「コロナ太り」の原因は炭水化物祭りにあった!?
いま、SNSをザワつかせている言葉「コロナ太り」。そう、コロナによる外出自粛のせいで、太った人は筆者だけではないはず(と思いたい!)。楽しみといえば食べること。しかも時間があるからふだんはしないようなパン作りやお菓子作りもできちゃったりして、できちゃったらそりゃー食べるよね。しかもおいしいんだ、手づくりは!! ――はい、すべて、言い訳です。
思い起こせば休校中の子どもの食事を3食用意するのがタイヘンで、ついチャーハン、焼きそば、パスタなどの単品料理に頼り、毎日が炭水化物祭りだった……。そして親もついついそれらを食べてしまい、親子で炭水化物祭りだった・・・・・・それもこれも、この驚異の体重の原因なのでは……などと思い当たる人も多いのではないでしょうか。
このままではいけない! と痩せる方法を検索してみれば、「糖質制限」「糖質ダイエット」の文言がチラホラ目につきます。でも、子どもに炭水化物を食べさせないわけにはいかず、自分だけダイエットメニューを用意するのもめんどくさい。考えれば考えるほど、子育て中の糖質制限は不可能な気がしてきます。
そんな糖質制限のモヤモヤを、自身が〝断糖″によって3か月で17㎏痩せたというハタイクリニック院長の西脇俊二先生に解消していただくべく、会いに行ってきました!
使いきれずに余ったエネルギーがデブのもととなる
糖質とは、「炭水化物から食物繊維を除いたもの」ということはわかっても、糖質を摂らないと痩せるというメカニズムについては、なんだかよくわからないのではないでしょうか? 以下、西脇先生の回答です。
「糖質は、人間の体を動かすためのエネルギー源です。しかし、瞬発力が必要なアスリートはいざしらず、ふつうの人はエネルギーを使いきれずに、余らせるだけ。そして、余った糖質は筋肉内脂肪、皮下脂肪、内臓脂肪になるのです。
みなさん、車や電車で移動しますよね? また便利な家電によって家事の負担も減り、あまりエネルギーを使いません。
そして、エネルギーとして最初に消費されるのは糖で、その次が脂肪です。つまり、糖を使い切らないうちは脂肪がエネルギーとして一向に減ることもなく、残り続けます。そこで、糖を断てば、脂肪がエネルギーとして使われて減っていくので、痩せる――というわけです」
つまり、私たちレベルの運動量では、どうやっても摂取した量とエネルギーとして使った量では差が開きすぎてしまい、余った糖質がデブの養分になる、というわけ。そしてもうひとつのデブのもとである脂肪も、糖を摂らなければ減っていく。だから痩せるというわけです。
ということは、どうやら糖質を食べる理由はない、となりそうですね……。
減らすのは糖質だけで、カロリーは摂る!?
それでも、糖質制限をした人の中には、「糖質を摂らずにいたら、エネルギー(元気、活力)が出なかった」とか「頭がボーっとした」という声もネットで見つけました。
それについては、西脇先生いわく「糖質だけでなく、カロリーまで制限したせい」ではないか、と。
しかも、「カロリーを制限すると、逆に太りやすい体になる」そうです。え!!!
「カロリー制限をすると、体は飢餓状態になり、エネルギーを得るためにまずは筋肉を分解していきます。筋肉は最もエネルギーを消費するので、筋肉を分解することでなるべくエネルギーを使わずにすむ〝エコモード″になるわけです。筋肉が減るとそれだけ代謝が悪くなり、その分太りやすくなります」
コレステロール値も気にしなくてOK
西脇先生自身が10年以上続ける〝断糖″では、「糖質さえ食べなければ、カロリーは気にする必要はなく、何をどれだけ食べてもOK」なのだとか。そして、炭水化物の代わりに、肉や魚、卵などのタンパク質をかなりガッツリ食べているそうです。
これをつづけるとコレステロール値が300くらいに上がることもあるそうですが、「コレステロールは、(家族性高脂血症の人以外は)気にする必要がない」そう。
もちろん、栄養が偏らないように、野菜も摂り入れていますが、どの食材にどのくらいの糖質が含まれているかをチェックしたうえでセレクト。
糖質量を知りたい人は、西脇先生の最新著書『患者が食べないカリスマ医師がやっている 糖質で早死にしない習慣』(小学館)を読めば、食材から調味料まで、日常的に私たちが摂り入れている食べ物の糖質量一覧リストが載っています。
「糖質制限の不安と疑問」の答えがここに!
「ほんとうは体に悪い考えなのでは?」「生きるうえでのエネルギーなのに制限していいの?」との疑問や意見もある糖質制限。糖質へのあいまいな知見が一変。付き合い方を授けてくれる一冊です。