子育てが向いていない私。自己肯定感を育む育児なんてできません!【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴47年、常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

自分の性格が嫌! こんな私に「自己肯定感を育む育児」なんてできない

息子は好奇心旺盛で、とにかく元気! 友達と、おもちゃの取り合いなどのトラブルを起こすことも多く、ケガをしないようにいつも見守ってきました。しかし、そんな子育てに疲れてしまい、今は子どもが集まるような場所には行っていません。

育児書などを見ると「自己肯定感を育む」といった言葉をよく目にします。しかし息子の自己肯定感を育てる以前に、私は、自分の性格が嫌で仕方ありません。子育てに向いていない性格とも思います。出産を機に、何事においても自分がなくなったように感じます。こんな母親では、自己肯定感なんて育たないのでは!? と心配です。(3歳の男の子のママ)

 

ほとんどのお母さんが同じ悩みを持っています。自己肯定感なんていう言葉に縛られないで!

育児書などには「自己肯定感を育む」といった言葉がよく見られます。自己肯定感とは、自分を否定せずに「ありのままの自分でいい」と自分を認めて、受け入れることです。

実は、ほとんどのお母さんは自分自身に肯定感がないから、子どもだけは自己肯定感を持って欲しいと悩んでいます。でもね、子どもは、大人が思う以上にたくましいです。現にお宅のお子さん好奇心旺盛で元気なんでしょう?

子育てに行き詰まらないお母さんなんていない。迷惑をかけてはいけないという縛りをほどいてください

2、3歳児の子どもは肯定感100%越えているくらい自分中心です。イヤイヤ期といわれる年齢ですが、自分が大事と叫んでいるようなものです。「まったく!」とあきらめながら、見守っていれば、心身健康に育っていくでしょう。そうはいっても、元気すぎて叱ることも多いでしょうし、あなたひとりでは大変です。お父さんや園の先生、友達など、いろんな人の助けをかりていきましょう。迷惑をかけてはいけないという縛りをほどいてください。

迷惑をかけていい周囲の人達と繋がってください。相談内容を拝見すると「自分は、子育てに向いていない性格だと思う」とも書かれていますが、子育てをしていくうちに親になっていくのです。どんなお母さんでも子育てに行き詰まったり、投げ出したくなったり、「可愛くない!」と思うのは、よくあることです。

 

疲れているときは、子どもと少し離れる時間を作りましょう

お母さん、少し疲れたんだと思います。自分の手には負えないぐらい活発な子を授かってヘトヘトなのに、それを本音で吐き出せる人がいないのではないかしら。

とにかく今は、お母さんが元気になるのが最優先です! 少し子どもと離れる時間があるとリフレッシュできると思うので、一時保育を利用したり、託児付きの子育て講座などに参加してはどうかしら。夫に預けるのもいいですよね。

元気な子は自分で育つたくましい力をもっているから、お母さんが神経質になって育てなくても大丈夫! またどんなに活発な子も、4~5歳ぐらいになると少し落ち着いてきます。もう少しだから頑張ってね。

 

教えてくれたのは

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて36年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。

イラスト/海谷泰水

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