子どもにどんなお菓子を与えるのか、パパとママからすればとても大事な問題ですよね。特に1人目の子どもとなると、初めての子育てですから、口に入る食べ物全てにかなりの気を遣っている家庭もあるはずです。そんなパパ・ママなどの保護者に今回は、子育て世帯の移住が相次ぐ富山県舟橋村から発売された安心おやつ『おこめとおやさい』を紹介します。
子育てでも有名な日本一小さな村で生まれた焼き菓子
富山県にある「舟橋村」という名前を聞いた覚えはありますか? 地理に詳しい人に聞けば「日本一、面積の小さな市町村」といった情報が返ってくるかもしれません。
その広さは米ニューヨーク・シティのど真ん中にあるセントラル・パークとほぼ同じくらい。セントラル・パークを広いと考えるか、舟橋村を狭いと考えるかは判断が分かれるかもしれませんが、村を歩いたり、車で通過したりすると、日本一小さい村というイメージとは裏腹に、意外にも子どもの姿を見掛けます。
その背景には、舟橋村が力を入れてきた子育て支援の歴史があります。一時期は人口が1,000人程度まで落ち込んだと言いますが、現状では約3,200人。そのうち、およそ半分が子育て世帯で、平成22年の国勢調査では15歳未満の人口割合が日本一になった実績もあるほどです。
その親子に優しい舟橋村で生まれた焼き菓子が、『おこめとおやさい』です。舟橋村農業ブランディング機構FABO、富山中央青果株式会社、子育て支援センターぶらんこを運営する一般社団法人さくらんぼくらぶの協力の下で、2021年3月26日に発売となりました。
プロジェクトの中心的な立場を担う、舟橋村農業ブランディング機構FABOの岡山史興さんは、ご自身も舟橋村で子育ての真っただ中の人。まさに現役のパパだからこそ分かる問題や悩みを解決するべく、舟橋村の米粉と富山県産の安心・安全な野菜で、焼き菓子をつくったみたいですね。
開発段階では、記者発表の場にもなった子育て支援センターぶらんこに集まる保護者たちに丁寧にヒアリングして、試食会を重ねたとも言います。農業×子育てのプロジェクトにありがちな、「自然派の野菜を食べさせたい」という思い先行型ではなく、子育て中の保護者が本当に困っている問題や悩みの解決に、コンセプトメイキングの段階から一貫して焦点を当てたのだとか。
安心安全で、確かに甘い
『おこめとおやさい』の狙いは、「おかずにもなるおやつ」です。子育てをしていると、食事の前に子どもがお菓子を食べすぎて、夕ご飯を食べなくなるという問題に、誰もが一度は直面した経験があるのではないでしょうか。
しかし、夕ご飯の準備をしている時、おかしでも食べていてもらわないと、子どもの手が離れずに準備ができないというジレンマが、一方でパパやママにはあるはずです。
しっかりと栄養価の高いお菓子をつくって、まるでおかずの一品を「つまみ食い」させるように食べさせれば、この悩みも解消します。舟橋村農業ブランディング機構FABOの岡山史興さんは、舟橋村の子育て現役世代の意見を大いに取り入れながら、「おかずにもなるおやつ」をコンセプトに焼き菓子をつくったのですね。
3月末に舟橋村の子育て支援センターぶらんこで開かれた記者発表の場では、隣接した食事部屋で子どもたちがスティック状の『おこめとおやさい』を握って、黙々と口に運び続けている姿も目の当たりにします。
その食べっぷりにびっくりして岡山さんに聞くと、試行錯誤の末に改良を繰り返し、1本当たり1g以下のてん菜糖と、米粉、小麦粉、野菜本来の味で、お菓子らしい確かな甘さが実現できたといいます。
『おこめとおやさい』の原材料は、富山県産の米粉、国産の小麦粉、バター、てん菜糖、小松菜、塩です。
どれほどの甘みがあるのか半信半疑で口にさせてもらうと、マイルドな甘さが確かに感じられます。その口当たりの良さに米粉、小麦粉の穀物感、バターと野菜の風味が重なって、食べ応えと腹持ちの良さも感じました。1歳の子どもがパクパクと食べる理由も、十分に分かります。
形にも安全性への配慮がある
薄いスティック状の形についても、こだわりがあるそうです。岡山さんによれば、『おこめとおやさい』はそれこそ、歯が生えてきた子どもなら誰でも食べられると言います(※アレルギーの子どもは除く)。
そうなると「ベビー用おやつ」として利用されるケースもあるはずで、誤飲のリスクを徹底して検討した上で、平べったいスティック状にしたのだとか。最初はキューブ型なども考えたそうですが、試食を繰り返すうちに、小さいと逆に飲み込んでしまう危険性が高いと分かったそう。
確かに窒息事故に関する消費者アンケートを読むと、ソフトせんべいに次いで、ボーロのように丸いお菓子の危害発生率が高いと示唆する情報もあります。かまずに飲み込んでのどを詰まらせる危険性があるのですね。
逆にウエハースのような短冊状のおかしの場合、危害発生率が低いと示す調査もあります。その意味で薄いスティック状の『おこめとおやさい』は、理にかなっているのかもしれません。
『おこめとおやさい』の1本の長さは、6cmです。子どもが焼き菓子を手で握ると、ちょうど1cmほどが手に余るようになっています。子どもがその出っ張った部分をなめたり、かじったりすれば、柔らかい焼き菓子が口の中で容易に崩れます。
もちろん、保護者としてはお茶を一緒に与える、乳児の場合は目を離さないなど配慮が必要ですが、一般的なサポートがあれば、小さい子どもでも十分に安心して食べられると感じました(※あくまでも筆者の感想です)。
『おこめとおやさい』は6本入りで250円(税抜)。執筆時点で「立山まちなかファーム」(富山県)の他、オンラインショップ「ふなはしBazarオンライン」で購入できます(※今後、県内外の小売店でも展開予定との話)。
焼き菓子に使われる野菜のラインアップは、小松菜、および芽キャベツとケールを交配してできた葉物野菜(プチヴェール)です。
週に100セットの出荷体制を整えていると言いますから、オンラインショップで売り切れが起きている場合は、定期的にサイトをチェックして在庫を確かめ、注文してみてくださいね。
商品名 :おこめとおやさい
品名 :焼菓子
原材料名 :米粉(富山県産)、小麦粉(国産)、バター、甜菜糖、野菜、塩内
容量 :6本
販売価格 :250円(税抜)
ラインナップ :小松菜、プチヴェール(※今後、旬の野菜と順次コラボレーション予定)
取材・文・写真/坂本正敬
【参考】
※ 「ベビー用のおやつ」による窒息事故に関するインターネット消費者アンケート調査 – 東京都