年末年始は行事も多く、子どもも大人も気持ちが華やぐ季節です。なかでもクリスマスの行事は準備の期間も含め、子どもと一緒にできる楽しいことがたくさん!最近は、宗教的な意味合いよりも、世界中の人々が同じ日に、優しい気持ちで身近な人への感謝や幸せを祝う、世界最大級のイベントとしてクリスマスが定着しているようです。JPIC読書アドバイザーの児玉ひろ美さんに、クリスマスをテーマにとっておきな絵本を紹介していただきました。
0歳~1歳向け クリスマス絵本
「いち・にい・サンタ!」
ひらぎみつえ/作 ほるぷ出版
穴に指をいれて動かすしかけ絵本。「いち・にい・サン・タ!」で腕をゆらゆら、お尻をふりふり、最後はジャンプで「いーち、にーい、サーンタ!!」
「クリスマスのおばけ」
せなけいこ/作 ポプラ社
「クリスマスのひはうれしいなー。」園でもおうちでも楽しいことがいっぱいあって、ニコニコしながら眠ります。でも、オバケの子どもはどうしてる?
2歳~4歳向け クリスマス絵本
「クリスマスの三つのおくりもの」サンタクロースとれいちゃん/クリスマスのズボン/ふたつのいちご
林明子/作 福音館書店
手のひらサイズの小さな絵本が三冊。れいちゃんと、もっくんと、かすみちゃん、きょうだいそれぞれが主人公のクリスマス物語3部作です。
「ぼくたちのプレゼントはどこ?」
リチャード・スキャーリー/作 木坂涼/訳 好学社
クリスマスの朝、一番に起きてきたのは2ひきのねずみたち。サンタさんが置いていった、たくさんのプレゼントをのぞきこんではキョロキョロと…。
「リトルサンタ」
丸山陽子/作 BL出版
パパはサンタクロース。世界中の子どもたちが楽しみにしているクリスマスを、ぼくは毎年ひとりで過ごす。「今年のクリスマスはパパと一緒にいられますように」。イブの朝、パパは転んで骨折を…。こんなことをお願いしたんじゃないのに!プレゼントを配れなくなったパパの代わりに、息子のぼくが出かけることにします。
「くりすますのおくりもの~ロシア民話より」
木村由利子・文 松村雅子・絵 至光社
柔らかな明かりを灯した部屋で、満ち足りた表情の羊は、人参を届けてくれた「だれか」と、これから人参を届けるもう一人の「だれか」を想い、人参を抱きしめます。ロシア民話よりと付された『クリスマスのおくりもの』は、寒いクリスマスの日が動物たちがそれぞれに誰かを想う気持ちで満たされています。
4歳から6歳向け クリスマス絵本
「せかいいちしあわせなクマのぬいぐるみ」
サム・マクブラットニー/文 サム・アッシャー/絵 吉上恭太/訳 徳間書店
メアリー・ローズとぬいぐるみのウーウは、いつも一緒です。ところが、ウーウは電車に置き忘れられ…。長い時を経て、クリスマスに奇跡が起こります。
「ルーちゃんとクリスマスツリー」
下村明日香/文 くわはらまい/絵 福音館書店
ルーちゃんは、しっかり者のお姉ちゃんに憧れています。イブにお姉ちゃんが熱を出しました。看病するお母さんの代わりにルーちゃんはお使いへ。
「クリスマスツリーをかざろう」
パトリシア・トート/文 ジャーヴィス/絵 なかがわちひろ/訳 BL出版
ほっそりのっぽの木、まんまるふとっちょの木。とがっている木…どれにしようかな?こんな風にツリーが造れたらのしいでしょうね。
「クリスマスまであと9日 セシのポサダの日」
マリー・ホール・エッツ アウロラ・ラバスティダ/作 マリー・ホール・エッツ/画 冨山房
メキシコの習慣を描いた作品です。メキシコではクリスマスの9日前から、毎晩家ごとに、子どもが主役の行事「ポサダ」が始まります。幼稚園に通う女の子セシは、その年ついに「ポサダ」をしてもらえることになりました。幼い子のあこがれや喜び、子どもの幸せを地域で祝うメキシコの風土が細やかな絵と文章から伝わってきます。
教えてくれたのは
JPIC読書アドバイザー 台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活躍。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。