2021年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公でもあり、2024年には新・一万円札の顔にもなる渋沢栄一。「日本経済の父」と呼ばれる彼の残した功績はあまりにも多岐にわたり、彼が関与した事業で現在の経済・産業界の礎となっているものは枚挙にいとまがありません。
そんな渋沢栄一の、マルチな実業家としての側面を見ていきましょう。
渋沢栄一が「やってないこと」ってあるの?
幕臣時代の渡欧、明治新政府・大蔵省での官僚時代を経たのち、渋沢栄一は民間実業家として、銀行設立や紡績・鉄道・海運・保険・金融・ガス・電力など、近代国家に必要なインフラ関係の多くの事業に関与しました。
関わった企業・団体の数は500以上といわれています。その渋沢栄一が関与していない事業は、以下のどれでしょうか。
1)服飾デザイン
2)劇場
3)ホテル
4)ビールの製造業
【正解】
1)服飾デザイン
それでは、渋沢栄一の広範な分野にわたる功績について、見てみましょう。
まんが/岩田やすてる シナリオ/香川まさひと 監修/老川慶喜
『学習まんが人物館 渋沢栄一』より
もっと渋沢栄一を知るために
「小学館版 学習まんが人物館 渋沢栄一」
渋沢栄一は、銀行、鉄道、貿易、保険、製紙、セメント、煉瓦、電気、ガスなど、欧米からの技術・知識の導入によって生まれた近代産業の多くに、会社設立や経営というかたちで関与していきます。
しかしそれは、会社を経営しつつ所有するオーナー型の起業家として富を蓄えただけではありませんでした。出資者として得た配当利益を新しい会社の創業や発展につぎこみ、次々と公益性の強い事業を根付かせていったのです。
さらに、経済と道徳の一致を信念とする栄一は、経済や産業分野のみならず、人材育成としての教育、社会福祉としての慈善事業なども手がけていきます。
伝記まんがの決定版「学習まんが人物館」は、そんな渋沢栄一の実像と理念をドラマチックに描きだします。
構成・文/HugKum編集部