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7歳児に多い交通事故、その約4割は登下校途中!
1年生にあたる7歳児は最も交通事故にあいやすいといわれています。でも、なぜ1年生が? その理由を、交通安全教育に詳しい東北工業大学教授の小川和久先生にお聞きしました。
園児のときは親が見守り、バスなどで通園していたのが、小学生になると子どもだけで歩く機会が大幅に増えます。通学路に慣れるまでには時間がかかるし、子どもにとって環境に適応するのが難しい状況だといえますね。また、7歳くらいだと車の動きを予測することも難しく、注意できる範囲が限られています。同時並行で『あれもこれも』見たり考えたりして行動することが難しい。通学環境を客観的に認識できるように、お子さんの認知発達を手助けしてあげてください。
小学校「入学前」に親子で交通安全教育を
入学後は新しいことの連続で、お子さんもおうちの方も何かと忙しいものです。入学前に親子で交通安全について話し合う機会を持ちましょう。
お話を聞いたのは
子どもが自ら交通安全を考え、学ぶポイントは「具体的に」伝えることが大切
子どもを事故から守るためには、子どもに気をつけてもらいたいことを、わかりやすく具体的に伝えることが大切です。まずは実際に、通学路をお子さんと歩いてみましょう!
現地に行く→写真を撮る→家でおさらいする。3段階で通学路チェック!
入学準備として、通学路の危険なポイントを伝えるときは、地図で説明するよりも写真を見せたほうが視覚的にわかりやすいです。
注意したいことについて親子で話し合う
通学路を撮影し、写真を見ながら親子で対話しましょう。例えば「どういう場面で飛び出したくなるかな?」と子どもに聞くと、「よく行くお店や公園が見えたから」などと答える場合もあります。そんな場合、飛び出しがいかに危ないかを伝えましょう。
大人がお手本を示す
大人が子どもの後ろから「そこで止まってね」などと声をかけても、1年生だと言葉での指示を理解して行動に移すのは難しいものです。安全確認の仕方については言葉で学ぶより、大人が横で安全な行動を示し、それを見た子どもがまねできるようにしましょう。
お子さんに問いかけを
お子さんが一人で歩くことを前提として、交通ルールが理解できているか、撮った写真をもとに確認してみましょう。「信号が点滅したらどうする?」「この道はどこを歩く?」などと問いかけることで、「ここは危ない」という子どもの気づきを引き出すことが大切です。
交通安全の合言葉「とまる」「みる」「たしかめる」
お子さんにとっても覚えやすい、交通安全の基本行動はこの3つ。道路を横断するとき、必ず思い出しましょう。
とまる
急いでいても飛び出さず、必ず一度止まります。
みる
車などが来ていないかを見て、周りの安全を確認します。
たしかめる
車が来ていたら待ち、通過しても、ほかの車が来ていないかを確かめてから渡ります。
通学路 ここに気をつけたい!10のポイント
危険なポイントを撮影した写真や地図をもとに、通学路の危ない場所をチェックしましょう。
❶ 車から降りるときは大人に安全確認してもらおう。
❷ 急いでいても車のすぐ近くを渡ると危ないよ。横断歩道を渡ろう。
❸ 道に出るときは必ず止まって、左右をよく確かめよう。
❹ 歩道のないせまい道では、右側を一列で歩こう。
❺ 道路の反対側から友だちを呼ばないよ。
❻ 青信号でも曲がってくる車がいないか確かめてね。
❼ 車を運転する人から見えないこともあるので、駐車場では遊ばないよ。
❽ 車などのものかげで遊ぶのは危ないよ。
❾ 信号が赤なのに渡ると危ないよ。
❿ 自転車に乗るときはヘルメットをかぶろう。
一緒につくろう!つうがくろあんぜんMAP
お子さんとご家族のみなさまに通学路の交通安全について話し合っていただくための資材です。MAPを作り、登下校と同じ時間、曜日にお子さんと通学路を歩きながら、交通量や危険な場所を一緒に確認してみましょう。
特設ウェブサイトでは、事故状況や安全な歩き方の基本ルールなどの情報も掲載しています。
JA共済の地域貢献活動サイト「ちいきのきずな」では、交通安全について楽しく学べるコンテンツなど役立つ情報を多数掲載しています。
お役立ちコンテンツ「交通安全」はこちらから>>
協力/JA共済
イラスト/よしだゆう 構成/村重真紀 HugKum編集部