思考の整理を促す片付けのスペシャリスト、鈴木尚子さん（ライフオーガナイザー）に片付けにくい場所No.1クローゼットの収納について伺っています。
今回は、クローゼット収納の集大成「維持する」についてお話を伺いました。
みなさんは、お店のディスプレイみたいな素敵な空間のクローゼットを目指して片付けても、すぐリバウンドしてしまいませんか。鈴木さんはその原因や、誰もが納得する服の買い方まで教えてくれました！ ぜひ、参考にしてみてください。
目次
「ライフオーガナイズ」とは？
筆者が提案したいのは、アメリカ発祥の片付け術である「ライフオーガナイズ」です。ライフオーガナイズとは、“もの“だけではなく、あなた自身と家族を主役にして、生活や人生、空間やもの、「暮らしを最適化」する片付け術です。
ライフオーガナイズの手法
単にものを捨てたり、収納グッズを揃えるのではなく、思考や、行動の傾向、時間の使い方や家族との関係性など多方面から整える手法です。
筆者はファッションのプロだった経歴をいかし、クローゼットオーガナイザーの育成にも携わっています。
オーガナイズの「基本の3ステップ」をおさらい
片付けるにあたりvol.4でご紹介した、オーガナイズの「基本の3ステップ」をもう一度おさらいします。
上記のステップ1「選ぶ」は、vol.8で解説、ステップ2「収める」は、vol.9とvol.10の2回に分けて解説しました。
今回は、ステップ3「維持する」についてお話します。
「維持する」を意識なく過ごせば、即リバウンド
「なんども片付けはしてきたけれど、リバウンドしてしまう……」
「いつになったら終わるの？」
そんな声を耳にします。
クローゼットはものの出入りが多い場所ですので、このステップ3の「維持する」を意識せずに過ごせば即リバウンドしてしまうのです！
一度でうまくいくと思わないで
では、なぜ、うまくいかなかったのでしょうか。その原因は？
せっかく配置をしっかりと決め、出し入れしやすくしたはずなのに、戻すのが面倒に感じ、出しっぱなしになるのであれば、その時点で何がうまくいかない原因なのかを探りましょう！
「引き出しの中にしまうのにものが多いから入れにくい」
「どこに入れるか忘れてしまう」
などなど。
理由がわかれば、もう少しものを減らそうとか、ラベリングしてみようとか対応策をとる必要が出てきます。
トライ＆エラーを繰り返しましょう
一度で全てがうまくいくと思わないことが大事です！
うまくいかない原因と対策を考えないでそのままでいると、リバウンドになってしまうと心得てください。
そう、この時点ではトライ＆エラーの時期なのです。
片付けは中途半端に終了しないで！
出し入れのしやすさだけではなく、できればモチベーションが上がる見た目にこだわることもおすすめします。
ハンガーを揃えるなど、見た目にもこだわって
見た目を整えることでストレスが減るだけでなく、ここを維持したいといく気持ちが芽生えますから、中途半端に終わらせるのはやめましょう！
好みのビジュアルにもこだわって
収納グッズを好みのものにするのも効果的！ ビジュアルストレスをなくすことが大切です。
不用意に家に招き入れていけない！
洋服は、家にある他のモノと比較すると、感情が入りやすいアイテムです。
もう好きな人と使える人しか入らない！？
「もう飽きちゃったんだ、ごめんね」
「もう好きじゃないの」
「あの時は良かったんだけどね」
こうやって書いてみると、まるで彼氏とのお別れの言葉のようです（笑）
そのくらい、感情と直結するアイテムですので、時々見直しをする必要があります。
家にいれるハードルをもつ！
そして、このステップ3「維持する」には、ただ現状のクローゼットを整えるのではなく、家に入れる入り口を整備することも大事！
買い方についても考える必要があります。
不用意に家に招き入れていてはあっという間にクローゼットは崩壊します。
服の購入は、計画的に
不用意に家に入れないようにするには、どういう買い方をしたらよいのでしょうか？
3ヶ月タームの見直しがおすすめ
そろそろ新しいシーズンのアイテムが欲しくなる3月、6月、9月、12月に服の見直しをしてみましょう！
そして、本気でお付き合いしたいアイテムだけを残しましょう。
何を持っていたかは意外と覚えていなかったり、昨シーズンの最後に買ったアイテムなどは記憶に薄かったりしますから、まずは所有物の確認が大事。
これで同じようなものをまた買ってしまうということが避けられます。
その上で、雑誌などをチェック！
どんなアイテムをプラスしたら、気分が上がりそうかを考えてみましょう。狙いを定めてからお買い物へGO!
服の購入アイテムは3つ比べる
例えば、カラーパンツを買おう！と思ったとします。
アイテム選びに自信がない人ほど、一度で購入するのではなく、同じようなアイテムを最低3着は試着して！
その中でのベストを選ぶことが大事です。
なんとなく買ってしまったではなく、色が似合っていた。形が綺麗だった。購入に至った理由があると自信を持って着られます。
３パターンの着こなしが思いつく？
例えば、こちらのトップス。
できれば購入する時にはどうやって着こなすか？がイメージできるとその後の活躍度の高い、アイテムになります。
例えば、こちらのトップスで「きれいめ」「カジュアル」「きれいめカジュアル」この3パターンの着こなしを考えてみましょう。
「きれいめ」に着こなす例
オフィスに行く、打ち合わせに行く、会食に行くそんなONの着こなしにはどんなスタイルで合わせるか？
「カジュアル」シーンにも合わせる例
もちろんONだけOFFだけというアイテムも存在しますが、兼用できる方が活躍度が変わりますので考えておくと良いでしょう。
「きれいめカジュアル」に着こなす例
お買い物に行く、映画を観に行く、などのシーンを想定し、準備しておければ完璧です！
いざという時に「着て行く服がない！」と慌てずに済みますし、下手にお洋服を増やすことなく1枚を思い切り楽しめます。
服選びの3つのポイント
- 3ヶ月での見直し
- ３つ比べてみる
- ３パターンの着こなしを考える
この3つのポイントを常に意識し、ルール化！ すると、クローゼットが稼働率の高いお気に入りの場所になって行くはずです。
いかがでしたか。クローゼットの片付けは一足飛びにはいきませんが、モチベーション維持のためにビジュアルストレスをなくして、服選びが楽しくなる空間をつくっていきませんか！
過去の記事はこちら↓
記事執筆
片付けに悩む中、独学で生活を改善し、片づけとパーソナルスタイリングの仕事を開始。
メソッドを公開したブログが人気を呼びパワーブロガーに。2011年にSMART STORAGE！を創業し、現在は株式会社となる。日本初のクローゼットオーガナイザー認定講師として人材育成にも携わっている。
また、義母を看取った経験をもとに、人生折り返し地点からのライフマネジメント術AgeWellLiving を立ち上げ、活動の場を広げている
