管カテーテル室(血管専門治療室)に従事。父親が49歳で脳梗塞を発症し(69歳で死去)介護に関わった経験などから、血管や脳を健康に保つことの重要性を伝えたいと奮起。食品の中でも動脈硬化予防の高いオメガオイルを使用した料理のレシピ提案、オメガオイルセミナー、商品プロデュースなど、1人でも多くの方の「健康寿命を延ばす」ことを志し活動中。