目次
浄水器の必要性とは?
浄水器を使うと、水道水の中に含まれる残留塩素、臭い、細菌や不純物などを除去または減少させることができます。浄水器を使うメリットや、導入する際に気をつけたいポイントをまとめました。
浄水器を使うメリット
日本の浄水技術は世界的に見てもトップクラス。水質基準も厳しく定められているため、そのまま飲んでも人体に悪影響を及ぼすことはありません。そのことを踏まえた上で、浄水器を使うメリットをご紹介します。
カルキ臭さ(残留塩素)を取り除ける
水道水には、消毒のため塩素が含まれています(残留塩素)。この残留塩素が水槽水の味わいや臭いに影響を与えることがあります。水道水独特の「カルキ臭」が気になる方や、残留塩素による髪や肌への影響が気になる方、魚など生き物を飼っており塩素の入った水をそのまま使うのに抵抗のある方などは、浄水器のメリットを感じやすいでしょう。
住居の設備劣化による不純物を取り除ける
水道水そのものの安全性は高いものの、住居の水道管や貯水槽などの設備が劣化している場合、蛇口から出る水道水には不純物が混入していることがあります。築年数の経過している建物の場合、手軽に設置できる浄水器は検討の価値ありです。
ボトル入りの水を買うよりも経済的
安心でおいしい水を飲みたい・使いたいとの思いから、ボトル入りの水を購入している家庭もあるでしょう。毎日大量に水を消費する家庭の場合、浄水器のほうが経済的。また、都度ボトルを買う手間や、ボトルのゴミを減らすこともできます。
浄水器には、注意点も
反面、浄水器を導入する際には気をつけたい点もあります。
浄水器を通した水は殺菌効果がなく、日持ちしない
残留塩素が取り除かれた浄水は、殺菌効果を失っているために日持ちしません。夏場や氷を作る際などは特に注意したいポイントです。
フィルター交換や本体掃除の手間・コストがかかる
浄水器のフィルターは使用するにつれて劣化するため、定期的に交換する必要があります。使用期限を超えて使用すると雑菌が繁殖する場合もあるため、注意が必要です。もちろん、浄水器本体の日常的な清掃も必要です。
設置場所が必要
浄水器を設置する際にはキッチンのシンクなどにある程度のスペースが必要。省スペースタイプや蛇口に取り付けるタイプもあるので、検討してみましょう。
浄水器を使用している家庭の割合は?
実際、どのくらいの家庭が浄水器を使っているのでしょうか? HugKumでアンケートをとりました。
Q.自宅で浄水器を使用していますか?
なんと、4割の家庭が浄水器を使っているという結果に!
浄水器を使っている方、使っていない方それぞれに、その理由もたずねました。
【浄水器を使っている理由】
「浄水器を使っている」と答えた方のうち、3割が「おいしい水が飲みたいから」、同じく3割が「安心・安全のため」と回答。「住居にもともとついていた」と答えた方もいました。
「カルキ臭さを消すために使ってる」 (40代・広島県・子ども2人)
「安心のため」 (40代・長野県・子ども1人)
「身体に良さそうだから」 (40代・福岡県・子ども2人)
「賃貸住宅なので、配管が古いから」 (40代・東京都・子ども2人)
「以前は飲み水はミネラルウォーターを買っていたが、今は浄水器がついているので使用している」 (30代・埼玉県・子ども1人)
【浄水器を使っていない理由】
一方、「浄水器を使っていない」と答えた方のうち、2割が「高価だから」と回答。また、「メンテナンスが面倒だから」と答えた方も1割いました。
「ランニングコストがかかる」 (40代・愛知県・子ども2人)
「カートリッジ交換が面倒なため」 (40代・東京都・子ども1人)
浄水器の種類
浄水器にはいくつかのタイプがあります。それぞれのメリット・デメリットを、アンケートに寄せられた使用者の声とともに紹介します。
据え置き型
浄水器と水道とを蛇口でつなぎ、シンク横に本体を設置するタイプ。装置が大きい分、浄水フィルターも大きく、浄水スピードやフィルターの耐久性に優れています。デメリットはシンクまわりに設置スペースが必要なことと、価格の高さ。
