新しい年を迎え、気持ちも新たに日々の生活をリスタートさせている今こそ、夫婦や家族で家事分担について話し合う機会を持ちませんか?そんな時、ぜひ活用したいスマートフォンアプリが「Yieto(イエト)」。開発者である株式会社フラップの小沼光代さんと松本章紀さんに、アプリに寄せる思いなどを伺いました。
夫婦のハッピーな家事分担をサポートするアプリ
夫婦間での家事や育児の分担、うまくいっていますか?
「私ばかりがやっている…」「夫の家事はやったうちに入らない…」「あれでやった感を出されるのはちょっと…」と思う妻。「やっても妻に認めてもらえない…」「やった後で文句を言われる…」「やったのにやり直される…」と夫。たとえ口に出さずとも、心の内にそんなモヤモヤを抱えている人は少なくないのでは。
家事育児の分担やそのやり方に対し、夫側、妻側、それぞれが不満を抱えてしまう原因は、全体像や考え方を夫婦間で共有できていないから。とは言え、何もないところからいきなり話し合うのも難しい。ならば、現状を可視化し、その情報を話し合いのきっかけにしてもらえばいいのではないか。そうして生まれたのが「Yieto(イエト)」というアプリです。
「Yietoが目指しているのは、夫と妻二人にとってのハッピーな家事分担。夫婦が一緒になって家事育児に向き合えることを意識して作っています。“夫 vs 妻”ではなく、“家事育児 vs 夫と妻”をサポートするためのアプリです」と開発者の小沼さんは話します。
まずはタスクリストで現状を可視化
二人にとってのハッピーな家事分担を目指すためには、互いに現状を知ることが大切です。ポイントは、今行っている家事育児のタスクをすべて洗い出すこと。でも大丈夫。Yietoには、よくある家事育児のタスクリストがすでに用意されているので、それを、今、誰が担当しているのかをチェックしていくだけでOKです。
このタスクリストの項目、なんと130個あります。その数と内容が、このアプリの最大の特長であり、最もこだわった点なのだと松本さん。
「家事を、料理・洗たく・掃除・ゴミ出しみたいにざっくり分けてしまうと、ごみを収集場所に持って行っているだけの人も、『やってるけど…』となってしまい、認識の相違が生まれてしまいます。なので、タスクはできるだけ細かくリストアップしました。最終的にはアプリとしての使い勝手も考え、いくつかの家事をまとめるなどして130個にしましたが、初めは300個くらいありましたね」
タスクの洗い出し作業に要した時間は約1カ月。細かい手直しはリリース直前まで行っていたそう。それほどまでにこだわって、手をかけてまとめたタスクの内容は、世にいう「名もなき家事」も思いつくものはほとんど網羅されていて、「家事をわかっているなぁ~」という印象です。
このタスクリストに沿って担当者をチェックしていくと、自動的にできあがるのが「家事分担マップ」。青=夫担当、赤=妻担当、黄=二人で担当と、全てのタスクが色分けされるので、分担の状況が一目にしてわかります。これを夫婦間で共有し、話し合いのきっかけにするというわけです。
「たとえマップが真っ赤でも、二人がそれで満足していればいいんです。半々が理想だとも、真っ赤がダメだとも思っていません。どんな状況でも、どちらかが不満を持っていたり、疲れていたり、嫌になっていたら、それは改善すべきなのではないかと。そんな時に、今現在の分担状況を可視化したマップを、話し合いの材料として使っていただきたいのです」
さらにもう一つ、このアプリで注目してもらいたいのが、「スタンストーク」機能だと小沼さんは言います。
「家事に対する考え方や相手に求めていることを夫婦間ですり合わせる機会ってあまりないんですよね。完璧にやりたいのか、適当でいいのか、家事家電を積極的に使いたいのか、家事代行も使うのか、なるべくお金をかけたくないのか。また、ほめて伸ばしてほしいとか、家事をやり直さないでほしいという思いなんかはなかなか言いづらい。そういったことを、アプリの機能を使って言葉にし、相手に伝え、話し合いのきっかけにしてもらえたらと思っています」
Yietoの上手な活用法
Yietoは、スマートフォンアプリ版以外に、WEB版があります。こちらは、一緒に家事や育児をするメンバーを、より広く選べるようになっている点がポイントだと松本さん。
「本来、家事は夫か妻だけがやるものではありませんよね。アプリ版は使いやすさを重視して、選択肢はシンプルに夫婦のみにしていますが、WEB版の方は、いかに周りの人を巻き込んで、チームとしてどう家事をこなしていくか、という考え方で、アプリとは分けて作っています。お子さんやご両親、お友達やパートナーなど、様々な選択肢が用意されていますので、家庭のスタイルに合わせて、使い分けをしていただければと思います」
Yietoアプリのダウンロード数が、iOS版、アンドロイド版を合わせて40000回を超え、ユーザーから様々な声が届く中、小沼さんはこんな風に感じていると話します。
「仮に、夫が家事を一つも引き受けられなかったとしても、妻がこれだけやってくれているということを理解し、それに対する感謝の気持ちを『ありがとう』という言葉で表現してくれるだけで救われる人もいると思うのです。
実際に、夫からも妻からも、気づきを与えられたという声をいただいていますので、ぜひYietoを、夫婦や家族のコミュニケーションツールとして使っていただけたらと思います。
一方で、家事タスクの悩みって、本当はやらなくていいことに縛られて苦しんでいる場合もあったりすると思うのです。Yietoのタスクリストで、日頃自分がやっている家事を改めて客観的に眺めてみると、そういったことも見えてくると思います」
新しい年が始まったばかりの今こそ、家事や育児の分担を見直すいいチャンス。Yietoを活用して、もっと気軽に、夫婦や家族で話をしてみませんか。
家事育児という大変なことに
一緒に立ち向かう夫婦をサポートする
文/鈴木友紀