ビルトイン型(アンダーシンク型)
シンクの下に浄水器を設置するタイプです。新築段階で導入されている住居も多いのでは。ビルトイン型も据え置き型同様、装置が大きいため浄水能力が高く、フィルターの使用期限が長いのが特長です。シンクの下に設置スペースが必要ですが、シンクの上に器具が出ないため、キッチンを広々と使うことができます。設置工事が必要となる点、価格が高い点はデメリット。
蛇口一体型
水栓の内部に浄水器が組み込まれているタイプ。浄水器が外からは見えないため、見た目がスッキリとしています。専用の水栓の取り付けが必要な点、据え置き型と比べると浄水スピードが遅い点がデメリットです。
蛇口直結型
蛇口の先端に取り付けるタイプです。価格も手頃で設置スペースも必要ないため、手軽に使えるのが一番のメリットです。反面、浄水フィルターが小さいため少しずつしか水をろ過することができず、浄水スピードが遅いのが難点です。
ポット型
ポット型の容器にフィルターがついており、水道水を中に入れておくと浄水されるタイプです。価格が安く、必要な分だけ浄水できたり、ポットのまま冷蔵庫などで保存できたりと取り回しが良いのが特長です。浄水フィルターが小さいため浄水に時間がかかり、フィルターの交換頻度が高いのがデメリットといえるでしょう。
浄水器の選び方
1.使用目的に合わせて設置型を選ぶ
はじめに、設置する型(据え置き型、蛇口直結型など)を選びましょう。キッチンのスペースによっては取り付けできないタイプもあります。浄水器を試してみたいなら蛇口直結型やポット型、本格的に導入するのであれば据え置き型。飲み水だけ浄水したいのであればポット型、料理などにも使いたいなら蛇口から浄水が出るタイプが良いでしょう。
2.フィルターの種類・性能で選ぶ
浄水器の性能はフィルター(ろ材)によっても大きく変わります。一種類のフィルターですべての不純物を除去することはできないので、複数種類のフィルターを組み合わせるのが一般的。製品によって除去できる物質の種類や数が異なるので、事前にチェックしておきましょう。
代表的なフィルターの材質は以下のとおり。
活性炭
炭が不純物を吸着する能力をアップ(活性化)させた活性炭を利用したフィルター。残留塩素や有機物、臭いなどを吸着して取り除きます。使用するほど吸着能力は下がり、さらに利用し続けると吸着したものを放出してしまうこともあるため、フィルター交換サイクルが短いのがデメリットです。
中空糸膜
中空糸という、ストローのような繊維を束ね、片方の端を閉じて作ったフィルター。活性炭との併用が一般的で、一般細菌やカビ、サビなどの粒子を除去します。熱に弱いため、お湯を使用することはできません。
セラミック
陶器(セラミック)にあいた微細な孔を利用したフィルター。中空糸膜とほぼ同等の除去能力を持ち、活性炭との併用が一般的。熱湯や薬品を通しても変形せず耐久性がありますが、目詰まりが起こりやすく、価格が高いというデメリットもあります。
逆浸透膜(RO膜)
水分子のみを通す逆浸透膜を利用したフィルター。他のフィルターに比べて除去性能が高く、ほぼすべての不純物を取り除くことができます。ごく小さな穴を通過させてろ過するため時間がかかることと、おいしさの元であるミネラル分も除去してしまうのがデメリットです。
3.ランニングコストも要確認
浄水器本体の価格とあわせて、ランニングコストも必ず確認しておきましょう。浄水器のフィルターには寿命があるため、フィルターが入ったカートリッジを定期的に交換する必要があります。交換を怠ると、浄水機能がなくなってしまうだけでなく、カビなどが発生してしまうことも。カートリッジの交換頻度や価格は製品によって異なるため、製品ごとに交換費用を計算しておくことをおすすめします。
浄水器の人気メーカー5選
アンケートで人気の高かった浄水器メーカーを5つ紹介します。
タカギ
タカギの蛇口一体型浄水器は、新築のマンションなどで多く採用されており、デザインの良さが魅力です。また、カートリッジの定期お届けサービスを利用すれば、定期的に浄水器本体を無償交換してもらえるなど、アフターサービスも充実しています。
ゼンケン
据え置き型、ビルトイン型浄水器のほか、バスタブへの給湯も可能なお風呂用の大容量浄水器もラインナップ。据え置き型とお風呂用浄水器はレンタルも可能なので、試してみてから購入したい、または新生児のいる家庭など一時的に利用したい場合にもおすすめです。
東レ
「トレビーノ」のシリーズ名で有名。蛇口直結型やポット型、ビルトイン型などを豊富にラインナップしています。蛇口直結型のなかでも、従来の約2倍のスピードで浄水できる「時短浄水」モデルを使えば、料理もはかどります。
三菱ケミカル・クリンスイ
蛇口直結型のエントリーモデルからビルトイン型のハイエンドモデルまでを幅広く取り扱っています。蛇口直結型の「クリンスイ」シリーズは、すぐに取り付けられて浄水器の効果を実感できる手軽さで人気です。
ブリタ(BRITA)
ポット型の浄水器を展開するドイツのメーカー。水筒サイズのポータブルモデルから、冷蔵庫で冷やせるタイプ、タンクタイプなど、容量や用途によって豊富なラインナップを展開しています。
据え置き型浄水器のおすすめ
【三菱ケミカル・クリンスイ】 クリンスイSuperSTX SSX880
据え置き型では最高クラスの流量・毎分3Lで、たっぷり浄水を使えます。上下に360度回転するノズルで、大きな鍋や背の高いポットにも楽に水を注げます。
【ゼンケン】 アクアセンチュリースマート MFH-70
据え置き型ながら、非常にコンパクトかつシンプルなデザインなので、シンクに置いても悪目立ちしないのがうれしい。50度までのお湯も浄水可能です。
ビルトイン型(アンダーシンク型)浄水器のおすすめ
【三菱ケミカル・クリンスイ】 アンダーシンクタイプ複合水栓 F914ZC
ドイツのグローエ(GROHE)社がデザインしたスタイリッシュな水栓が特徴的。浄水と水道水のレバーが別になっているので、操作性も抜群です。
蛇口一体型浄水器のおすすめ
【タカギ】 みず工房 クリーンシリーズ JL307MN
シンクの汚れ落としに便利なクリーンシャワーを搭載したタイプ。蛇口先端のボタンを押すだけで浄水・水道水の切り替えが簡単にでき、操作性に優れています。
蛇口直結型浄水器のおすすめ
【東レ】 トレビーノ カセッティ MK207SLX
カートリッジを丸ごと交換でき、浄水口が新しくなるため清潔さを保てます。従来の約2倍のスピードで浄水できる「時短浄水」モデル。
【三菱ケミカル・クリンスイ】 クリンスイ MONO MD111
シンプルな外観が特長で、カートリッジの寿命も3ヶ月と、蛇口直結型の中では長持ちします。用途によって選べる3段切り替えダイヤル付き。
【パナソニック】 TK-CJ12
人気メーカーのパナソニックも浄水器を販売しています。カートリッジが約1年使えるため、ランニングコストを低く抑えられると人気の商品です。
ポット型浄水器のおすすめ
【ブリタ】 ポット型浄水器 リクエリ
ブリタの一番人気、冷蔵庫のポケットにもぴったり収まる、全容量2.2リットル(浄水部容量1.1リットル)サイズ。パーツをばらして丸洗いできるので、衛生面でも安心です。
【ブリタ】 ボトル型浄水器 アクティブ
外出先でも、水道水さえあれば浄水を飲める、浄水フィルター付きのボトル。直飲みタイプでスピーディな水分補給が可能です。子どもの水筒にもおすすめ。
家庭に合った浄水器を選ぼう
浄水器は必ず必要というものではないけれど、多くの子育て家庭で使われているようです。様々なタイプの浄水器がありますので、設置場所や予算に合わせてじっくり検討してくださいね。「浄水器の水がどんなものなのか、試してみたい」という方は、まずは蛇口直結型やポット型の浄水器から始めてみてはいかがでしょうか。
文・構成/竹島千遥